パーティーメンバーを雇おう。53話
腕の感触が、とんで無い事になっていた。
ユリさんにベッタリくっつかれている。何故かパーティーメンバーになっていた。胸が当たっている。僕の鼻は伸びっぱなしだ。
「ほう、ゆりは料理人か!では、ナナは不要となるのでは無いか?」
「え?あ、うん、私、全然役に立てなかったね。仕方無いかぁ。」
ナナさんは、どこか寂しそうだ。
「まぁ、契約しましたし、期限まではお願いします。」
ユリさんは、とても不機嫌になった。ワナワナと肩を震わせ、包丁を研ぎ出す。
「わ、分かりました。でも、今日の狩り凄かったですね!」
「そうだね。僕も最初はビックリしたけど、慣れちゃったな。まぁ、レベルがバンバン上がって、嬉しいけどね。」
「そういやバトルマスターいくつになった?」
「レベル15なったな。」
「ここは適正レベル15だから、レベル20まで上げよう。」
「分かった。それよりアレックス、転職はしないのか?」
「うむ、考えたが、やっぱりこれが最短らしいんだ。」
「我は転職しなくてよいか?」
「勇者一択でお願いします。」
「分かった!任せておけ!あっはっは!」
「私も転職した方が良いかな?」
僕は、顎に手を当て考えた。僧侶がいいかな?このパーティーメンバーでは、傷が癒せない。
「ユリさんは、僧侶、ダメかな?」
「ごめんなさい。僧侶は転職欄に無いの。」
「じゃあ、何が転職可能?」
ユリさんは、料理人レベル25だった。あれ?ピンキーのお母さんが僧侶レベル21だったかな?年も38って言ってたし。んん?もしや、ユリさんは40近いのか?冷や汗が垂れる。
特技 調べる発動!
「ユリさんの年齢。」
『回答を拒否します。次に発動するとバレて殺されます。以上。』
ゾゾゾと、背中に寒気が過る。これは、禁忌事項だな。触れないようにしよう。僕は、笑顔でそう思った。
戦士、空手家、狩人、料理人が転職可能らしい。
狩人がアタッカーとして、優秀なのでそれに転職してもらう事にした。
「コカトリスは、狩り尽くしてしまったので、次の獲物は、ビックトードにしましょう。」
「あのデカい蛙だな?心得た。」
「あれは気持ち悪いよねぇ。」
「あの、ユリさん。もう少し離れて。」
「いやん!」
こうして、夜は更けて行った。
その頃、解体場所では、
「なんじゃこりゃ?!コカトリスが113体だって?!」
「親方!人手が足りません!」
「どいたどいた!もも肉を、こっちに運ぶの手伝って!」
「バカ野郎!骨はしっかり外さないと、ダメとあれ程言っただろ!」
「この血抜きの手際、とてもマネできねぇな。」
「内臓も旨いんだぞ!この肝臓、白いが、白レバーだ!こいつはレアだぞ。そして、超旨いんだな!これが!」
「お前らぁ!口を動かしてないで、手を動かせ!」
「ははは!お前、血を頭から浴びて、血まみれだぞ!」
「それを言うなら、頭から血を!だ!」
「目がぁ!目がぁ!」
「アヒャアヒャアヒャヒャヒャヒャ!!!!!」
コカトリスの毛を抜く作業をしている。
ブチブチブチブチブチブチブチブチブチブチ。
職人の悲鳴が、夜中こだまする。




