パーティーメンバーを雇おう。52話
目を開けると、ボンヤリ誰かの影が写る。女性だ。頭が覚醒してくる。この人知ってる。柔らかいなぁ。そして、良い匂いだ。頭の感触と匂いを楽しんでいた。僕は、何故こうしているのだろう?何故膝枕されているのだ?
ん?あ、え、うぉ!
「ぎゃあああああ!!!!!!」
僕は、ベッドから転がり落ちる!シーツが体に絡まったが、そんな事を気にしている暇は無い!
床を犬歩きの要領で、這いずる。そして、壁があった。逃げられない。脂汗が額を伝う。壁に背を向け、両手を広げて壁に手を付ける。
「まぁ!そんなに嬉しがらなくても!」
受付嬢のユリさんが、体をくねくねしながら言う。
ユリさんが僕に近づいてくる。あの世へのカウントダウンだ。そこに誰かが立ちはだかる。
「おい!アレックスが怖がっているじゃないか?」
勇者だ!こいつは勇者しかいない!あ、アイは勇者だったね。勇者じゃなく勇敢の間違いだ。
「ああん?!勇者だって、調子に乗んなよ?泥棒猫が!!いつの間にか、同棲気取りやがって!羨ましい!ぐうううう!殺す!」
「我は猫では無いぞ?勇者アイである!」
「あ、そ!言い残す事はそれで終わり?」
「いや、あるぞ!我はアレックスが好きだ!」
何ぶっこいてるんだお前は?!怒りの燃料を給油すんな!ユリさんが、何故かこっちを見てるぞ!何とかしろ!
「ふふふ、簡単には死ね、な、い、よ?」
その瞬間、包丁を取り出して、アイに向かう!
「秘技!乱れ斬り!」
シャシャシャシャッ!!!!
目で追いきれない。1秒間に16連突きだった。調べるを使ったから、間違い無い。乱れ斬りでは無く、あれは乱れ突きが、正しいなぁと思った。
「ちぃいいいぃいっ!!」
ユリさんの乱れ斬りは、綺麗に避けられていた。
「簡単には死ねないんでは無いのか?あれをまともに受けたら、瞬殺ではかいか。」
「殺す殺す殺す殺す!!!!」
ユリさんは、包丁を銃を人差し指にかけて、回すように、くるくるくるって回した。どーやったら、あの動きが出来るんだ?ガシッと包丁の柄を掴む。殺意のオーラが止めどなく溢れる。
「ちょっと待った!」
「何?命乞い?そんなの聞くわけなぃだろ?」
「意味が分からんが、お前もアレックスと一緒にいたいのか?」
「それがどうしたと?勇者様には関係無いだろうがあぁぁあ!」
「ウチのパーティーはメンバーが足りないのだ。加われば一緒に住めるぞ?」
カランカラーン。包丁が床を転がる。
「そ、そ、そ、そんな?その手があったとは!!」
両手、両足を床に着き、ユリさんは下を向いていた。
「そうだろ?アレックス?」
え?嘘だろ?こいつをパーティーに入れるって?無理だ。絶望な未来しか見えない。
「あ、いや、募集はして無い。」
「人が足りないから、臨時で加えただろ!」
「ん?気のせいじゃないか?」
「そうか!臨時の募集は無く、固定でパーティーに加わってもらうのだな!」
「おい!ちょ!おま!」
ユリさんは、ゆっくり立ち上がる。
両手をの平を合わせ、右頬に添える。
「これから、ずっと宜しくね。」
その後、ユリさんは、ずっとくねくねしていた。




