転職しよう。46話
ここは、ロンダル王国の城下町。
僕達は、転職する為に、教会に来ていた。
少し遡る。
「アンさん、ありがとうございます!」
「勇者御一行に加えて貰えるのは、とても名誉だわ!」
「おい!勝手に決めるな!」
「じぁあ!ロンダル王国城下町に行きましょう!」
「だーかーらー、僕の話を聞け!」
「貴方に選択権は無いのよ。早く行ってらっしゃいな!ああ、家の息子が勇者御一行に加われるなんて!感無量だわ!!!」
そう、アンさんを勧誘しに来たのでは無く、ピンキーを迎えに来たのだ。彼に選択権は無い。
何だかかんだ、言ってるが、満更でも無さそうだ。道中、馬車に乗り込み話をする。
「僕の力が必要になった訳だな!」
「ん?違うけど?」
ガーン!と音が鳴るくらいの表情だ。
「まぁ、今から教会行くから解るって。」
「え?転職するの?アレックス。」
「ん?あー、レベル10なったしな。」
「ちょ!マジか?!お前割りと凄いんだな!」
「よく解らんが、特性付いた。」
「どの職業もレベル10なると、特性付くもんね。」
「そういや、あれからお前レベル上げたのかよ?」
「・・・・・。」
「その様子じゃあ、サボったな!」
「あの後、もの凄い怒られたんだぞ!パンツとズボンを汚したって!」
「ぷっ!あ、あれね。」
「アレックス!我も話に混ぜろ!訳が解らん!」
アイに、ゴールデンミミズ討伐の際、ピンキーを召還した事。そこで、尻を拭かなかった事を教えた。
「ピンキー!母上に教わらなかったのか?ウンコしたら、尻拭くと!」
アイは、腕を組みピンキーを哀れむ。
「し、知ってるよ!ウンコしてたら、いきなり呼び出されたんだ!川で洗おうと思ってたから、タオル無かったんだよ!」
「笑止!」
「アレックス!お前のせいで怒られたんだぞ!」
「はいはい、ごめん、ごめん。」
「僕の扱いが、雑になっているのは気のせいか?」
「そんな事無い。ピーナッツ喰うか?」
ピンキーは、文句を言いながらも、ピーナッツに手を伸ばした。
「ん?このピーナッツ!メチャクチャ旨いな!」
「ん?ああ、バターで炒めたんだ。」
「何だと!我に黙ってそのような旨そうなモノを!」
こいつ、食いしん坊キャラだったか?
袋をアイに向けると、パァっと顔が綻ぶ。
「ふが、モグモグ、こんな、モグモグ、旨い、はむ!のが、モグモグ、この世に、はむ!はむ!あったとは!」
食べるか、話すかどっちかにしろ!
「旅のお供は、バターで炒めたピーナッツか、燻製肉と相場は決まっているのだ。」
「初めて聞くのだが。」
「同じく。」
「普通は、干した肉か、胡桃の実だな。」
「アレックスは、常識がズレているぞ。」
「お母さんは、干し葡萄と、干し柿を冒険者時代持参したってさ。」
「乾物系が基本だな!」
「お前らには、もうピーナッツも、燻製肉もやらん!」
「「!?」」
「待て!それとこれとは話が違う!」
「そうだ!どちらも必要な食料だ!」
「城下町に行けば、食料調達出来るだろ!もう絶対にやらん!!」
アイは涙目だ。ピンキーは、失敗したと俯いている。
今日は、風がとても気持ちいい。秋風が僕達を優しく撫でた。




