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ファンタジー クエスト  作者: ハロ
最終章 最終決戦
192/195

190話 最終決戦5

アレックスが魔王となってしまった。


強さは半端無い。

レベル174と限界を超えた存在である。レベル差は99と、もう何をしても覆す事等叶わない。キズ1つすら付けられないだろう。


私はここで死ぬ。

それはもう覆る事の無い事実だ。大好きなアレックスに殺される。本望だ、全く。最初の出会いを思い出す。


王様との謁見で、アレックスをお供に連れて行く事を言われた。遊び人を勇者パーティーに入れる等、正気かとその時は思った。釣り人を入れた方が、食料の自給自足に良いくらいだと思ってしまう程。


しかし、アレックスはそれを見事に覆した。

もう、アレックス無しでは、このパーティーは成り立たない。私にも、そして、このパーティーにも必要な人物となった。


私はいつもアレックスに頼りっぱなしである。

レベル上げも、狩場選定も、そして、装備選びも、だ。効率がいい。要領も良い。動線が最短なのだ。いつしか、私は依存していった。全てをアレックスに任せれば、魔王も討伐出来てしまう。そんな気分で旅をしていたかもしれない。


「サボタン!どうか、私に!アレックスを救える力を貸して!!お願い!!私の命と引き換えにしてでも!」


サボタンの形見の球根の花を握り締める。

私に、サボタンは任せろ!と言っているかの様だ。もう頼れる仲間は残っていない。ユリ、ピンキー、京子とやられ、残っているのは、私だけだ。


「お前も、俺に楯突いてくるのか?アイ」

「ああ。待たせたな。アレックス」

「新魔王と呼んでくれ。もうその名は不要だ」

「そうか。でも、私にはアレックスという名が、

とっても呼びやすいのだ」

「ふん!好きにせい!くっくっく!自分の事を、我と言わないんだな?勇者アイよ?」

「もう強がる必要は無い。私は決めたのだ」

「何を?」

「アレックスを正気にさせる事をな!」

「俺は正気だよ。魔王になって、何て満たされるんだ。この満ちた力が、溢れてくるんだよ。くっくっく!」

「力に溺れる者は、力に負ける」

「それは弱い者の戯言!」

「ならば、試してみればいい!アレックス!」

「ふん!軽く捻り潰してくれよう!」


アレックスは剣を抜いた!私も剣を抜く!

覇王の剣、この旅で一番頼ったかもしれない。アレックスは、勇者に転職出来る様になった。でも、貸したのは1度だけだ。ずっと、私に使わせてくれた。


「たりゃあ!!」

「ふん!」


キン!キン!ガキーン!


剣と剣が交わり、交差する!アレックスの剣の威力は、手が痺れてしまうくらいの力だ。少しでも、気を緩めればやられてしまう。武器の性能の差、それで何とか戦っているのだ。その他の武器では、受ける事も叶わないだろう。


「防戦一方では、勝てんぞ?アイ!」

「ふん!言っておけ!」

「降伏しろ!そうすれば目かけにしてやる」

「それもいいな!竜子はどうする?」

「あれは・・・・・殺す」

「何故?目かけにしないのか?」

「ぐぬぬぬ!そうだな。何故殺そうと思っていたのだろう?怒りで分からなくなったのか?」

「アレックス!抱いてくれ」

「ふん!ようやく俺の魅力に気が付いたか!くっくっく!あはははは!あっはっは!!」


上目遣いで、抱かれアレックスを見る。


「あっは!?な、何を持っておる!!!!!」

「サボタンの最後に残した球根の花だ」

「ぐぅう!頭が頭が!!は、離れろ!!ぐぅううううあああああああ!や、やめろ!やめろぉ!!!!!」

「アレックス!一緒に死のう。一人では寂しいだろ?ずっと、ずっとこうしている」


アレックスを抱き締め、間にサボタンの球根の花を置いた。もう一人にしない。アレックスは誰にも渡さない!渡すものかぁ!!!


「ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


アレックスにまとわりついていた、禍々しいオーラは消えていった。サボタンの球根の花が、優しい光を放つ!そして、浄化されていくのだ。


ステータスを確認すると、アレックスのレベルは1になっている。職業は確認出来ないが、もう魔王にならないと思う。


「アイ・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめん」

「ア、アレックス?正気に戻ったのか?」

「うん。迷惑かけた。ごめんよ」

「う、う、う、アレックス。サボタンが、サボタンが・・・・・・・サボタンが死んじゃったよぉ!!サボタンがぁ!ああああああ!うわああああああ!あああああ!うわああああん!あああああ!!サボタン!サボタン!!」

「ごめん。ごめん。ごめん。ごめん」


アレックスは謝っていた。私にでも、ユリにでも、ピンキーにでも無い。まして、京子でも無いのだ。サボタンに、サボタンに深く謝っていたのだった。私は泣いた。泣く事しか出来なかった。アレックスの胸で、涙が枯れ果てるまで泣いたのだ。



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