188話 最終決戦3
「俺のモノになれ!竜子!!!」
「くっくっく!何を戯けた事を!」
調べるを使い、口説くを連発しろと言われた。
正直、意味が分からない。でも、それで皆が助かるならば、それでいい!僕はそう思ったから、口説くを発動させたのだ!
「魔王等止めて、俺と共に来い!」
「何を申すかと思えば、世界の半分が欲しくなったのか?ならば、そこの女を見せしめ殺せ!そうすれば、考えてやろう!」
「だが、断る!」
「欲深な勇者だ!ならば、ここで死ね!」
「それも断る!俺は、ニーナを愛しているんだ!」
「何を戯けた事を!・・・・何だ?頭が!痛い!くぅ!忌々しい事を言うのぅ!!」
ニーナって、誰だ?僕にも分からない。が、魔王は苦しみだしている。やはり口説くを使うしかない!
「ニーナ!生き別れたお兄ちゃんだ!血が繋がっているんだ!愛して当然だろう!会いたかったぞ!」
「ば、馬鹿な!妾はニーナではない!竜子とちゃんと名前が!ぐぅうあ!!何だ!この痛みはぁ!!」
不思議と違和感は無い。何だろう。この懐かしい記憶は?ふと、光景が浮かぶ。赤ん坊が泣いている。一人じゃない。二人のだ。
「双子の片割れが、お前なんだよ!ニーナ!」
「ぐぬぬぬ!!やめろ!やめろぉ!!!!」
魔王は変身した!ドラゴンにだ!
全長20メートルはあるだろう。もう巨大過ぎて、太刀打ち出来るとかのレベルを越えている。
「く!ど、どうすれば?」
口説くは、もう効果が無い。
使っても、何も声が出なかったからだ。
辺りを見回すと、僕以外誰も立っていない。意識朦朧としているか、それとも気絶しているかだ。何とかしなくては!調べるを発動するか!!
「キュピ!」
「ま、任せろだって!?」
サボタンが立ち上がる!
僕は動けずにいた。みるみると巨大化する、サボタンを眺めているしか出来ない。変身したドラゴンの魔王と同等の大きさになる。
「やめろ!サボタン!無茶だ!」
「キュピ!」
グオオオオオオオオオ!!!!!!
咆哮を吐き出し、空気を震わせる!
深く息を吸い込む!ヤバい!ドラゴンプレスがくる!!
「あ!」
死んだ。そう思ったが、丸焦げにはならなかった。
皆無事だ!サボタンを除いて。
サボタンがかばってくれたお陰で、助かったのだ。
サボタンは口から煙を吐いた。表面は焦げ焦げで、見るも無残な状態となる。僕は必死に叫ぶが、サボタンはニコリと微笑んだ。そして、ドラゴンに抱き付く!
「や、やめろ!サボタン!それだけはやめろーーーー!」
サボタンは真っ赤になる。とても、赤い。全身から熱が放出されるのが分かる。もう止められない。サボタンは自爆したのだ。
『アレックス!アイを頼む!寂しがり屋だから、な!』
ドッゴーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!
ドラゴンの姿も、サボタンの姿も無かった。辺りは、埃が舞い上がり、煙がもくもくと吹き上がっている。
「さ、サボタン!!!うああああああ!!」
自爆した辺りは、サボタンの頭にあった球根の花が落ちていた。煙が晴れ、段々と見えるようになってきたが、何
かがいる!サボタンか!?
「くっくっく!自爆するとは、流石に妾も参ったぞ!」
「ま、魔王!!??」
「この虫けらめが!」
魔王は、サボタンの形見を蹴り飛ばす!球根の花は、何処かに飛んで行った。
「あああああああああ!!!うわああああああああ!!」
「泣け!叫べ!そして、死ぬがいい!くっくっく!」
サボタンが死んだ。僕のせいだ。皆死ぬだろう。僕のせいだ。どうして、こうなった?訳が分からない。何故?どうして?答えてよ?ねぇ!神様がいるなら、答えろよ!
僕は絶望した。
そして、考えるのを止めたのだ。
「おい!アレックスの様子がおかしいぞ!?」
「ア、レッ、クス、さん?」
禍々しいオーラがアレックスを包む。黒い、いや、ドス黒いオーラだ。これは見た事がある。そう、竜子が見せた時と同じだ!
ズドーン!!
アレックスから、黒いオーラの柱が吹き出す!そして、立ち上がった!そうか。魔王になってしまったのか!アレックス!私は見ているしか出来ないでいた。




