184話 ぞんざいに扱われてるで御座る!
「デカイな!」
「そうですね!」
ドラゴンアッシュ、NMだ。大きさは10メートル級の巨大ドラゴン。金色に輝く金ぴかのドラゴンだ。これが金だったら?そう思ったが、そんな相手倒せる訳無いので、そうじゃなくて良かったと思う。肉は不味そうだ。だって、金色の肉なんて食べたく無い。
気が付いたら、強化が終わっていた。いかんいかん。戦闘に集中しなくては!僕は袋から石を取り出した。
「ファーストアタックは、ピンキーで!ヘイト稼いで!他のメンバーは離れて待機!」
「しゃあ!この成金ドラゴン!!」
挑発が決まり、ドラゴンアッシュはピンキーに怒りを向けた!ドラゴンアッシュが息を大きく吸い、咆哮を吐き出す!
「グウオオオオオオオ!!!!!」
「何て威力だよ!?」
ピンキーは、盾でガードしながら、咆哮に耐える。足を踏ん張り、その場に止まるのだ!少しでも、気を抜けば、後方へ吹き飛ばされかねない。長い咆哮が終わり、僕達は身動きが取れる様になった。
さぁ、ドラゴン退治しますかね!
ドラゴンアッシュは、翼を広げた!
チャンスだ!翼を狙い撃つ!僕は石を!サボタンとユリさんは針を!飛び立つ前に、翼をボロボロにしてやるのだ!
「な、何だと!?無傷!?」
が、翼にはダメージが与えられなかった!よく目を凝らすと、体全体には風を帯びている!僕は勘違いをしていたようだ!ドラゴンアッシュでは無い!
「アレックス!どうするんだ!?」
「とりあえず、回避専念!!あのドラゴンはドラゴンアッシュじゃない!!」
「な、何だと!?」
「エアリルドラゴンだ!!」
エアリルドラゴン。適正レベル70のHNMだ!
ドラゴンアッシュと同じ金色だが、風を纏う事が出来る。
こちらの方がレベルは上だが、油断は出来ない!何故なら、体に風を纏っているからだ!そのせいで、針は避けられ、石はダメージを与える前に、地面に転がってしまった。
「おい!飛ぶぞ!どうするんだ!?」
「アイ!僕と雷撃を!」
「こんな離れて、雷撃等当たるか!!」
上空高く舞う。エアリルドラゴンが。
BFなので、空に制限は無いようだ。もし逃げられたら、どうするんだろう?いかん!そんなムダな事を考えてる余裕は無い!
「来るぞ!」
「ピンキー!避けろ!」
「くっ!たーー!!」
紙一重で、ピンキーは地面を転がる!
再び上空を旋回し、エアリルドラゴンは舞うのだ。ん?あんなに速度を出せば、風を纏っても意味は無いよな。
僕は石を投げる!それも連続で、だ!
「とりゃ!とりゃ!とりゃ!とりゃ!とりゃ!とりゃ!」
「ギィイイイイイイ!!!!!」
石をぶつけられ、翼を広げて、空中でブレーキをかける!ホバーリングをして、獲物を見定めていた!勿論、僕をロックオンする!足爪で引き裂こうと、飛んで来るのだ!
「雷撃!!」
「グギィイイイイイイ!!!!」
ズバババーン!!と、命中する!
エアリルドラゴンが一時的に動きを止めた!電気で痺れているのだろう。でも、効果は薄い!風が電気を散らしたのだ!
「今だ!サボタン!ユリさん!」
纏っていた風が消える。チャンスとばかりに、針を翼へ叩き込む!翼に針が突き刺さり、石が翼を穿つ!
「グウオオオオオオオ!!!!」
僕とアイは吹き飛ばされる!咆哮をまともに食らい、踏ん張る事が出来なかったからだ!
翼を見る。まだまだダメージを与えなければ、飛ぶ事を封じられない!再び風を纏っているし、空中では厄介だ。
「巨大化!!」
ズンズンズンズン!とピンキーが大きくなる!3倍の大きさになった!ナイトの特技、巨大化。大ききが3倍になる。ただそれだけだ。強さは変わらない。
しかし、大きくなれば、守れる広さも大きくなる!
足爪で引っ掻かれる間際で、ピンキーに助けられた!
「助かったぞ!」
「アレックス!雷撃を!」
「ピンキー痛いぞ?」
「長くは持たないよ!早く!」
「了解!痺れろ!雷撃!!!」
ズバババーン!!
「ギィイイイイイイ!!!!」
ピンキーとエアリルドラゴンは、組み合った形で痺れている。風が無くなり、この隙に翼へとダメージを蓄積させるのだ!
翼をもぎ取ろうと、ピンキーが奮闘している!
「アイ!追加の雷撃いけるか!?」
「我に任せろ!雷撃!!!」
ズバババーン!!
「グギィイイイイイイ!!!!!!」
エアリルドラゴンは、呻き声を上げながら、再び痺れる!ここで、何としても翼を破壊しておきたい!飛ばれたら手に終えないからだ!
ドンドン石を投げる!
ユリさんとサボタンにも針を撃って貰うのだ!
ズシャッ!スパーン!!
「グオオオオオオオオ!!!!ギィイイイイイイ!!!」
「アレックス殿!やったで御座る!」
京子がエアリルドラゴンの尻尾を切断したのだ!人間の胴体くらいの大きさはある!これで、厄介な尻尾アタックを封じれた!残るは、翼のみ!
「どりゃあああ!!!はあ!!!!!!」
ブッシュー!!!!!!!!ブシャアアアア!!!
剣を無理矢理、翼の根元へ押し込み、片方の翼をもぎ取る!
凄まじい程の血が地を流れた!!
「ピンキーよくやった!」
「まだ翼を攻撃します?」
「いや!もぎ取った翼側へ、攻撃をシフトして!」
片方だけの翼では、飛ぶ事は出来ない。これで、エアリルドラゴンの殆どの攻撃手段を封じた!風を纏うも、こんな状態では使えまい。
特技発動!モノマネ!
「ピンキー!君に決めた!!」
僕はモノマネを使った!すると、体が大きくなっていく!そうピンキーの巨大化をマネしたのだ!大きくなった僕は、剣を振る!そして構えるのだ!
「我が剣に纏えし!雷撃よ!力を与えん!」
ピンキーは盾で、エアリルドラゴンをシールドアタックする!距離が開くのを待ち、僕は剣を振り抜いた!
「雷剣スラッシュ!!」
シュン!!
ブンブン!ブン!カチャ。
「お前はもう、死んでいる!」
「グオ?ギィイイイイイイ!!!!!」
エアリルドラゴンは、真っ二つになって、ズレていった!
ズッドドドドドドンンンンンンン!!!と音を立て、崩れていく。素材をどうするか考えないといけないな。
「ミーシャさん達が遭遇しなくて、本当によかったよ」
「レベル70のパーティーでは、倒すのは難しいですからね」
「連続でHNMは沸かないから、一安心だよ」
「で、このエアリルドラゴンはどうします?」
「焼いて食べる!BF内では、空気の心配が無いから、盛大にやるぞ!今夜はドラゴン肉パーティーだ!」
「「おー!!!」」
そして、BF内で1夜を明かした。
次の日
「もう!本当に心配したんですからね!!!!!」
「すいませんでした」
目を真っ赤にして、腫れ上がったミーシャさんに怒鳴られていた。そう、BF内は退出しなければ、次の人は入れない。僕達が全滅したと勘違いされていたのだ。
時間切れによる強制退去されるのだが、倒して全滅寸前。誰かが生き残っていたら、今回のケースとなるみたい。
「ほっほ!勘違いで済んで良かったではありませんか!お嬢様!大怪我が無かったと、思えば軽いですぞ?」
「じぃはもう!でも、ピンキー様が生きていて下さって、安心しましたわ。ああ、ピンキー様!」
熱い抱擁が、ピンキーとミーシャさんで行われた。
「我も!我も!」
「私も!私も!」
「拙者は!拙者は!
無視で御座るか!扱いが、日に日に雑になるで御座るよ!!」
こうして、三人に口付けを交わし、僕達は最後の目的地へとたどり着いたのだ。




