174話 やるべき事
「ミーシャさんお願いします」
「勿論ですわ!」
ミーシャさんはとても上機嫌だった。
無事ミューズ興の依頼をこなしたのだ。しかも、無傷で助け出したし、恩はかなり売れたと思う。
山賊やモンスターを倒したお陰で、治安も良くなったし、僕達も幾つかレベルが上がったのだ。一石二鳥になって、効率が良いのは気分もいい。
「次の狩場は何処になりますの?」
「ほっほ!お任せ下さい。お嬢様!」
地図を机に広げた。かなり詳しい地図だなと思う。普通は、こんな詳しい地図等無い。地形を調べて、地図におこすのがどれだけ難しいか。
モンスターが邪魔で、尚且つ、天候に左右される。カネだけでは、地図は完成もしないのだ。それを持っているという事は、それだけの権力がいると言えるだろう。
「凄いね。この地図」
「あら!分かります?アレックス様!流石ですわ!」
「そんなに凄い事なの?」
「ピンキー、これは偉業だよ。これ程の地図を作れるという事がね。全てを把握しなくては、こんなの地図は作れない!」
「アレックスが感心する程なのか。うーん」
「ピンキー様は、気になさる事ではありませんわ!」
「気にはしなくてもいいけど、
自覚は持っておいてくれよ?」
「分かった。肝に命じる」
執事のじぃさんが、指で示す。
「ここの辺りは、どうですかな?アレックス様」
「獲物を教えてくれませんか?」
「キングコブラスネークですわ!」
「毒が厄介だな」
「ナイトは毒耐性あるけど、それでも?」
「うむ。常に毒状態になると思った方がいいな」
「ピンキー様、他のモンスターにされます?」
「アレックスはどう思う?」
僕は考える、毒は厄介だ。が、慣れてしまえば、大した事は無い。ピンキー次第なんだよなぁ。
「毒はかなり厄介だ。気だるいし、動きも制限される。力も入らないだろう。ピンキー次第だな」
「僕次第か」
「かなり噛まれるから、痛いと思う。じぃさん、他のモンスターのオススメはありますか?」
「ダンジョンがオススメとしか申し上げられませんな」
「NMを狙うって手もあるけど」
「僕が我慢出来ればいいんだろ?
なら、キングコブラスネークをやろう!」
「流石!ピンキー様ですわ!」
「まぉ、やってみて、キツかったら獲物を変えればいい」
「ほっほ!では、用意をして参りますぞ」
執事のじぃさんは、部屋を出て行った。
「キングコブラスネークの皮は、素材として高く売れる。肉もそれなりに旨いらしいね。食べた事無いけど」
「好んでは食べませんわね。
鳥に近い大味だと聞きましたわ」
「骨抜きが厄介らしい。毒抜きもしないとね」
「毒は高く売れると思いますよ」
「ならば、拙者が煎じるで御座る」
「キュピ!キュピ!」
「ああ、サボタンの針に塗ればかなり効果的だよね」
「矢尻に塗って、遠距離でも良さそうですね!」
ユリさんの遠距離攻撃は、とても頼りになるからな。毒でNM のHPを削るのも悪くない選択だ。
「魔王って、毒状態になるのかな?」
「分からない。効いたか、不明なんだよ。過去の戦歴と、アランの日記にも無いんだよな」
「まぁ、ダメ元で試すのも悪くないと思いますよ!」
「そうだね。効いたら、ラッキー程度に思っておこうか」
そうだな。そろそろ魔王の事も射程圏内に捉えているんだ。話に出てきてもおかしくはなかった。
「とりあえず確認だ。
レベル75以上にする。そして、魔王討伐に必要な装備や消耗品を整える。作戦の打ち合わせを念入りに行い、魔王の待つレベル無制限の魔王ダンジョンへ、でいいな?」
「装備と消耗品については、私に任せて貰えません?」
「え?いいの?」
「これくらいの支援は当然ですわ!」
「好意に甘えよう。魔王討伐は最優先事項だからね」
「作戦については、このじぃにお任せ下されませぬか?」
「うお!いつの間に!んじゃあ、お願いします!」
「ほっほ!お任せ下され!」
「残るは、レベル上げだな!」
皆頷いた。やるべき事は決まったな。




