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ファンタジー クエスト  作者: ハロ
10章 奇跡の価値は?
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161話 凄腕の執事

賭け事の都市、ユニバーサルアリッゼを僕達は後にした。

あの街はヤバい。何せ何処に居ても賭け事を挑まれるのだ。そして、カジノに入り浸ってしまう。頭がおかしくなってしまうので、直ぐに旅立つ事にした。


「この街も、長く居なかったね」

「そうだな。観光した記憶が無い」

カジノを乗っ取り、会社を奪い取る寸前だった。それは棚上げしたからいいとしても。後は暗いダンジョンの中での記憶しかない。良い旅だとはとても言えないな。まぁ、僕達は遊びで訪れた訳では無い。レベル上げする為なのだ。


「次は何処に訪れますの?」

「うーん。そうだな」

ここはミーシャさんの借りている屋敷だ。相談しに来ている。ミーシャさんは、お嬢様でピンキーの嫁さんだ。お金持ちで、今回の旅でもかなりのサポートをしてくれた。そこで、次の場所もお願いしに来た次第である。


「レベル65ですと、ダンジョン無制限ですわ」

「もうダンジョンは行きたくない。それに精神的にも良くないよ。次はフィールドで探して欲しい 」

「そう言われましても!じい!何処かありませんの?」

「はっは。それではお任せ下さい。お嬢様」

執事のじいは、部屋を出て行った。あのじいさん、とてもデキる人だ。昨日頼んだ桜吹雪をもう入手して来た。かなりのレア度だから、普通では入手出来ないんだが。


「京子!刀に抱き付いてないで、発言したらどうだ?」

「にゃはぁ!このフォルム!堪らんで御座る!柄にも紋が刻まれて、手のグリップ感が半端無いで御座るよ!アレックス殿!抜いて良いで御座るか?」

「いやいや、抜くな!狩場の話をしていて、何故抜く?」

「アレックス。放っておこう。話が進まないよ」


どんだけ刀好きなんだよ。まぁ、嬉しいのは分かるけどね。ピンキーの腰に掛かる剣に目がいく。

「ん?ああ。これはもう装備させて貰ったんだ」

「カシュナートの剣か!

デザインもカッコいいが、切れ味も抜群なんだよな」


カシュナートの剣

鍛冶職人の最高位レベルが作り出す、最強の剣とされている。黒鋼鉄と白銀を1:1で混ぜ合わせ、7日間叩き続けて漸く完成する一品だ。ミラクルソードがカジノで交換出来る様になってから、需要は激減した。今では作り手がおらず、入手困難なのは間違い無い。

殆ど性能が同じなのだ。カジノでコインを買って交換すればいいだけである。ただ、そのコインを軍資金にして、ひと稼ぎしてやろうという輩は、殆どコインを飲み込ませる。

運が良ければ安く手に入り、また逆もしかりだ。購入コインを全てすってしまい、また追加。結局3倍のコインを購入する羽目になる冒険者が後を絶たない。


「今思い付くのは、レーベル火山だな」

「あそこは、かなりキツイよ。それならダンジョンに行った方がマシなんじゃないかな?」

「だよなぁ。言ってみただけ」

火山での狩場は、かなりの危険が伴う。足場は悪いし、溶岩が流れている所を通る場合もあるそうだ。暑いし、食料や水の確保にも困る。おまけにモンスターも強いのだ。


「いっそNM乱獲するか?」

「以前その討論は済んだハズだよ」

「言ってみただけだよ。ピンキー」

「いや、アレックスには釘を刺さないとね」

「流石ですわ!ピンキー様!」

この持ち上げ感半端無いなぁ。じとめで僕はピンキーを見る。


「お待たせしました。お嬢様」

執事のじいが部屋に入る。そして、頭を下げた。

「で、ありましたの?」

「はい。少々問題が有りますが、良い狩場でございます」

「いいわ!言いなさい」

「海のモンスターを狩るのはどうでしょうか?ただ、釣るのが大変だと思いますので、ここは釣り人を大量に雇うのはどうでしょうか?」

「まぁ!流石!じい!」

「ほっほ。お褒め頂きありがとうございます」

「ちょっと無理かな」

「どうしてですの!?」

「ごめん。お金が無いんだ」

「まあ!何に使われましたの?」

「ちょっとね。鎧を新調したんだ」

「贅沢ですわね!

お金も無いのに、そんな必要無いモノを!」

「ミーシャさん!ちょっと言い過ぎだよ!」

「!?」

ミーシャは泣いた。大粒の涙を流し、部屋を出て行った!ピンキーは僕を見る!

「さっさと追いかけろ!」

「ごめん!直ぐに戻る!」

ピンキーはミーシャさんを追った。


「アレックス様。少し宜しいでしょうか?」

「あ、はい」

「釣り人は、こちらでご用意しても宜しいですかな?」

「え!?お金ありませんよ?」

「ミラクルソードを景品にして、

釣り大会を開催されては如何ですかな?」

「!?」

「幸い、狩場はこの近くですから、

それ程困る事よありませんでしょう」

流石、凄腕の執事だ!僕はこの提案を受け入れた。勿論、ピンキーの鎧を買って、お金が無くなったのは、じいさんにはバレていたのだ。それがお見通しだったから、色々と考えていたのだろう。


「アレックス!我も参加するぞ!」

「うふふ!私も釣りたいです!」

「キュピ!キュピ!」

「拙者の出番で御座るな!」

「おいおい?僕達は、全員不参加だ!釣ったモンスターを狩るのだよ!分かってる?」

「ぶー、ぶー、アレックスのアホ!」

「アレックスさんのいけず!」

「キュピ!キュピ!キュピ!」

「桜吹雪と雪鮫が唸るてわ御座る!」

一人だけ戦う意欲があるのは、どうかと思うが、まぁいい。


「じいさん、釣り大会はいつ出来そうですか?」

「ほっほ!告知はしておいたので、明日か明後日には!」

もうこのじいさんには、頭が上がらんよ。ピンキーだが、次の日会った。


「ピンキー、昨日はどうなった?」

「いやぁ、10回戦突入した。それで、ようやく機嫌を治してくれたよ。もう体力の限界!今日の狩りは勘弁して」

昨日の決まった事をピンキーに伝え、僕は部屋を出て行こうとした。

「アレックス。ありがとう」

「何が、だ?」

「何でも無い。後で向かうよ!」

そう言って、僕は朝食にありついた。

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