153話 順番待ち
「なぁ、アレックス!BF NMを討伐しに行かないか? 」
「アイ、しつこいぞ」
「もうレベル64だぞ?楽勝だろう?」
「あのな、ボス部屋まで最短で1ヶ月かかるんだぞ?そんな時間が、僕達にはあるのか?」
「うぐ!ならば、近道を探すのはどうだ?ほら、このスイッチ何か怪しいぞ!ボチ!」
「あ、馬鹿!」
ゴゴゴゴゴゴ!!!!!
「おい!?何か聞こえるぞ!?」
「うわあ!!!???岩石が転がってきたぁああ!!!」
「に、逃げろ!!!!!」
皆必死だった!踏み潰されれば、例えレベル64でも死ぬ!右へ左へ逃げ惑う!!うお!?嘘だろ!?行き止まりだ!!
右を見て、左を見る!隠れる場所等無い!!上はどうか!?あった!!!
「皆!上の穴へ逃げろ!!」
「「了解!!」」
高レベルの冒険者だけあって、軽く飛び越える。その後、ドッカーンと岩石が行き止まりにぶつかった!
「あれ?下に降りれるなぁ」
僕は地面に着地する。行き止まりだった壁は無くなり、道が続いていたのだ。
「皆降りていいよ」
全員が地面に着地し、この事を確認する事となる。
「アイ!皆死ぬ所だったんだぞ!」
「あっはっは!こうして助かったではないか!」
「アイちゃんお仕置き確定です!」
何かを取り出し、アイの口へ放り込む!
「はぐ!?モグモグ!ぐああああ!!!!ま、不味い!!!!!!!ぐおおお!!ひぃい!!!」
悶えるアイは、床を転がっている。
「な、何食わせたの!?」
「うふふ。ビッグコウモリの素焼きです♪」
アイを屈伏させるとは、凄まじい破壊力だ!!是非僕も1つ欲しいな。いや、食べるんじゃないよ?食べさせるのに。
「この道って、進むと何処に繋がるんですか?」
「いやいや、こんな道は知りませんよ」
「ん?ちょっと待って下さい」
調べる発動!
「この道の先は?」
『ボス部屋。以上』
「うは!」
「どうしたんですか!?」
「えーと、ですね。この先は、ボス部屋です」
「マジですか!?」
「く、臭い!!あああ!!ぐおおお!!誰か!?はうううう!!ビールをくれ!!!」
「そんなモンねーよ」
未だに悶えるアイは、ビールをご所望だ。ビールで匂いが消せる訳無いだろうが。魔法の方が効果がありそうだが、それは言わないでおく。
「どうします?ボス部屋へ行きますか?」
「うーん。どっちが早そうかな?
来た道を戻るか、この先を進むか」
「ここまで来たんだし、ボス部屋行きますか。マッピングもしておきたいですから」
「我のお陰だな!!がぶっ!ぎょえええ!!!!! 」
アイは再び、地面を転がっていた。
「な、何食わせたの!?」
「ビッグコウモリの肝です!うふふ」
是非1つ所持したい。食べるんじゃないよ。大事な事だから、2回言っておく。
道は1本道で、1週間程進んだ所で無くなった。
「扉ですね」
「一方通行の扉だそうだ。
それを抜けるとボス部屋の前みたいだよ」
調べるは、本当に便利な特技だ!改めて思う。
もっと誉めていいんだよ?と声が聞こえた気がする。
ガコ!バタン!
扉を抜けると、ボス部屋の前に到着した。ダンジョンの中で唯一の安全地帯が、ここだ。僕達以外にも、他の冒険者が5パーティーいる。部屋は広く、ここのエリアだけは、モンスターがポップしないのだ。
「順番待ちですね。では、俺達が並ぶよ」
「え!?いいんですか!?」
「ああ!カネ貰ってるからな!気にするな!」
「すいません。お願いします」
天上天涯孤独のリーダーに任せ、僕達は休憩する事にした。
「アレックス!早くボス部屋に入ろう!」
「だから、順番待ちだって!」
BF戦闘には、6人しか入れない。例えアライアンスを組んでいても、飛ばされるのはパーティーメンバーのみだ。過去に1人と6人でアライアンスを組んで、1人で突入した馬鹿が居た。BFは戦闘時間が設定されていて、60分と決まっている。つまり、死ぬ以外で強制排出される事は無いのだ。1人でボスを倒せる程甘くは無い。その馬鹿は、60分その場で待機して、時間切れで排出された。
この間、誰もボスへ挑む事が出来ない。この行為が発見されてから、人気BFで行われる様になった。
主に業者達が、だが。
高く売れるドロップ品は、出る確率も低い。独占というよりも、数を増やさないのが目的らしい。孔雀のネックレス、ジャガーブック、エンハンスの剣等が有名だ。
「アレックス!まだなのか!?」
「まだ5分も立ってないじゃないか!」
ボスが倒されると、次のポップまでに60分掛かる。5パーティーいるから、戦闘時間も考慮して約6時間は最短でも待つ事になるだろう。
僕はテントを張り、そこで仮眠する事にした。
「はぁ、アレックスさん」
「狭いぞ!」
「拙者も上が良いで御座る!」
右腕はアイに取られ、左腕は京子に抱き付かれた。そして、上にはユリさんが乗っているのだ!
「アレックスさん。寝かせませんよ?」
とてもとても言えない事が始まった。5時間後、やつれて出てきたのは言うまでも無い。




