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ファンタジー クエスト  作者: ハロ
9章 希望を胸に
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140話 今出来る事。

痺れクラゲ乱獲祭りは、無事終了した。

残り1日、痺れクラゲのポップは発生するが、祭りに参加出来なかった冒険者への配慮となる。今頃は、皆痺れているんじゃないだろうか?後衛職業を除く。


今、冒険者ギルドに居る。

今後の方針説明があるからだ。魔王の事、オーク・オーバーロードの事を話合う事になっていた。勿論、砂漠のギルド長ヒートテックと、アクアロードのギルド長ウォールも出席している。その他にも、ヘラクスさんが同席をしていた。事が事だけに、メンバーは絞られている。まぁ、職員は昨日の残務で追われているので、それも理由の1つと言えよう。


「昨日はご苦労だった!

そして、サボタン!優勝おめでとう!」

「キュピ!」

サボタンは嬉しそうに、手を伸ばす。本人は親指を立てているらしい。

「優勝賞品は特に無いんだ。すまんな。」

「キュピ!キュピ!」

「アイから貰ったので、結構です。との事です。」

「はは!なら良かった!」

サボタンは、アイにだっこちゃん人形のようにくっついている。レベルが上がって少し大きくなった気がするのは、気のせいか?


「おほん!そろそろ始めようではないか。」

砂漠のギルド長は、話を進めた。

「流れから行こう。まずレベル75まで上げる。そして、魔王をBFで討伐する。その後、レベル90を目指して貰う。ここで分からない事はあるか?」

「はい。」

ピンキーが珍しく手を上げた。こんな積極的なキャラじゃなかったんだが、とりあえず聞こう。


「魔王討伐までは分かるんですが、

何故レベル90を目指すのですか?」

「うむ。オーク・オーバーロードを討伐して貰うからだ。安全圏内には、やはりレベル90は欲しい。」

「それで、オーク・オーバーロードは何処に?」

「それはまだ、調査中だ。」

ヘラクスは渋い顔をする。

「こんなに時間を有して、まだ見つけられないのか!?」

「これでも手は打っているのだよ!」

「それが怠慢だと言ってるんだ!!」

お互いにらみ合う。そこへ、アクアロードのギルド長が割って入る。


「ここでいがみ合って、見つかるのか?」

「く!だが!!」

「だがも、くそも無い!

今は各自出来る事をするのが先決だろ!!」

ヘラクスは歯ぎしりして、その場に踏みとどまった。

「ヒートテック。居場所を見つけるのを、早急に対応するんだ!ヘラクス。これでいいな?」

「ああ。」「直ぐに対応しよう。」


そして、僕達の方を向いた。

「お前達はこの後、ダンジョンに潜って貰う。」

「え!?マジすか!?」

ダンジョンとは、明かりも無い暗闇が続いている場所だ。奥深くに、ボスがいてBF戦となる。階層は、ダンジョンによってマチマチだが、深い場所だと99階層まであるのだ。

当然、休憩出来る場所等存在しない。しかも、風呂はもとより、食料、水、松明、数えたらキリがない程の物資が必要である。


「僕達は、ダンジョン初心者ですよ?無理です!」

「だが、これが一番効率がいいのも事実なのだ。」

「適正レベル60で、まだ弱い分類に入るからな。他の場所だと、55まで下げてしかもかなりヤバイ相手だ。」

「どんな相手なのですか?」

ユリさんが聞く。元受付嬢でも、50以上の狩場は知らない。それは低レベル帯の冒険者ギルドだったからだ。もし、アクアロードの受付嬢なら、知っていたかもしれない。


「爆弾岩石とボムッチだ。」

「マジすか!?」

「え?それヤバイの?アレックス。」

「つーか、ピンキーが死ぬかな。」

「うへ!?何故僕だけ!?」

「両方HPが減ると自爆するんだよ。しかも、広範囲で高火力なんだ。ナイトレベル50で辛うじて1残るんじゃね?あ、HP満タンでな。」

「はあ!?

そんなの相手出来ないよ!チェンジ!チェーンジ!」

「それ以外の獲物はおらんので御座るか?」

「だから、ダンジョンを進めてるんだろうが!」

「皆どうして乗り気って行ったんですか?」

「地道にNMを狩るという手もある。が、オススメはせんな。まず安定感が無い。いつ沸くとも限らない相手を、探すのは苦痛だ。そして、沸かすのに沢山狩る必要がある。お前達にそんな忍耐あるのか?」


皆無言になった。いつ終わるともしれない狩りよりも、経験値を確実に得られる方法の方が気分もマシだ。

「幸い、ダンジョンのモンスターは少し弱いんだ。そう落胆する必要も無いぞ。松明も魔道具なら、全域を照らす事が可能。」

「でも、休憩はどうするんですか?見張りは必要ですし、寝るのも大変そう。食料も沢山いると思うし。」

「やった事無いのに、偉そうだな!アレックス!」

「やる前に、少しは考える事も必要なんですよ!」


砂漠のギルド長と、言い争いになった。

やってみてから考える。

やる前に少し考える。

両方大事なのは、両者共に分かっているのだ。そこへ、ヘラクスが割り込む。


「なら、アライアンスを組めば良かろう。」

「何と!?その手があったか!!」

「え!?どういう事?」

「そうか!流石!ヘラクスさん!!」

「なら、安心して寝れますね!」

「だから、僕を置いてきぼりにしないで!!」

ピンキーは必死に叫んだ!やっぱりこいつはこうじゃなくちゃな!!


「アライアンスを組む。

そして、休憩しているパーティーを守る。ピンキーOK?」

「うん。今は大丈夫。」

ここからは、ヘラクスさんが説明してくれた。

とりあえず3アラ作る。6人×3アラで総勢18人だ。僕達は狩りに専念し、寝ている間は残りの1アラが守る。食事や寝床の用意を、もう1アラが行うようにすれぱ、回るのだ。2アラで交互に休憩を取り、万全の状態を作る。


「どうだ?アレックス?

これなら、お前の要望を満たす事が出来ていると思うが?」

「いやぁ!尊敬しますよ!ヘラクスさん!!」

ヘラクスは満更でも無い表情で、目を瞑る。問題児をまとめあげていただけはあるのだ!


「2アラ必要だから、ギルドで手配してくれ。」

「うむ。了解した。」

「ん?ヘラクスは参加しないのか?」

砂漠のギルド長は、ヘラクスに問いかける。

「俺は、オーク・オーバーロードを追う。」

「ばかもんがぁ!!」

砂漠のギルド長は、大声で怒鳴る!!青筋を立てて、ヘラクスを制止した!

「ダメだダメだダメだ!!!!認めん!!お前を亡くす事は絶対にならん!!!」

「それでも俺は行く。」

「ほう!それならワシを倒してから、行くが良い!」

服を脱ぎ捨て、ヘラクスに向かう。それを見て、ヘラクスも服を脱いだ!これからやる気だ!拳と拳がぶつかり合うのを予想する。ここで、殴り合ったらまず、被害は僕達だな。死ぬかもしれん。


「いいだろうでは「ちょっと待ったぁ!!!」」

二人は僕を見る!こええ!超怖いよ!目が目が!!震える膝を無理矢理直す!


「トイレ行っていいですか?」

「ぷ、ぷ、ぷああっはっは!!!!」

「流石!アレックス!水を差されたわ!」

二人は笑い出し、この場をとりあえず納める事に成功した。


「ヘラクス!もう止めん。が、無理はするな。」

「分かった!アランの名に賭けてな!」

腕を曲げ、お互いに絡める。ぐぐぐと力を込め、離した。そして、手を握り合う。筋肉の考える事は良く分からん。そう思った。


僕達は、結局ダンジョンに向かう事になる。

でも、密かに期待しているのだ。ダンジョンの有る場所が、賭け事の都市、ユニバーサルアリッゼに存在する事を!



何だか僕の思惑から、どんどん外れて行く。

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