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ファンタジー クエスト  作者: ハロ
9章 希望を胸に
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139話 倍々チャレンジ。

痺れクラゲ乱獲に参加するのは、冒険者1015名。

倒したのを確認する職員は100名。1人で10人を担当する事となる。大丈夫なんだろうか?

人の心配よりも、自分だ。1位にならなければ、お仕置きが待っている。しかも、朝のお仕置きとでダブルお仕置きになってしまう!これは避けたい。はむはむ2時間とか、考えただけで身震いしてしまうのだ。


昨日の討伐数はカウント対象外となっている。それだけに、気を引き締めなければならない。

「アレックス。気合い入ってるね。」

「おう!勇者のレベル50まで上げないとな。

で、ピンキーは賢者で来たのか。」

「うん。魔法で弱らせて、こいつで殴り倒す!」

あれ?魔法で倒すんじゃないの?やっぱり痺れる快感を求めている様だ。ここはそっとしておいてやろう。


「おい!」

何か呼んでいる。

「おい!無視するな!」

「アレックス。呼ばれてるよ。」

「幻聴だ。気にするな。」

「くうううう!!この偉大なる魔法使いミーシャ様を、無視するとは!!!失礼にも程があるな!!!!」

「すいません。」

「ん?何か?」

「昨日お借りした鋼の剣を返しに来たんです。」

「おお!律儀にありがとうね。」

「むっきーーー!!!!」

魔法使いは、激怒する。自分だけ無視されているのだ。プライドもさぞ高いのだろう。


「お嬢様!用も済んだし、行きましょう。」

「私は済んでないわ!」

また無視すると、面倒になるので対応する事にした。

「で、何?」

手袋を投げつけられた。

「宣戦布告ですわ!

これで勝負から、逃れられません事よ!おっほっほ!」

手袋を拾い、砂を払う。

「落とし物ですよ。どうぞ。」

「あらあら、悪いわね。・・・て、違うですわ!」

何で僕には変な奴しか寄って来ないのだろう。しみじみと思った。


「クラゲの討伐数勝負を申し付けますわ!」

「勝手にどうぞ。」

「アレックス。負けたら、相手の言う事を聞かないといけなくなるんだよ?いいの?」

「まぁ、負けないからいいよ。」

勇者レベル45で、負ける要素が見当たらない。下級職業はそもそもレベル50がキャップとなる。例え魔法使いレベル50だとしても、エクストラ職業とでは基礎能力の振り分けが全く違う。仮にレベル70だったとしても、その差を埋める事は出来ない。


「また無視をするのですね!いいですわ!負けたら、私の下僕となって貰いますわ!」

「うーん。それは嫌だな。

で、お前が負けたらどうするの?」

「え!?そ、そ、そんな事は絶対に有り得ませんわ!でも、もし、万が一負けた場合、お嫁に行きますわ!」

「いや、結構です。嫁は2人おりますので。」

「アレックス。まだ結婚してないだろ? 」

「ピンキー。いらん事言わない。断れなくなるだろ。あ!いい事思い付いた!良かろう!嫁に貰うぞ!ピンキーが!」

「「はい!?」」

「お前が勝てば、僕が下僕になる。僕が勝てば、ピンキーの嫁になる。これでいいか?ま、負けないけどね。」

「むぐぐぐ!!いいですわ!それで受けましょう!!」

「お嬢様!いいんですか!?」

「負ける事等有り得ませんわ!必ずやギャフン!と言わせてみせますわ!!」

ギャフンと言った奴はいないと思うんだが、まぁ、ピンキーに押し付ける事に成功した。

「アレックス。」

「何だ?」

「流石にあれはちょっとヤダ。」

「贅沢言うな。それにだな!他にも嫁を取ればいい。」

「おー、アレックスみたいにだね?」

「2人3人4人と増やしていけ!ピンキー!」

「分かった!頑張るよ!」

どちらも言いくるめる事が出来た。後は倒すだけだ。


「では、皆さん用意はいいですか?スタートです!」

冒険者は一斉に痺れクラゲに向かった。僕もトンズラを発動させ、先頭へと走る。トンズラ連打で、16馬身差を開けた。流石トンズラ様々である。袋から石を取り出し、痺れクラゲに投げて行く。360度回転しながらである。アイから借りた覇王の剣で、次々と倒していく!

疑問に思うかもしれないが、勇者は痺れない。電気完全耐性を持っているからだ。


「とう!てい!はっ!」

石を投げて、7割HPを削る。そして、覇王の剣で1振りで終わるのだ。楽な方法で、どんどん倒して行く!


「トンズラ!!」

狩り尽くしたら、場所を変える。僕の通った所には、何も残らない。冒険者達は、青ざめた表情で立ち尽くす。

問題はここからだ。開始30分で、痺れクラゲは居なくなった。当たり前である。冒険者1015人でかかれば、そうなるのは当然だ。


「トンズラ!!」

そう、ここからはポップした瞬間から、狙わなければならない。通称沸き待ちである。冒険者達での奪い合い!魔法や、遠距離攻撃による牽制が入るのは当たり前だ。


倒したモンスターは、通常15分でリポップする。フィールドは15分、ダンジョンは30分と決められているのだ。BFのみ特殊で60分と一番長い。


「たりゃあ!うお!?」

魔法が飛んで来た!ん?あいつは、例の魔法使いだな!仕方無い!違う所へ行こう。すると、ついてくるのだ!

「あっちの方がポップしてると思うよ。」

「あら、そんなの関係有りませんわ。」

「お前が倒さないと、勝負に勝てないだろ?早く痺れクラゲ倒してこいよ。」

「問題有りませんわ。パーティーを組んでますの。」

「え!?そんなの有りかよ?」

「当然ですわ!おっほっほ!」

「はぁ、トンズラ!トンズラ!トンズラ!」

ドピューンと飛ばして、痺れクラゲを次々と倒していった。

焦る。ソロでの勝負なら負けない。が、パーティー相手だと話は変わる。もし、フルアラとか組まれてたら絶望しか見えない。ああ!ダブルお仕置き確定かよ!!


そして、夕方になる。

「時間でーす!そこまで!!!!」

頑張った。もう限界を超えたのだ。レベルは当然50に達し、沢山の経験値を無駄にした。やれるだけはやったのだ。後は、結果を待つのみ。


「それでは、結果発表!ででででで、でん!」

少しの間が、ドキドキとさせる。

「1位は!サボタン選手です!

討伐数256匹でした!おめでとう!」

え!?サボタン?そんなぁ!!

「では、サボタン選手には!

勇者アイさんの抱擁を堪能して下さい!!!」

抱きしめられるサボタンは、とても嬉しそうだ。今日は、アイは鎧を着ていないから、2つの谷間に埋もれている。


「いやぁ!接戦でしたね!2位のアレックス選手と6匹差でしたから!」


1位 サボタン 256匹

2位 アレックス 250匹

3位 ナルナル 96匹

21位 ピンキー 57匹

72位 ミーシャパーティー 50匹


となった。いくらパーティーを組んでも、ポップ管理と奪い合いに勝てなければ、こうなるのは目に見えている。

サボタンが1位になったのは、昨日のレベル上げで強くなったからだ。針10本が進化し、針100本を連打可能との事。今日使ったのは、針乱れ撃ちだそうだ。因みにレベル71。モンスターは、レベルキャップ対象外だからだな。


「アレックスさん!」

「はい!」

「お仕置き倍倍ですね!」

「のお!!!うううううう!!!!!」

僕の叫び声が響く!ユリさんはニコニコしていたのだ。

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