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ファンタジー クエスト  作者: ハロ
9章 希望を胸に
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137話 ドキドキ。

僕はドキドキしていた。

痺れクラゲの討伐1位になれなければ、どんなお仕置きが待っているのか?そう考えただけで、眠れるハズも無い。ガバッと起き、布団から出る。皆を起こさないように、慎重に部屋を出たのだ。


海岸で、痺れクラゲの討伐を見ていた。皆必死で狩っている!夜の時間は、討伐してもカウントしない。だが、それを抜きにしても、経験値2000は美味しい相手だ。高レベルになれば、こんな狩場もう無いだろう。後は、地道に狩り続けるだけだ。


ザッザッサッ。

足音が後方から聞こえる。そして、横に座った。横を見ると、アイが座っているのだ。珍しい事もある。話かけもせず、黙っているとアイは美人でドキッとした。


「どうしたんだ?寝れないのか?」

「アレックスの方こそ、寝れないのか?」

「うん。まぁ、そんなとこ。」

「我が添い寝してやろうか?」

「ははは。ユリさんに見つかったら殺されるよ。」

「間違い無いな。」

遠くで、痺れる音がする。冒険者達は、この痺れとの戦いを強いられるのだ。ゾゾゾゾゾと、少しずつ痺れるから本当に笑えるんだよな。水系魔法を唱える魔法使い。回復させて、怒られる。当たり前だ。痺れを我慢してるのに、回復されたら余計な痺れを受けなければならない。戦士と魔法使いがケンカする。


「やっぱり冒険者は面白いな。」

「我はこのメンバーだから、面白いと思えるぞ。」

「本当、アホと変態のパーティーだな。」

「我は、アホでも変態でも無いぞ!」

「はいはい。」

軽く流すと、アイはふてくされた表情をする。風が吹き、髪がなびく。それをかき揚げる様が、とても綺麗で僕は顔を赤くした。


「アレックス。顔が赤いぞ?」

「いや、見惚れてた。」

「そうか。・・・我にか?」

頷くと、アイは下を向く。顔を朱色に染め、硬直していた。

「馬鹿アレックス。」

「馬鹿言うな。」

夜空には、満月が浮かんでいた。それを見ていた僕達は、いつの間にか手を繋いでいる。いいムードだ。お互いの顔を眺めた。少しずつ距離が縮まる。唇と唇が触れあう。


と、思ったら、剣が飛んできた!間髪避ける!

「あ、すいません!剣を投げて貰えますか?」

冒険者は、空気を読めない。アイは、ワナワナとしていた。キスを邪魔されたのだ。剣を拾い、盛大に振りかぶる!そして、投げた!!


ズッキューン!!!!

冒険者の顔をカスり、海へと剣は消えた。

「あわわわわ。

剣が無くなってしまった!べ、弁償しろ!」

「知るか!!自分で拾ってこい!!」

アイは、恥ずかしさのあまり、その場から逃げ出した。剣は海の藻屑となり、もう二度と戻る事は無い。


「あ、貴方が弁償して下さい!!!」

「はぁ、そりゃあお前が悪い。剣は諦めろ。」

「あんまりだ!このままじゃ、痺れクラゲ倒せないだろ!」

「僕もあんまりだ!もう少しでキス出来たんだぞ!?それを邪魔しやがって!!あんなしおらしいアイは、滅多に見られないんだぞ!?分かっているのか!!!キス返せ!!!!」


そんなやり取りをしていると、魔法使いが来た。先程、ケンカしていた奴らなのか。見覚えがあると思った。

「さっさと行くぞ!」

「剣が無くなったんだ!もう戦えないよ!!」

「拳があるだろ!男なら、何とかしろ!」

何だか可哀想になってきた。予備の鋼の剣を抜く。


「これを貸してやる。明日返せよ。」

「マジか!?ありがとサンキュー!!」

「ほう。お前見込みがあるな。

どうだ?うちのパーティーに入らないか?」

「いや、遠慮する。」

「な、何だと!?この美人魔法使いが誘っているのに!?」

自分で言ったら、台無しだろ。まぁ、確かに美人だが、ユリさんやアイに比べれば、ランクは下がるな。


「て、事で。」

腰を上げ、尻に付いた砂を払う。夜空を見上げると、満月が綺麗だ。ふと、視界を戻すと魔法使いが前に立っている。

「まだ何か用ですか?」

「こんな屈辱初めてだ!」

「あー、もういいから、あっち行ってくれませんかね?」

「覚えてろよー!!」

それだけを言い残し、戦士を引っ張りながら逃げて行った。

一体何がしたかったんだ?その後は、ぐっすりと寝れた。





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