132話 クラゲ乱獲祭り前々日。
「そうか。
オーク・オーバーロードは居なくなっていたか。」
元冒険者や高レベルの冒険者に、声をかけていたのが無駄になる。しかし、このまま放置出来る問題では無い。何れ来る大厄災に備えなければならないのだ。居場所を探り、討伐部隊を結成しなくてはならない。砂漠のギルド長は腕を組み、うーんと唸る。
「半蔵門が、
アンデット化していたので、それを駆除した。」
「ば、馬鹿な!奴はレベル75だぞ!?忍びをそんな簡単に倒せ、アンデット化等出来るのか!?」
「半蔵門は、自ら犠牲になって、こいつらを逃がした。そして、オーク・オーバーロードには、それだけの力があると言う事だ。」
「ぐう!!半蔵門だけなら逃げて延びれたのか!!無駄死しおって!!」
砂漠のギルド長はギロリと睨む。僕達は下を向く。命の価値ならば、半蔵門さんの方が上だろう。
「おい、勘違いするな。
勇者を守ったんだ。半蔵門は無駄死では無い。」
「すまん。言い過ぎた。」
少しの間、沈黙が流れる。アクアロードのギルド長が口を開く。
「これからどうするか?、だ。」
「もう一刻の猶予も無いだろう。早急に勇者達のレベルアップが求められる。今レベルはいくつだ?」
「モンクレベル33です。
でもナイトに転職する予定です。」
チラリとピンキーは僕を見る。無言で頷いた。
「そうか、ならば聖騎士の首飾りが必要だな。
もう用意してあるのか?」
「いえ、まだです。」
「ならば、こちらで用意しておこう。」
「ありがとうございます。」
ピンキーは礼をいい、次にユリさんに促す。
「アサシンレベル32です。」
「アサシンか、アタッカーとしてはまずまずだな。」
「我は勇者アイである!レベルは29!」
「やはり勇者はレベルが上がりにくいな。」
「拙者、忍者レベル27で御座る!」
「皆よりレベルが低いな。」
「あ、そいつは最近仲間に加わったからです。」
「そ、そうか。ならぱ仕方無いな。」
「キュピ!キュピキュピ!キュピキュピ!キュピ!」
「な、何を言っているか分からん。」
「モンスターのサボタンです。レベルは41だそうです。」
「またレアなモンスターを仲間にしているな。」
「遊び人レベル65です。」
「「は!?」」
まぁ、そうなるわなぁ。隠す事でも無いから、説明する事にした。ただ、魔王の事は秘密にしなくてはならない。監禁されて、レベル上げ所では無くなるからな。
「成る程!レベル20を越えると上がりやすくなるのか!」
「でも、適正レベルを大幅に越えてるじゃない?」
「NMの経験値は、適正レベル対象外だ。」
NMは、沢山の経験値が貰える。レベルが高ければ高い程、貰える仕組みなのだ。通常どんなモンスターを倒しても、200を越えない。が、NMは万を越える程、貰えるのだ!しかし、一部例外も存在する。レアモンスターだ。ラビット、サボテンクン等の美味しいモンスターの事を指す。こいつらは1000と破格の経験値が貰え、レベルアップのお助けモンスターと言ってもいい。狩場はいつも混雑し、モンスターの奪い合いが日夜行われている。
「アレックスは、勇者のレベル上げないの?」
「いや、上げるけど?
暫くは勇者のレベル上げをする積もりだ。」
パーティーの平均レベルが30くらいなので、次のモンスターは35~40くらいのがいいだろう。遊び人では、対象外になる為、経験値が勿体無いのだ。だから、違う職業に転職して経験値を無駄にはしない。
「では、少々キツイかもしれないが、
痺れクラゲはどうだろう?」
そろそろ夏の終わりがやって来る。盆を過ぎると、クラゲが増殖するのだ!そうなると、クラゲ乱獲祭りが行われるのが、このアクアロードの有名なイベントとなっている。痺れクラゲの適正レベルは45と高く、非常に倒すのが厄介な相手だ。叩くと痺れるから、前衛職業はこの痺れとの戦いとなる。後衛職業ならば、遠距離攻撃、魔法攻撃で楽々美味しい狩場に早変わりだが。
痺れクラゲの経験値は2000と、破格のレアモンスターとなる。期間限定だから、貰える経験値も多いのだろう。
「明後日から行われる、アクアロード恒例の、
【痺れクラゲ乱獲祭り】に参加するぞ!」
「「おー!!「キュピ!」」」
という事で、クラゲ乱獲祭りに参加する事となる。今日はゆっくりやすんで、明日こそは観光だ!




