128話 オーク・オーバーロード。
「では、確認するで御座る。」
次の日、オークの集落を確認しに来た。その理由は1つだ。モンスターを全部倒したから、その後HNMが沸いて無いか確かめる為である。
「何も居ないね。」
「ここの集落は焼き払うんですか?」
「いや、残すで御座る。」
昔は焼き払っていた。しかし、またモンスターは沸く。そうすればまた、集落を作り出すのだ。場所の分からない集落を探すのは手間がかかる。森も勝手に切り開かれてしまうので、損な事しか無い。
「モンスターは昨日、
焼き払ったから、残骸しかないね。」
「アレックス殿を、
連れて来なかったのは正解で御座る。」
「今頃、ユリさんに介護されてるんだろうな。くそ!羨ましいぞ!アレックスばかりくううう!!」
「嫉妬はよく無いで御座るよ。
ピンキー殿も、男らしい所を魅せるで御座る!!」
「それが出来たら世話無いよ。」
「HNMが沸いたら討伐、雑魚なら放置で御座る。」
「何であの女の人は捕まってたの?」
「それはで御座るな。」
先日、冒険者一斉召集がかかった。ここを管理していた冒険者も巻き添えになる。その隙間が命取りになったのだ。誰も管理していないオークの集落は、放置されていた。そこに道を旅する旅人。モンスターに捕まり、今回のケースとなる。
「運が悪いとか、もう何とも言えないね。」
「冒険者ギルドにも報告はするで御座る。」
「一斉召集して、何も出来なかった。成果も上がらず。そして、今回の被害。我も一言言わねば気が済まないな。」
風が吹く。辺りは異様な程、静かだ。前兆、前触れは直ぐにそこに現れる。
「撤退するで御座る!!」
半蔵門は、手を振りかざす!アイ、ピンキーは吹き飛ばされた!
ザン!!
半蔵門の左腕は無くなった。
ブシュー!!凄まじい程、血が吹き出す!
「え!?」
半蔵門は、無くなった右腕にミラクルエリクサーかけた。腕は再生する。血液増強材を口に含む。
「何をしてるで御座るか!!早く逃げるで御座るよ!」
「は、半蔵門さんは!?」
「時間を稼ぐで御座る!冒険者ギルドに報告するのを忘れずで御座るよ!!」
「師匠!拙者は・・・。」
「お主も逃げるで御座る。」
「いやで御座る!
死に場所、ここに見つけたりで御座る!」
「では、破門にするで御座る。」
「!?」
バッバッバババ!!
「風遁の術!」
「嫌!師匠!!!!!!!」
京子は吹き飛んだ!あの方角は、アレックス達のいる場所である。
「頼んだで御座るよ。」
半蔵門は、そう言うと相手と対峙した。
「待たせたで御座る。」
「クックック。ニンゲンガココニイルトハ。」
大厄災級のHNM、オーク・オーバーロード。職業ナイト。
推定適正レベル75。フルアライアンス必須の相手だ。出現確率は、100年1回沸くかというくらい。影武者とも言われて、事実を知るモノはいないのだ。通常では出現しないので、条件は不明である。
ただ、強姦された人間の女性が関係ありそうだ。オークの子を孕んだのか?それとも、倒したのがいけなかったのか?今となっては知るよしもない。
「オマエガヤッタノカ?ハイカガイナイ。」
「ああ、そうで御座る。」
「ホオ、デハカタキヲウツトスルカ。」
半蔵門は思った。多分、自分の死に場所はここだと。アレックス達の事は悟られぬようにしなければ、犬死になる。それだけは避けねばならない。半蔵門に出来る事は、時間を稼ぐ事だけ。
「死ぬ事見つけたに御座る。」
「タノシマセテクレヨ?」
半蔵門は普段かかない汗をかいた。




