127話 天国と地獄。
アレックスは星を眺めていた。
夜の星を邪魔するモノ等居ない。とても広大で素敵な光を放つ。今日はとてもいい天気だ。雲も無いからな。
「アレックス殿は、大丈夫で御座ろうか?」
「暫くはそっとしておこう。」
「そうで御座るな。ユリ殿もあんなだしで御座る。」
ユリは気絶から立ち直れていない。半蔵門が世話しなく額の手拭いを交換している。こいつこんなキャラだったか?そう思うと少し可笑しかった。
「ああなったら、
治す方法は無いのですか?半蔵門さん。」
「・・・無いで御座る。ミラクルエリクサーですら、治せなかったで御座るよ。」
「マジかよ!?」
ミラクルエリクサーは、超高額な薬品だ。失われた部位を復元可能である。それですら、あの状態を治せないのだ。多分だが、人間で無くなったからだろう。だから、効果が無いと思われる。
「なぁ、アレックス。星が綺麗だな。」
「ああ。」
「何か食べるか?」
「ああ。」
「キスしていいか?」
「ああ。」
ダメだ。上の空で答えているだけで、心ここに有らず。こんなにも自分が無力だとは、歯痒く思う。私だったら、あの女を殺せたか?自問自答する。答えは、NOだ。私では出来ない。ああ、何故半蔵門に頼まなかったのだろう?いや、冒険者ギルドに連絡して、処分して貰えばよか・・・最低だ。やはりアレックスは凄い奴なんだ。改めて思い知る。
「やっぱりアレックス殿を、
励ますべきだと思うで御座るよ。」
「やめなよ!今は二人っきりにしてやりなよ。」
「ん?どういう意味で御座るか?」
「ん!もう!鈍感だな!アイはアレックスの事が好きなんだよ。今は邪魔するユリさんも居ないし。こんな時だからこそ、気を利かせるって、おい!」
ピンキーは京子の腕を掴む!
「何をするで御座る!」
「さっきの話聞いてなかったのか?」
「アイ殿は、
アレックス殿の事が好きなんで御座ろう?」
「そうそう。京子さんは、アレックスの事嫌いだよね?だがら、僕は思うんだ。はみ出し者の二人で、色々語り合わないか?ってまてーい!」
ピンキーはまた京子の腕を掴む!
「ん?まだ用件があるで御座るか?」
「あの二人は放っておいて、
僕達はそうゴニョゴニョ。」
「ああ、拙者もアレックス殿は好きで御座るぞ?」
「そうそう、僕も好きって、ええええ!!??」
ピンキーの初恋は、始まって直ぐに終わった。
「どーせ!僕はモテませんよぉ!
アレックス!自爆しろ!リア充め!」
「師匠!殿方は、何を望むんで御座るか?」
「弟子よ。男は老いも若きも、パフパフで御座る!」
親指を立て、半蔵門はそう答える!
「な、何と!!
そんな簡単な事で御座ったか!流石師匠!!!」
ピンキーはチラリと京子の巨乳を見る。鼻の下伸びてるぞ!引っ張って、もっと伸ばしてやりたいが、今はそれ所では無い。
「僕は何て無力なんだろう?」
アレックスは涙を流す。ダメだ!自我を見失っては!何かしないと!パフパフか!?そんなハレンチな事は出来ない!そもそも娼婦の職業に変更する時間も無い。今まで勇者以外に職業を変えた事も無いのに!ああ!!どうする!?ええい!
ブッチュウ!!
アレックスの唇を奪った!
「!?」
慌てるアレックス。私も初めてのキスだから、どうしていいか分からない。目を閉じてしまったのは失敗だったのでは無いか?嫌、こういうエチケットは大事だ!でも、しょっぱいな。キスとはレモンだの、イチゴのだの聞いていたのとは違うな。ああ、これはアレックスの涙の味か。辛い事をさせたな。そうしていたら、私も泣いていた。
「ぶは!!」
無理矢理引き剥がされた!アレックスは正気を取り戻したようだ!あれ?呼吸困難になっているぞ?ガシッと顔を掴んだ事により、鼻の気道が塞がった。そして、唇を奪われ息が出来ない。あー、もう少しでアレックスをあの世に送る所だった。あはは。
「ぜー、ぜー、ぜー。こ、殺す気か!!」
「そんなつもりは無いぞ!アレックス!」
アレックスの目には、光が戻っていた。どうやらキスが効いたみたいだ!良かった!本当に良かった!私の中での存在が、もうこれ程大きくなっていたとは。アレックスを失う訳にはいかない。
「もう大丈夫のようだな。」
「ああ、死にかけたがな!」
「あははは。」
「そんな笑い方出来るなら、そっちの方がいいぞ?」
顔を赤く染める。上目遣いで、アレックスを見た。
「ちょっと……可愛いかも。」
頭から湯気が出る!カーっとなっていくのが分かった。
「アレックス、あの、その、好きだ!」
「え?何?聞こえないよ?」
いつの間にか、後ろから巨乳で頭を挟まれていた!丁度耳が塞がった状態である!むぐぐぐ!!巨乳耳栓なんぞときたか!!!真似等出来ない!確かHカップは必要だ。私は、Dか。無理だな。
「アレックス殿!慰めに来たで御座る!」
アレックスは上を向く。くううう!悔しい!そして、アレックス!何だ!そのデレデレした顔は!!!
「巨乳!慰めは不要だ!!もうあっち行って良いぞ!」
「パフパフはまだ必要で御座ろう?アレックス殿?」
「あ、え、う、うん。出来たらダイレクトで。」
「アレックスのバカチンがぁ!!!!!」
ドッゴーン!!
「ワシの敗けじゃあ!!!!」
凄まじいアッパーカットが炸裂する!!46回転半して、ようやく着地した!勿論、受け身等取れない。
「へごば!!」
地面に叩きつけられ、ピクピクと痙攣する。
「あ、アレックス殿!!」
血液増強材等飲ませて、特薬草を使用していた。
「アイ殿は容赦無いで御座るな!
それだけ好いとるで御座るか!!」
「ふん!知るか!!」
そっぽを向いて何処かに行くしかなかった。
余談だが、アレックスは特性で踏みとどまるを持っている。どんな攻撃でもHP1残るのだ。そして、今回レベル50で得た特性 自動HP回復により死ぬ事を免れたのだった。血さえ足りていればだが。直ぐに補給されたので言うまでもない。




