123話 乱獲。
「やっぱり山は良いで御座るな!」
「半蔵門さん。ここは山ではありません。」
そう。ここは山でも海でも無い。樹海だ。何故こうもついてないのだろう。
少し遡る。
「やはり修行といえば、山で御座るな!」
「はぁ、山ですか。」
「師匠との山籠りは、2年ぶりで御座る。」
「で、成果はあったのか?」
「崖から突き落とされ、簀巻きにされたまま蜂の巣をつつかれ、滝に撃たれると言った感じで御座るな!」
「最後の、滝に撃たれるが、短縮させてないか?」
「上から色々なモノが落ちてくるで御座る。」
「却下だ!却下!生きている確率が0%だ!」
「やりもしないで、却下とは!不快で御座る!」
「それよりも、
レベル上げした方が有意義な時間を過ごせるぞ!」
とまぁ、説得したが、山籠りさせられる羽目になった。そして、二次災害の迷子になる。
「あっちで御座る!」
「そこは来た道ですよ。」
「何故分かるで御座るか!?」
「目印を木に付けたんですよ。」
「アレックス殿!!!」
「な、何ですか!?」
「流石に御座る!!」
涙を流し、手を握られる始末。男より女の手を握りたい!
「半蔵門さん。ご飯にしませんか?」
「な、何と!?」
「もしかして、用意してなかったんですか?」
「くぅ!!現地調達が基本で御座るぞ!」
この人、本当に伝説の勇者パーティーの人なのか?アランが激怒する様が浮かぶ。
「では、準備しますね。」
半蔵門さんは、この際無視でいい。
ユリさんが手際良く準備する。それにならい僕達も、道具を出す、火を起こす、薪を探す、水を汲む。半蔵門さんは不貞腐れていた。
「本当に忍者なんですか?」
「アレックス殿!それは師匠に失礼で御座ろう!?」
「でも、忍者って色んな所に忍ぶよね?」
「すまんかったで御座る!」
誤るなら、言うな!こいつら忍者失格だ。そう思う。
「何を作っているので御座るか?」
「カレーです。」
「では、この兵糧を入れるで御座るよ!」
ガシッ!!ユリさんが間際で腕を掴む!
「半蔵門さん、これは置いておきましょうね。」
初めてだ!ユリさんが、怒っているのを見たの!いや、僕絡み合いで!では無い場合でだ。余程、あの兵糧がヤバかったんだろうな。半蔵門さんは、消費期限を見て、「あっ!」と言っていた。50年モノのヴィンテージだ!消費期限が切れてからの。これを食べたら、腹を壊す以上の事が起きるだろう。
「できましたよー!」
ユリさんの声が響く。カレーのいい匂いが辺りを漂う。
「「いただきます!(で御座る!)」」
はむ!モグモグ、ゴックン!旨い!このスパイスの香りが、鼻を擽る。そして、辛味が舌を突き抜けた。が、少しずつ辛味は抜けていく。このスパイスのブレンド、誰がやったなだろう?絶妙なハーモニーだ!ユリさん曰く、32種類の黄金比率だそうだ。
「がつがつ!!お代わり!」←普通
「シュン!お代わりで御座る!」←口宛をしながら、一瞬で喪失する変態
半蔵門さんは、意地でも食べ無かった。兵糧を貪る。消費期限の切れたのを。腹を壊しても知らないぞ。
「これこらどうするの?アレックス。」
「そうだな。戻るの面倒だから、進もう。このデカイ木を軸に、右手に行けばオークの集落だと思う。」
「適切レベルはいくつ?」
「35くらいかなぁ?今25だし、キツイだろう。」
「違う所にする?」
「半蔵門さんが、当て身やってくれれぱ楽勝だけと。」
「師匠を捨て駒にするで御座ると!?」
「捨て駒では無いぞ。」
「・・・よいで御座る。何でもやるで御座るよ?」
―――――――――――――――
30分後、半蔵門は後悔していた。
「半蔵門さん!釣り遅いですよ!」
「何でも、あのタイミングで釣るかなぁ!」
「リンク処理大変なんですからね!!」
「我が代わりに釣って来てやろう!」
「キュピ!」
「サボタン殿、針を貸しては御座らんか?」
腹が痛い。何故で御座ろう?カレーの匂いにやられたで御座るか!?半蔵門は腹痛ながら、敵の釣り役をやっていた。釣り、アレックスのパーティーへ持って行く。そして、次の獲物へと走るのだ!走るのは辛い。何故なら腹が痛いからだ。
「拙者が何をしたと言うので御座ろう。」
愚痴をこぼして、それでも懸命に走るのだ。
「あーあ、半蔵門さんのせいでチェーン切れたよ!」
「ガッカリだな。」
「我が代わりに釣りをしよう!あっはっは!」
「御座る忍者は、この程度なのですか?」
「キュピ!キュピキュピ!!」
「師匠を悪く言うなで御座る!でも、残念に御座るな。」
「99チェーンで切れたからね。」
「こんな乱獲初めてで御座るよ!」
「これ味わったら、他のパーティー組めないよね。」
「脳汁どはぁだね!」
半蔵門はいじけていた。膝を曲げ、座って棒でグリグリしている。お腹も痛い!罵倒されて精神が辛い!精も根も果てていた。
「ぐぬぬぬ!これはNMを退治して、
八つ当たりするに御座る!」
「お?NM沸いたんですか!」
「ギクッで御座る!」
ギクッに御座る付けたよ。どんたけ追い詰められてるんだ?
「じゃあ、僕だけでやろう。」
「酷いで御座るーー!!!」
半蔵門の無情な叫びがコダマした。




