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独学の毒薬で異世界無双  作者: ほふるんるん
ムズィーク王国編
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まだまだ続くムズィーク王国編 その14 食事の準備が出来ました。

何にも考えずにひたすら書きたい事しか書いて来なかったけど、友人からの指摘からの編集以外、一度も見返したことが無い自分の小説を今になって見返してみようと思うと怖くて見る事が出来ない病にかかっている現在、また自分の思うままに書いていきます・・・

メロエがオナモミのように引っ付いてから数分、紅茶や焼き菓子を食べながら異様な空間の広がりを感じていた。


「ヒューーーお熱いですねぇ!!!!、俺もそんなアツアツな恋をしてみたい!!!」


「SSS組のメロエちゃんね、会うのは初めてだけど大胆な子・・・」


「リーズ、メロエは大胆な子ではない。アスクの事しか気にしないだけだ」


「ティア様もメロエちゃんと知り合いなんですね」


「まあな、アスクとメロエはいわゆる幼馴染で昔から良く顔も会わせていたらしい」


「アスクの使用人の子供とか?」


「メロエの親とアスクの親が仲が良い、というのが正しいな。ワイズバッシュ領に世界一の評判を誇るワールドと言う店があるだろ。そこがメロエの家だ」


「大貴族と大富豪、共通する所があるのかしらねぇ・・・・・・・・でも凄い偶然よね、同じ時にそんな大貴族と大富豪が子供を授かるなんて」


「まあ、それであそこにこうしてイチャイチャとしているのだから運命というのは面倒な事をする」


聞いていればあれやこれやと情報が行ったり来たりしているじゃないか。しかも張本人にこんな面倒な物を持たせた状態で話続けるとは、おかげで話に割り込みにくいじゃないか。メロエも眠たそうに目を擦っているし、このまま寝られたら動けなくなるぞ。


「アスク様、お食事のご用意が完了致しました。僭越ながら皆さまのお食事もご用意させていただいております、グレートホールにお越しください」


「食事が出来たみたいですね。少しお話ししましたし、お腹も空いて来た時間でしょう。皆さん早く行きましょう。・・・・ホラ、メロエも腕から離れて」


「移動なら隣にいても問題ないでしょ、それに食事の席も隣なら問題ないもの」


「問題ばかりです。早く腕を・・・」


「問題は無いの、アスクなら私を振りほどく事も出来ないのにソレをしないのはアスクが嫌がっていない証拠。それにアスクには片腕があるじゃない、それで私にご飯を・・・・」


「メロエ、暑苦しいのでお止めなさい」


「ママ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ええ、分かったわ」


食事の時も離れないと言った時はどうするか真剣に悩んだが、それも取り越し苦労のようで安心した。暫くはこの面倒な子をシンリーに任せる事が出来そうだ。


心が楽になったせいか、グレートホールへ進む足が速くなる。当然、お腹も減っている。数日ぶりの食事に心を躍らせながら歩き続ける。道行く商人や使用人達は三百人余りの大きな列に驚きながらも冷静を装い礼をして道を開ける。


「城よりも長いというのは新鮮な気持ちになるな」


「ははは、ここは周りの家より少し大きいですからね」


「アスク殿、これは少しではなくかなり大きいである。この家の広さは、学校の敷地がすっぽりと入っても恐らくまだ余裕があるほどであろう」


「なんて大きいのかしら」


「ほわーーーーーおぉーきいーーーーねぇーーーー」


「アスクさん!!!向こうに見えるのは大滝じゃないですか!!!修行し放題ですね!!!」


「あはは・・・・・アレは観賞用ですよ」


Z組がこれなのだからメロエの友達もはしゃぎまくりである。先ほどまで俺の顔を希少動物を見るかのような視線で見つめていたが、その視線もどこに言ったのか。


「慣れない内はこの家は何所を見ても驚かされるわよね、私も初めここに来た時は別の国に来たのかと勘違いしたわ」


「メロエが大袈裟な事を言うなんて珍しいですね」


「大袈裟じゃないわよ・・・・」


歩き続けると、グレートホールが見えて来る。普段はこちらで食べないので少し緊張するが、まぁ後ろでナイフとフォークを確認しているメイリオ程じゃあないだろう。


「メイリオ、そこまで気にしなくても良いですよ」


「アスクさんはそうは言いますが、・・・・・う~ん困った」


「メイリオよ、作法というのは相手に不快感を与えないように作られたものだ。相手に気を使わせるような食べ方では帰って相手に悪いぞ。普通でいい、某が保証しよう」


「アルバ――――――――――ト!流石我が盟友だ!!!分かったぞ!!!俺も胸を張って食べよう!!!」


後ろの方もワタワタとしている、メイリオの話しを聞いてどこか不安になったのだろうか。


「皆さんが食べやすいよう、最善の配慮がされております。その点は心配ないかと」


シンリーさん、貴女は何でもお見通しと言うわけですか。


「私の娘も初めは大変見苦しい食べ方をしていたのを思い出しましたので、ふふふ」


「ちょっと!ママ!?」


「へぇ・・・・メロエが・・・・ですか」


「な、なわけないじゃない。アスク、ホラ見て。私のステータス、器用さだけは無駄に高いの!ホラ!見て!見てよ!見なさいよ!」


「えぇ・・・・」


「メロエ止めなさい」


「ママのせいなんだから・・・もう!」


メロエとシンリーのおかげで、メロエは拗ねたものの空気は普通に食事をする雰囲気に変わり始めた。メロエも皆の為に一役買ってくれたのだろう。


「ありがとうございます」


「・・・・・・・」


小声で礼を伝えると、チラッとコチラを見てまた反対方向にプィっと顔をそむけた後、コクリと頷いた。それからペラペラとまあ遠足気分で邸の中を歩いてグレートホールの中に辿り着き、指定された席に足を進める。どこでも良いというわけではないらしい。


「では一品目をお持ち致します」


全員のテーブルの上に置かれて行く一品目の料理。まずは全員前菜の様だ、全員と言っても俺を除いてだが。


「アスク様はお望みのなられていたものを隣のお部屋にご用意させていただいておりますが、どうなされますか?」


例の特大サンドイッチの事である。一人だったなら普通に食べている所だが・・・・流石に周りと同じものを食べた方が良いだろう。


「アスク、ここにあるものではお前のその体には合わないだろ。早く食って戻ってこい」

(早く治って早く新作を試食してもらいたいからな!)


「そぉおおおおおおおおですね!!!!!アスクさんには早く元気になってまた戦って頂きたい!!!」

(決闘を!!!早く元気になってまたあのコロシアムで決闘を!!!)


「某も早く元気になってもらいたいである」

(新技を受けて立っていられそうなのはアスク殿の完全体ぐらいであるからな)


「行ってらっしゃい、アスク」

(もっと愛するには貴方の体はボロボロ過ぎるわ)


「言ってらっしゃーい、ほらリーズちゃんも!」

(アスクさんがいないと礼儀とか気にしなくて良いから楽ちんで嬉しい~)


「え?ええ、いってらっしゃい」

(この子達何か考えてそうね、女の勘だけど)


全員が揃いも揃って俺の健康を望んでくれているという事がどれほど幸せな事だろうか。若干一名戦いたいという理由から俺を送りだした奴もいるようだが。


「ではお言葉に甘えて、失礼します」


隣の部屋に置いてあるサンドイッチのある部屋に移動すると、扉の向こうから聞こえてくる笑い声。


「・・・・・・・・・・・・・・・・うわ~・・・・・美味しそう・・・・・・・」


小麦のパンから溢れんばかりに詰められた豚の肝臓とほうれん草。新鮮の証なのか、小麦のパンの上をめくるとべっとりとついている血のようなモノ。罰ゲームと誤解を招きそうなソレを切り分けて食べながら思った。


(味付け完璧かよ)


と。

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