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独学の毒薬で異世界無双  作者: ほふるんるん
ムズィーク王国編
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ムズィーク王国編 その7 鬼ごっこ&肉 

この五日間で広島と島根と鳥取に三泊四日の旅行に行って来ました!その時に見た花や鳥の名前が中二心をくすぐるものばかりで、色々と写真を撮って帰って来ました。話の途中に聞いた事のあるような花の名前があれば、花言葉なんかと一緒に見たりすると、今後そのキャラがどうなるか少し予想がついたりするかもしれません。

初めに行動を起こしたのは毒麒麟だった、ヨイトリスの眉と眉の間、いわゆる眉間に毒麒麟は胞子をぶっとばし、それをヨイトリスが石化ブレスでかき消した瞬間、毒麒麟は後ろに回り込み首でヨイトリスの胴体に向かって豪快に振り落とす。


計算しているのかとも思われる一連の流れを掴んだのは毒麒麟、あの重たい一撃が入ったのは良かった。


「・・・終わったか?」


ヨイトリスは毒麒麟の首技によって腹に大きなダメージを残したままヨロヨロと立ち上がった。何故か侵略者であるヨイトリスを応援したくなりながら、二体の魔物の決着の様子を伺っていると、毒麒麟が止めを刺すかのように口から毒液を霧のようにヨカトリスに吹きかける。


ただでさえ首が暴力になるのに、更に殺傷能力が高めの毒をこれまた霧状にして吹きかけるとは・・・・恐るべしエルフ周辺の生態・・・。


「名前の由来はそういう事か・・・誰がつけたかは知らないが、種族名はシャレか」


ヨカトリスも毒の霧を吸い込み体を痙攣させながらも最後のあがきを見せた。石化ブレスを僅かながら吐出し、毒麒麟の足元に命中、その結果石化は徐々に毒麒麟を蝕み、毒麒麟は石化に抗うかのようにヨカトリスの頭部を首をしならせ頭で連打する。


ヨカトリスが息絶えたであろう後も毒麒麟の猛攻は止まらなかった。たつみがいれば「オーバーキルだ・・・」とかなんとか言ってそうな程にヨカトリスの頭部は訳が分からない程の肉塊に変わっていった。


森には鈍い玉が地面に落ちたような音が永続的に反響する、このままではとれる部位が限られてくるので、観戦も早々に止めてリングに乗り込むとしよう。


「ボォオオオオ・・・・」


「異世界のキリンもちゃんと牛のように鳴くのか。その鳴き声の意味する事を俺は知らんがとりあえず研究材料に鳴き声はいらんぞ」


「ボォオオオオオオオオ・・・・・・!!!!」


殆ど瀕死状態だったので、ワープで背後に回り首を切り落とすだけの作業となった。それに胸アツな戦闘シーンというのを極力避けたい、・・・・痛いからな。


俺は剥ぎ取りのスキルも少しあるのでサマエルで適当に毒麒麟とヨカトリスを魔法で浮かべた後、毒袋やその他毒腺など二匹から取り出すと、余った血などは亜空間で血を欲して暴れまくっている彼に提供しよう、慈善事業として。


ガンガンガン!!!!・・・・・ガンガンガンガンガン!!!!


銀で出来た七つの箱の中からは、ひたすらに壁にぶつかる音が鳴り響く。


「今開けますよ・・・・と、その前に。監禁した謝礼として僕からの血の提供です」


ヨイトリスと、毒麒麟を箱の頭上で絞り上げる。肉も交じっているが、多少は我慢していただきたい。流れ出た血は箱に吸い寄せられ、一滴残らず七ツの箱に飲み込まれてしまった。


そして箱が開く・・・。登場シーンは魔王そのものだ、供物を与えられバラバラになったパーツが一つの形へと変わる。服は元に戻らないので、服は綺麗に切断された後が残っており、ソレはもとに戻ると同時に機能を失い地面に落ちる。まぁつまりマッパになった分けです。


「チェンジ」


ティアがそう呟いたかと思うと、マッパが一瞬にして服を着た状態になる。便利な魔法だ、亜空間を広げる魔法の応用だろう、自分の所持している服を亜空間から直に持ってくるのか。


しかし少し服が小さいようだ、引き締まっている。そしてティアは着替えると首をボキボキと鳴らしながらコチラに近寄って来る。次からの一連の行動は予想がつく。


「一発殴らせろ!」


「嫌に決まっているじゃないですか」


「もう止まらないな!」


「そうでしょうね!」


ティアの戦闘センスというのは高く、元々戦闘センスが皆無な俺から見れば彼のパンチは目で追えたとしても後ろに下がって避ける事ぐらいしか出来ない。しかも他の奴らとは違ってティアはワープを絡めて攻撃してくるので、いつも下から腹を狙って攻撃してくるとは限らない。


「後頭部ががら空きだぞアスク!!」


「グッ・・・・血の気の多いティアは苦手です!」


毒も効かない、戦闘センスも相手が高い。ここまで分の悪い戦いが今までにあっただろうか、いやそんな戦い今までにあったらそれはそれで困る。


武器を使うというのはこの際違う、殴り合いの喧嘩で刃物を持ち出す馬鹿者がどこにいるというのだろうか。なのでここで俺に勝ち目は無いという事になるわけだ、つまりどうするか。


「もう一回殴ったんだから許して下さいよ、元はと言えばティアが血を吸ったのが悪いんですから!」


「お前が初めに余計な事を言ったのが悪いんだ!」


俗にいう子どもの喧嘩である、俺はもう殴られるのは嫌なので逃げに徹する。捕まれば殴られて血を吸われるという罰ゲームが待つ恐怖の鬼ごっこ。


その鬼ごっこは熾烈を極めた、ワープを森林地帯で使うという危険な事を連続して行う逃走、基礎ステータスで走ったとしても沼地などに足が捕まればその時点で、距離は一瞬で詰められる。何といっても相手は鬼の王なのだから。


そしてそんな俺に残された唯一助かる方法、ソレは・・・・。


「ジーナ!俺を助けてくれ、お前しかいないんだ!」


「ホェ?え!?どどどどどうしたの?クラスメイトがいないからってこんな大胆な!」


「黙れ肉壁、ティアはお前には攻撃してこない・・・ゼェーゼェ・・・・だからとりあえず隠れさせろ」


ムジーク王国の中央広場に転移し、その場で情報収集をしていたジーナの背後に隠れたのは良いものの、ティアも何故俺がここにワープしたことが分かったのか、直ぐにここに飛んでくる。


「ジーナ、その背後にいるアスクを出して突き出してくれないか。お礼にこの前欲しがってた、グラム王国産の髪飾りをやるから」


「わ、私も突き出したいのはやまやまですのよ?ででですが、突き出した後が・・・その」


「大丈夫だ、俺が守ってやる」


このままではティアがジーナを説得してしまう。ジーナもなんか俺の服の裾を持ってるし、このままではヤバい。マサトラ先生の所に行くまでにボコボコにされる。なのでジーナの背後でティアに聞こえないように呟くとしよう。


「君には確か大事なお父様とお母様がいたね、それと妹が二人と弟が一人、とても可愛いんだってねぇ・・・それと愛馬が二頭いたね。そう、名前はジョニーとフレディー。アレは肉としても結構いけるだろうなぁ・・・・ねぇジーナお姉ちゃん・・・」


「イヤァアアアア!!!!アスクは誰にも渡しませんわ!!!」


「な、どうしたんだ!ジーナ、アスクに何を言われたんだ!しっかりしろ、そんな事をするようなや・・・・・つだったか」


「だから嫌ですわ!」


要件をジーナの背後から伝える。


「マサトラ先生の所まで連れて行け。ティアに決して背後を見せないように・・・ゆっくり、そう、ゆっくりでいいんだよ・・・」


「ヒィイイ!誰か助けて!」


「どうしたんですかジーナさん!!!!!!!!俺をお呼びでしょうかああああああ!!!!!!いやぁふっふうううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!」


来てしまった、というかコイツが来たら俺はもうボコされるルート確定じゃないか。


「メイリオさん!アスクが、アスクが!」


「何みっとも無い事してるんですかアスクさん!!!!!!ほらほら、ここは俺で我慢しましょう!!!!!!」


そういって、俺をジーナから引きはがすメイリオ、それをティアが逃すわけがない。一瞬にしてメイリオから俺をワープで奪いとると、後はお察しの通り馬乗りからのボコボコタイムだ。ワープは触られた状態で使用した所で対象者とその触れている物や人を一度に転移させる。つまり空に行こうが海に行こうが、俺は今からボッコボコにされるのだ・・・何とも悲劇的でかわいそ・・・・う・・・・な・・・。


「ティア様どうしたんですか!!!!!!!!!!!!!それはサンドバックではあ~~~りませんよおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」


「知ってるよ、血の入ったマイブラッドバックだろ?お気に入りなんだ、もう少し殴らせろ」


「ざ・・・ざまぁみろですわ・・・・オホホホホ・・・・ホ・・・マサトラ先生お助け下さい!!!」


数時間後、意識を失っていた俺と、尚も殴り続けていたティアがマサトラ先生によって止められ、俺は回復魔法と水魔法によって意識を覚ましたらしい。ここで何か懺悔するように事の末を話す奴から聞いた。


「すいません、ジーナ僕は君にどうやって謝ったら良いのか。グスン、本当にごめんなさい」


「え、ええええ?イイのですよ」(コイツが私に謝るなんて絶対おかしい。一体なんのつもり?)


「起きたかアスク・・・・・その、俺もやり過ぎた。すまなかった」


「僕も悪かったです、ごめんなさい」


「コレでお互いちゃんと謝れましたね、アスク君、事情はティア君からちゃんと聞きました。二人とも少しやりすぎな所もあったかも知れませんが。これもいい思い出です、次は無いようにしましょう」


「お詫びと言っては何ですが、今日は焼肉にしませんか。ティアは野菜に包んで食べるのが好きでしたよね」


「いいな、なら今日は皆で焼肉にするとしようぜ」


「丁度良い馬を二頭見つけておいたので、今から狩って来ます」


「おう、頼む」


「え、その馬って・・・アスク、アスク様?え、嘘よね?え、ちょっとまって!!待てって!!」


その後・・・


「アスク、お前のその怪我まさか彼女にやられたのか?」


「いえ、狩りの途中に小猿が乱入して来まして・・・・・その時に少々」


「アスクに傷を負わせるとは・・・やられた所に回復魔法は使わないのか?」


「いえ、この傷は傷跡にして残そうと思います」


「物好きだな、何故だ?」


「自分の油断を戒めるため・・・ですかね、魔法を使わない限り一生治る事は無いでしょう」


「私が治して差し上げますわ。丁度回復魔法の練習がしたいと思っていましたの」


「いや、それなら木に傷を付けて回復魔法をかけた方が効率が良いですよ。それに僕はコレでお猿さんが少しはおりこうになってくれる事を願っていますから」


「・・・あぁ、お肉が美味しいですわぁ」


「それにしてもバイコーンなんて魔物よく見つけたな、それに二頭も」


「本当は普通の馬を狩って来る予定だったんですが、空に飛んでいるのが見えたのでそちらが良いかと」


「でも運が良いですねアスクさん!!!!!!!!!!バイコーンは普通一体でしか行動しないのに!!!!!!!それが二匹なんて!!!!!!!!!しかも両方メスですよ!!!!!!!あ~~~うっまいなぁ!!!!!」


「・・・・・・・」


空気の読めない奴の口は縫い合わせてやろうか。


話が全然進まないのはティアが毎回ゴア表現ばかりだからですね、はい、きっとそうに違いありません。

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