ムジーク王国編 その1 8歳の主人公のステータス
それでは、{ムズィーク王国編}始まり始まり。
短すぎた夏が終わり、Zクラスで出された超難問ばかりをたばねた分厚い問題集を徹夜で終わらせ俺は、充血した目と腰の痛みを疲労回復の魔法で癒しながら自分の机にまでワープしてきた。
Zクラスの初期メンバーは以前も変わらず、残りの空席を埋めるようにして新Z組メンバーとSSS上がりの生徒が座っていた。SSSからZ組に上がる事が出来たとしてもそれを維持出来ずSSS組に降格するという事がある。
その何度もSSS組とZ組を往復する中で安定して、Z組に残るようになった生徒を、俺達Z組ではこういう生徒をクラスメイトになるという。入って数か月間は、別にSSSクラスから上がってきた体験入部のようなものなのだ。
普通に仲良くなり、友人関係も作るが、そこにはとても薄い膜のような壁があった。Z組は全校生徒の顔であり、責任やらが他の生徒よりも重くのしかかる。なので宿題の未提出などは十分に悪い噂の種になり得るという事だ。つまり俺達には失敗一つで揺れ動く危うい立場という事になる。
それに宿題の量もランクが増える事に五割増しぐらいにはなる、基準はFだ。これがどういう意味かよく分かった時、この学校の新の恐ろしさに気づく。学校は俺達をサラサラZ組のまま卒業させる気など無いのだ。
「アスク、おい、アスク起きろ」
俺達の学校は小中高大一貫の、付け加えてありとあらゆるレベルの学校の集合体だと説明しやすいだろう。つまりFクラスには釘バットに高揚するような奴がいて、S、SSには勉強に十三時間つぎ込むような生徒がいる。
そこからは学校側の、一部の完璧な生徒がいてくれればそれで問題なしという思考がみてとれる。そして俺は公爵家の長男であり、言うなれば不祥事など絶対に起こしてはならないという立場にある。
「おーい、・・・・・・・・・メイリオ、アスクのやつどうしたんだ?」
「俺にもわっかんねえ!!!!アスクさんいきなり机の上に現れたと思ったら、椅子に座ってそのまま爆睡でよ!!!!よく見たらアスクさんなんか縦にすっげえ伸びてるし、ティア様超美人になってるし俺もうなんかよく分かんねえよ!!!!!」
宿題の忘れ物などは、バレたらクラスチェンジは絶対だろう。そんな事は俺には許されない、一体どうすれば!?
「お、お前は相変わらず熱いな。・・・・・・誰もアスクがここでのびているワケを知らないのか、あわよくばこの以上に伸びた身長の秘密を聞き出そうと思ったのだが」
「アスク殿なら、恐らく宿題の件で徹夜をしたのではないかと」
「アルバート、三日あれば終わる宿題をわざわざアスクがやらずに放置するなんてことがあり得るか?」
何やら、遠くで俺の話しをしている声がする。これがアレか、思春期特有の自分に対して何か言っているのではないかという自己意識の芽生えと言うやつか。疲労回復で体力も回復してきたことだし、そろそろ目覚めるとするか・・・・。
「授業中は基本的に何やら怪しげな実験をなされている人ですから、夏休みは悪化したのでは、と」
「そんな分け・・・・・・・ありそうだ。それで忘れていたというオチだろう、ここに入ってから見た目以外は本当に変わらん奴だ」
「おはよう」
「おはようございますアスクさん!!!!!」
「良く眠っておられましたね」
「やっと起きたのか・・・・・とりあえずこれを飲め」
そういって渡された液体は、ペンキ・・・ではなく、何かの栄養ドリンクだろう。ブクブクと泡をだして俺を地獄から読んでいるようだ。
「城内だと実験するにも実験体が見当たらなくてな、中々アスクのような奴はいないからな」
「僕のような奴ってどんな奴ですか・・・・」
「数か月会わなかっただけで身長が一メートルも伸びていたりその明らかに曲がっている右腕を平気で放置しているその異常な精神力の持ち主とかだ」
こいつは何を言っているんだと思いながらも自分の腕をさすると、そこには気がつかず捻じれて今にも弾けそうなほど良い色になった俺の紫の腕。昨日魔法を腕に集中的に使った事による反動だろう、今から回復魔法をかけなければ。
「魔法を使う前にまず飲め。効果は直ぐに出る」
その手に持つ黄色のコンクリートを俺の胃袋に流し込めと彼は言っているらしい。
「か、鑑定・・・」
おそるおそるソレを覗くと、分かりやすい名前と共にえげつない効能がある事が分かった。
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■吸血鬼王特製魔界の七草汁 高品質
効果:疲労回復 自己治癒力増加 魔力回復 魔力自然回復速度増加 眠気 吐き気 興奮状態
素材:闇アカザ イノコズチ亜種 ヒユ(邪) 魔界草スベリヒユ 魔性ヒメジョオン 邪葉ツユクサ
説明:吸血鬼王が庭に生えていた雑草や、町中のいたるところから集めた雑草を煮詰めて完成させたゲテモノ
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「ティア・・・これを本当に僕に・・」
「お前なら大丈夫だ、俺はお前を信じている」
無言で俺の口を開こうとするティア、左腕は既にメイリオによって封じられていた。Z組と言っても所詮はまだ二桁になる前の子供なのだ。つまり悪ふざけも度合という物を知らない。
「やめて・・・やめて・・・グハッ」
「どうやら効き目抜群のようだな、流石俺のポーション・・・次はこれを試してみるか」
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■吸血鬼王のツボ押しマット 特異級
効果:位置固定
素材:布 魔法技術8
説明:これを背中に貼り付け、針などでマットに書かれた場所を刺す事で刺された部位によって特定の効果がでる
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「アスク、ちょっと背中借りるぞ・・・と、いってみたが、コイツさっきのポーションでおちたか・・・・・おい皆、ちょっと集まれ」
ザワザワと周りが騒めき、アスクを中心にアスクを囲むように一つの丸い円が完成した。そこには、先ほどまで集まっていた初期男性陣と、固まって話をしていた女子陣、それと新クラスメイト陣が集まった。
「今からコイツに針を刺す、日頃からアスクに何かある奴は・・・マットに表記された長さまでなら好きにしていいぞ」
その瞬間のZ組の行動の速さは常軌を逸する速さで、次々とティアによってうつぶせに寝かされたアスクの背中のツボに襲いかかった。
「私の領の竜王様については準備できてるんでしょうね!?」と、少女一人がアスクの背中を一突き。
「日頃から付き合い悪すぎだろお前!!」と、三人の少年少女が三突き。
「転校生にもう少し興味を持ちなさい!!!」と、少年少女転校生三人が三突き。
「Zクラスの一番強いお前はどうしていつもいないんだ!!僕と勝負しろ!!」と、SSSクラスから上がって来たアスクをライバル視する奴が一突き。
「アスク様のファンクラブのモノ達で~す、アスク様のご健康を祈って~」と、総勢三百六十二人のファンがどこからともなく現れ、アスクの背中を三百六十二突き。
「今来たので状況がいまいちよくわかりませんが、とりあえず久しぶりです」と、教師が一突き。
「最後に俺からも一つ、少しは連絡よこせやボケェ!!!」と魔族の王様が一突き。
その数、三百七十二突きがアスクの背中に的確なツボをとらえ、効果を発揮させる。
「実験成功だな・・・皆、協力感謝する」
するとまたザワザワとアスクの周りから撤収していく。
「さて、そろそろ起きてもいいんじゃないか?」
ティアがそういった瞬間、アスクが眠りから覚め、自分が何かされた事に気がつく。
「いや、まさかこの至高の鎧を貫通して・・・?」
「鎧は実に協力的だったぞ。良い鎧を持ったな」
俺の全身鎧は生きているのだろうか、それにしても何やら先ほどまでとは何かが違う。強化魔法をかけたような気分だ。
「僕に何をしたんですか?」
「ちょっと針でな・・・数人細剣を刺している奴もいるが、まぁ大丈夫だろう」
「針治療ですか・・・成程、道理で体から力が滾ってくる」
針治療の文化も驚きだが、細剣を指した奴がいるってどういうことだ。微妙に背中がひりひりするのはそのせいか?
「針治療も成功か、俺の技術はもしや世界を救えるかもしれないな・・・」
「針治療もって事は、他に何かしたんですか?」
「ん?ああ、覚えて無いなら別にそれでかまわないぞ」(ポーションの事は記憶から無かった事にしたか、まあ良いだろう、それなら次もやりやすい)
「そうですか」
いつも以上に元気になった今の俺のステータスでも見てみるか。
ステータス
名前:アスクレオス・ワイズバッシュ
性別:男
職業:毒と賢さの神
称号:公爵家長男 天才 多柱の加護者 魔王のお気に入り サマエルの寵愛
隠し称号:探究者 転生者 カティウスの友達
年齢:8歳
種族:人族
レベル200
HP:8000
MP:25500
攻撃力:30000
防御力:17000
素早さ:27000
賢さ:50000
器用:14000
幸運:1500
通常スキル
・薬学12・鑑定8・看破6・剣術9・大剣術10・身体能力強化9・暗殺術8
・剥ぎ取り3
エクストラスキル
・聖剣サマエル召喚5
・毒薬の才能
・レクレール・メルダース召喚1
ユニークスキル
・毒薬生成8
・限界突破3
加護: カティウスの加護 サタンの加護 ヘルメスの加護 サマエルの加護 アレキサンダーの加護
装備品
■ 至高の上下鎧 古代級
■ 至高のヘルム 古代級
■ 至高のブーツ 古代級
■ 至高のガントレット 古代級
■ 聖剣サマエル 伝説級
スキル説明
聖剣サマエル
レベル5
聖剣サマエルを5割の力で召喚出来る
毒を三種類塗り、毒を剣の中で合成し、新たな毒として使用可能
毒薬生成
レベル7
毒の量を7割増やす事が出来る
毒の実験体生成
レベル8
毒の量を8割増やす事が出来る
薬の実験体生成
レクレール・メルダース召喚
レベル1
効果:装填 無音
限界突破
レベル3
光合成が可能になる




