神様の資料室で その2
高祖父の資料を収め、新たな資料を探していると入口から一番離れた場所に鎖で封印されてある扉を見つけた。
丁度扉は本棚と本棚に挟まれており、前を通り過ぎなければ見つけることのできないような場所にある。
「机の前にいないと思ったらこんな所にいたの?」
「起きたんですか、仕事は全て終わらせたはずですけど」
「それについてはお礼を言っておくわ、で、その扉・・・・・・・興味があるの?」
「何か見られたらまずい物が入っていたりするんですか、まあ別に開けるつもりはありませんが」
「虚空の扉は開けては駄目よ・・・・・・それを開けたらもう戻れなくなるから」
大体こういう事には面倒な事がつきものなので、ここは忠告を守り仕事をそうそうに終え、帰る事にした。
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扉の内側では一人の男・・・・死神が二人の話しを聞いていた。
(今回も俺の封印が解除されることは無かったかぁー、これで何回目だ?五十、いや百は超えてる。早く現れないものかね~、早く俺に世界を見せてくれよ。なあ、****)
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数時間程・・・あれから特に何もなく机の上でひたすら死人の進路を決めていると、突然前世で聞いたような地震のような警報が鳴り響き、あたりを静まり還らせた。
「緊急人間界速報、緊急人間界速報、約三分前、人間界で大規模な地震が発生しました、人間界で大規模な地震が発生しました」
「リョウ!これっていったい・・・」
「シッ!、静かにして!!」
「場所はイザヴァル大陸北、聖都アグラ、繰り返します、イザヴァル大陸北、聖都アグラ」
どうやら人間界でリョウと出会った聖都に大規模な地震が発生したらしい。そういえば前にも小さいながらも地震が起きてたな、この大陸って一つのプレートの上に出来ているんじゃ無かったのか?
「大変だわ!!!、早く今の書類を片付けて!!」
「どうしたんですかそんなに慌てて」
「何でわざわざ人間界の状況がこっちに速報として流れたと思う?」
「何でしょうか・・・憐れむため?」
「神でそんな暇な奴がいたら羨ましい限りね、地震が起きたらどうなるかあなたならわかるでしょ?貴方も元は地震ばっかり起こる国出身なんだから」
「この世界には電気も火も科学では無くて魔法ですよ?」
「そうじゃないわ、結果論よ、色々あって結局人が多く死ぬの」
俺もここでようやく理解した。やばい、忙しくなるぞと。
この物語の神の仕事の内容は、人の人生をみる→平均的にどうか決める→判定。 という感じで一人一人ものすごく時間がかかる設定です。




