神界でのお仕事 振り分け
神界でアスクが仕事を始めます。
神界につくと、そこには大きな神殿と、天使の羽を背中につけた人間がその中や外を行き来しながら忙しそうに働いていた。
「皆~アスク君を連れてきたわ~」
「メシア降臨キタコレーーーー!!!」
「救世主様が来られたぞ」
「これでわれらにも休息がいただけるぞ」
リョウの所にいる社員・・・ではなく眷属だったか。臭いがアレだ、竜海に近い臭いがする。コレきっと二次アニメ萌えぇぇぇぇとか言ってる奴らだ。数語聞いただけで察した。やっぱりリョウの周りにはこういう奴らが集まるのだろう。俺を除いて、そう。俺を除いてだ。
「アスク君、此処にいても仕方がないわ、早く神殿の中の資料室に向かいましょ、そろそろあふれかえる頃だから」
リョウの最後の一言に疑問を覚えながらも神殿の資料室に二人で行くと、途中リョウに「アスク君は、バリアみたいなもの張れるかな?」と、聞かれ、二つ返事で大丈夫だと伝えた。
何故仕事をかたずけるのにバリアが必要になってくるか俺にはまだ分からず、謎の不安を抱きつつもリョウが資料室の扉を開けるとそこにはいままでに見た事の無いほどの資料の数々や紙の束、どこから持ってきたのかスーパーコンピューターらしき高そうな機械が転がっている。神界は魔法と科学のハイブリットか。何とも贅沢な所に住んでいる。
「まだ暴れてないみたい、アスク君、早く仕事を終わらせるわよ、途中で資料が暴れたりするかもしれないけどその時はなるべく傷つけないように鎮めてね」
渡された紙を見るとそこには何をここでするべきかと、目標のみのざっくりとした内容で固められていた。
とりあえずやまずみになっている紙の束を手に取るとずっしりと重く、紙の重さではないようにも思えたが、それを用意されていた自分の机の上に置き、一枚づつ見ていくとそこには死んだ人を天界に行かせるか輪廻転生の輪に返すかそれとも魔界にいかせるかを選ぶといった物だった。
天界は永遠の時を幸せに暮らし魔界はその逆と、輪廻転生はまたどこかの異世界で生まれ変わるということらしい。とりあえずここは資料の採点形式に則って、振り分けていく。
はっきりいってここで俺が全員魔界いきにすれば今後生まれ変わる人間の数が少し減り、輪廻転生を全員にすれば人口が増える仕組みらしい。そう考えた時ふとよぎったのは前世、確か膨大な人間がいたような気がする、俺の元いた世界の神は相当甘いとみた。
「リョウ、これ全部地獄いきでいいですか?」
「地獄いきってのは本当に最悪な人生を送って来た者だけが送られるところだから滅多にそこに行かせるなんて言っちゃだめよ?逆に天界も送った人間達を養うのは送った神や天使自身だからね」
「僕の場合はどうなるんですか?」
「あなた神になるっていってたじゃない、それなら別にその間私が何とかしてあげるわ」
天界に送ったら自分が困り、地獄に送ったら相手が困る、そして輪廻転生は誰も困らない、しいていうなら地球そのものが困るのか。
よし、輪廻転生を中心にした方が気が楽でいいな。




