夏休み レクレール・メルダース
「話がそれたわ、それでさっきの話の続きだけど」
「話って、どこからですか」
「私の眷属になるかならないかって話よ!中級神なんて貴方の元いた世界で例えたら会社の社長ぐらい偉いのよ?、つまりすっごく偉いの、エリートなの、それはわかる?」
ぐいぐい来る女神に気圧されつつも、適当な相槌を返していく。
「そうなんですか、下から二番目なのに・・・」
「上級神からは色々と制限がかかって行動しづらくなるのよ、だから私はあえて中級神で止まってるわけ、なろうと思えば上級神の資格なんていつだって取れるわ」
神の世界でもやはり人と同様身分の違いやら上下関係が存在するんだな、平等とは一体誰が言ったんだか。それに上級神の資格ってなんだ、人間界に影響受け過ぎだろ神界は。
「リョウが偉いのはもう十分に分かりましたから。それでも貴方が僕を眷属にしようとする理由が分かりません。なるとしても僕が元から加護を受けていたサマエルやアレキサンダーの眷属になるのが一般的・・・というのは何か不思議な感じですが、そういう物じゃないんでしょうか」
「貴方は先生に勉強を教わったから恩返しに何かする事なんてあるの?」
「やはり自分の成長を助けて貰った神様達でもあるわけですから何か恩返しぐらいは」
「そんなものはお供え物でもしていれば良いのよ、それに私の眷属になれば直接お礼を言うことだって可能になるのよ」
直接お礼というよりも一度会って話をしてみたいというのが大半だ。軍神などと言われ有名なアレキサンダーや、ちょこっと泉で話ただけで仲良くなったサマエルと長話でなくていいので、少しぐらいは話をしてみたいものだ。
「それにあなたには、毒の神様の他に賢さの神という事もある。それがどういう事が分かるかしら。そう、仕事の手伝いに持って来いな分け」
この女神遂に暴露しやがった。要は仕事の効率を上げる為にここまで呼んで俺に仕事の手伝いをさせようと思ったと。それでわざわざ教会に迷惑をかけて、町の住人達にまで被害を出してきたと・・・舐めてんのかコイツ。女神だからってやって良い範囲を超えたな・・・何より俺の夏休みを奪った人物でもある。
小学生の夏休みを奪うようなゴミ野郎にはやり返しが必要だな。
「それを僕にも手伝わせようと・・・別に手伝ってあげても良いですが後それなりの報酬をいただきますよ」
「報酬?」
「貴方の神殿にある資料の閲覧許可ですかね、あと金を」
王貨ぐらいポンと神なら出してくれるだろう、なんたって神様だからな。
「女神だからって金に困らないとか思うなよ!?私だってこうやって働いてんの!余裕なんてあんまりないに決まってるでしょ!?」
「じゃあリョウの神器を。神様なら一つは必ず持っているのは既に知っています」
「神器なんて最近使ってないから貸してあげても良いけど・・・サマエルさんの大剣を既に持ってるんじゃないの?」
お、もしやこれは新しい神器が手に入るのでは?
「できれば大剣と違って遠距離とか大丈夫な物が良いんですけど」
「あるわよ、最近身内で作った小銃なんだけど、これが結構強くてね」
そういうと、リョウは亜空間を作り、その中から一つのライフル銃を取り出し俺に渡した。
「それわね、モシン・ナガンっていう小銃をモデルにして遊びで作ってみた物だから品質は低いんだけどこれの効果がエグいのよ」
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■ レクレール・メルダース 1 古代級
レベル1
効果:装填 無音
説明:装填のスキルによりあらゆるものを装填できる神の力によって出来た武器、所持中は体内から出る音と撃った弾丸が聞こえ無い。
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「・・・」
「どうよ、これなら報酬になるかしら」
神器で手をうった俺は部屋からリョウの神殿がある、神界へと向かった。
新武器と、女神のリョウが抱えている問題についてでした~。




