夏休み 復讐を誓って復習をする
トレーニング
トレーニングルームにて、羽ペンを使って練習メニューを書く。どんな事もまず、形から入るべきだという考えだ。少なすぎてもすぐに終わってしまうし、多すぎてはメンタルが持たない。必要な事から紙に書いていき、足りなくなれば付け足す方式でいこう。
「練習メニューを考えるのはこれぐらいにして・・・」
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練習メニュー
・スキルブレイカーの回避に必要な速さと反射神経の強化
・鎌のようなリーチの長い武器に対しての近距離戦闘訓練
・足音、姿の見えない敵に対しての対処法
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さて一番にスキルブレイカーの回避についてだが・・・コレが出来れば苦労しないと思う。前提条件としてこれが出来るなら既にやっている。ようは無駄だとは分かっている練習を黙々とやるという事だ。気が滅入る話だな。
「博士、このスキルブレイカーというのはどうやったら回避できると思う」
「僕の意見が聞きたいのかい?そうだな・・・・やっぱり同じスキルで相殺するか、対抗とするスキルを習得する、それかスキルブレイカーよりも強力な力で上からねじ伏せるとか。ま、どれも難しいことには変わりないだろうけど」
博士も俺と同じような答えに行きついたらしい。相殺か対抗スキルか・・・今の俺には難しいな。
スキルを壊すスキルに対抗するスキルとなれば、スキルブレイカーそのものを無効化するスキルかスキルブレイカーを発動した本人をどうにかする何かが必要だ。
・・・ん?待てよ、コレ俺のユニークスキルを使ってどうにか出来ないだろうか。ユニークスキルならエクストラスキルを越えるものとしては十分なはず。
「アスク君、どうしたんだい急に人形の方なんか向いて。僕の人形に興味を持ってくれたのは嬉しいけどその手に持ってる刃物は治めて貰えると・・・・まさか!!!!早まるな!!!!落ち着け!!!!話合おう、やめろおおおおおお!!うわぁああああああああ」
人形の腕についている針を切断し、手で砕いた針と熱湯を土魔法で作った即席フラスコの中で溶かす事数分。それを濃縮し、加熱をスキルですることまた数分。
完成した・・・・スキルブレイカーの丸薬バージョンだ。
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■スキルブレイカー【丸薬】伝説級
効果:服用すると数日スキルを使用できなくなる。
素材:ヴェスぺマンティデの刺針 魔法水 調合11
説明:勇者の一人が魔王のスキルブレイカーに対抗するべく作った丸薬のはずが、誤ってスキルを消す効果を持ってしまったいわくつきの薬。
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この素材欄にある、ヴェスぺマンティデってのが俺の半分持っていった魔物の名前か。随分と強そうな名前だが・・・神界ではこの魔物の認知はされているらしいな。新種というよりかはこの地域に本来生息するような魔物ではなかったということか・・・?
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■スキルリバイバー【丸薬】 伝説級
効果:服用すると使用者の記憶をもとにスキルを復元する
素材:スキルブレイカー【丸薬】 毒薬生成8
説明:現在の説明はまだ無し
マジでホント何なのあんた?新薬作って説明欄を私達に書かせて貴方は幸せなワケ?!いつか天罰が下るわよ!?マジ覚悟しときなさい! by神界鑑定部 薬剤類科
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うーん・・・・・思ったような効果を創り出すことには失敗したようだ。解除や一時的に打ち消す効果を相殺するようなモノが出来ればよかったんだが・・・こればかりは他のことで対処を考えておかないといけないな。
「・・・ク様・・・スク様・・・アスク様!」
「・・・はい?」
「貴方の耳は還暦を越えているのですか?食事が覚めます。早くいらして下さい」
気がつくとシンリーが背後に立ちコチラを睨んでいた。食事の時間になっても来なかった事を少し怒っているようだ・・・今思えばあの時の魔物よりウチのメイドの方が何百倍も怖かった。




