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独学の毒薬で異世界無双  作者: ほふるんるん
修行編
45/185

次の準備 3 毒

楽したい時に考え付いた魔物用ステータスという概念。

寮に帰り、ひと段落すると、外に出て竜王戦のことやあのドラゴニュートの兄弟のことを考えながら花に水をやりをする。相手を瞬時に倒す毒は随分沢山作ったが、薬の効果が相手によって弱かったり効かなかったりすると、困ることがこれから増えるだろう。


(快感系ポーションと脱力系ポーション・・・今更だが・・・こっちの世界は規制が緩くて助かるな)


寮の花壇に植えているマンドラゴラに水をやりながら今後の毒について構想を練っていると、人の気配を後ろから感じる。


「メロエか?」


「あれれ?なんでアスク分かったの?凄いね~!」


俺の背後三十センチまで近づく事が出来る奴を俺は二人しか知らない。お前と、お前の母親だけだ。


「後ろからいきなり声をかけるのは止めろ」


「えへへ、ちょっと面白くて、そんな嫌な顔しないで?」


「メロエじゃなかったら乳様突起を殴って沈めてた」


「乳様突起・・・?えっちな話?」


「は?」


「あの・・・ごめんなさい」

(シュールなギャグかと思ったけど、真面目な話だったのね。覚えておかないと。やっぱりアスクって他の男の子より手応えがあって面白い!)


「何しに来たんだ?」


「え、っと・・・遊びに。何してたの?」


寮の花壇に水をやる俺の姿がメロエには見えていないのだろうか?それとも会話の流れとして、何となく聞いたのか?


「コイツらの元気がなかったみたいだったからな」


「い・・・へ、へぇ~・・・お花に水やり。アスクはお花が好きだっけ?」

(意外って言いそうになっちゃった)


「裏表のない植物は基本的に好きなんだ。それに毒の材料にもなるからな」


「毒ってたまに冒険者が使ってるって聞くアレのこと?」


「そう、アレのことだ。まあ趣味のような物なんだが、一筋縄ではいかない奥深い物なんだよ」


だよって・・・流石に変な感じがしたが、まあ、メロエに俺の趣味を話せたのはいい機会だったかも知れない。周囲全体に隠すことにも疲れるし、どこか吐き出せる場所があるならそれに越したことはないだろう。それは勿論ジーナという例外は除いての話だ。


「それなら良い素材が沢山あるところ知ってる!ほらぁ、アスクの領の近くにあるホビットの沢山住んでる森があるじゃない?あそこにホビットの村長さんが作った未攻略の塔があるの。そこに確か蛇の魔物が沢山いたと思う」


「なんでメロエがそんなことを・・・?」


「私もパーティーを友達と組んでダンジョンとか行っておこずかいとか稼いでるの」


おこずかい稼ぎというのは多分おまけみたいなモノ何だろう。食材探しにでも行っているのだろうか。


「あんま危なかったしい事はするなよ・・・」


「心配してくれるの?大丈夫よ、他の三人も私と同じ位強いから」


皆で行けば大丈夫みたいなノリが一番怖いから改まって言ったのだが。しかし俺の言葉だけの心配はどうやら逆にメロエを強きに出させてしまったらしい。うーむ、心配だ。


「そうか、気が向いたらあってみたいものだ」


「え、えぇ、皆喜ぶわ・・・うん」

(うちのメンバーとアスク合わせて大丈夫かしら・・・一人アスクと決闘するためにウチのパーティーに入った子とかいるし)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


水をやり終え、メロエと別れた後、更に詳しい位置を知るためにクレウスのいるギルド本部の仕事部屋をワープで訪れた。


「お父さん今時間ありますか?」


「ちょっとここの書類かたずけてからにしてくれ」


「はい」


数分後、俺がソファに座ってくつろいでいると、クレウスが疲れた顔でやってきた。


「どうしたんですか?」


「少しイザヴァル兄さんが面倒を起こしたみたいでな、その請求がこっちに回ってきたんだ」


「伯父さんが?珍しいですね」


「あぁ、しかも請求額が銅貨5枚のチョコレートでな。昔からだが兄さんのやる事はよくわからん・・・そういえばアスク、どうした?」


「あ・・・・・・・」


あの超強いと有名の伯父さんがチョコレート五枚を弟に払わせるというのは想像出来ないな。そんなに貧乏なら国の一つや二つ滅ぼしてみれば良いだろうに。


「忘れていたのか」


「忘れてました」


「・・・・・・思い出せないのか」


「いえ、忘れたと言ったら思い出しました。蛇のことを聞きに来たんです」


「蛇のこと?」

(蛇というのはあのネグネグッとしていて、ぬるっとしていて美味いやつのことか?)


「ホビットの建てた塔に複数匹いるという蛇の話です」


「最近できたあの塔か、確かに出るには出るが・・・今は挑戦者も増えているから魔物も比例して増えているぞ、一人で大丈夫か?」


挑戦者が増えると塔の魔物が比例して増える?そういうものなのか?・・・そういう物なんだろう。


「大丈夫ですよ、この前はティアと一緒に天使の門を攻略しましたし」


「ああ、天使の子達と戯れるところか」


化け物め。


「アスクが生きてるってことはボスの聖海龍も倒したのか?」


「倒したというか何というか・・・」


「まぁ、そのぐらい実力があるなら心配ないか」


なにも言えず、場所だけ教えて貰い寮に帰ってきた。確かにアレを倒せるようなら大抵のダンジョンは大丈夫だろう、倒せるならな。


回復薬や魔力回復をする薬を持っていざ塔の前までワープすると、人気があるという割には人の荒した形跡のない雰囲気が残っている。森の中で複数の木に絡まれた塔に所々に射す木漏れ日が塔周辺に神聖な雰囲気を醸し出している。


慎重に扉を開け、塔の中に入ると後ろの扉が閉まり暗闇が視界をまず奪い去った。とりあえず雷魔法でうねる光を飛ばした後、地図を頭上で描き覚える。後は前に火球を打ちながら進むという魔法使いがパーティにいなければ出来ないような強引な方法で進む。


そして数分後、歩いていると前から何か滑ってくる音がする・・・塔から使いの者がやってきたようだ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ステータス


 称号:第一の試練 

 種:ロケットスネーク

レベル:49

HP:1000

MP:10

攻撃力:20000

防御力:13

素早さ:120000

賢さ:16

器用:3

幸運:1

通常スキル

・突撃6 ・毒牙4


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


亜空間から捕獲用の網を取り出し構える。


「ひーふーみーよーいつむーななやー・・・・ま、こんな所か」


出て来た蛇はとりあえず捕まえておく、毒の有無は後から確認すればいい。それから次々とロケットスネークが飛ぶようにこちらにやって来るので、来ては網に捕まえていく作業を繰り返した。


捕獲には魚を捕るようの大きな網を使い、端っこと端っこを氷で固めて、相手と自分の間に張るバリアのようにしていると、こちらにやってくる蛇は自然と網に引っ掛かってもがく。


次の階も次の階もひたすら網を張っていく。貼って張って貼りまくる、色の違う奴や形が似た奴はいても全部違って全部良い。


この時既に俺のビンの中にはステルススネイクやキャットスネイク、はたまたマーブルスネイクやブラックブラディーなんて名前の蛇もある。


「虫も一応捕まえたが・・・うん。コレ何に使うんだ?」


紫色のテントウムシが七匹、蜂がニ十匹。それと一メートル程の少し大きいトカゲなど、それはまあわんさかいた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



30F




「小さいと聞いていたが思ったよりも大きな塔だったな」


俺は一呼吸置くと、扉を開いた。大きな蛇が眠りから覚め、こちらを獲物と認識したのだろう。たっぷりの酸を口からダラダラと垂れ流している。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ステータス


名前:エンドオブアドベンチャーズ

称号:最終試練

種:古代蛇

レベル:100


HP:60000

MP:4000

攻撃力:15000

防御力:8000

素早さ:7800

賢さ:4800

器用:4900

幸運:50


通常スキル

毒牙9 暗殺術5 

エクストラスキル

剛力7

ユニークスキル

風化病菌


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



ボスも捕まえて帰ろうと思っていたが、これは流石に軽く二百メートルはありそうな蛇を持って帰るのは何かとめんどくさいので、毒袋だけ抜き取って殺す事にした。


といっても相手もこの塔の番人、そうそう倒されないらしく。


「シャァアアアアアアア!!!!」


などど叫び、酸やら紫の汁やらをコチラめがけて連射してくる。連射といっても水鉄砲と大差ないので、目で追って手でその射出物を全て瓶に詰める。


巻きつく攻撃も、確かにつかまれば強いのかも知れないが・・・


〈ズプリ・・・〉


と、まあ巻き付いてくるならサマエルを突き刺し息の根を止める。サマエルには振れた物を痺れさせる麻痺毒と強めの酒を混ぜてある。蛇なら酒が効くとなぜか思ってしまうのはきっと前世での知識が原因だろう。


討伐後には塔の管理者にはならず、そのまま寮へと帰還した。


部屋に今日の成果を並べると、種類だけでもざっと百種類はあるこの生き物達を棚に飾っていくととても見ごたえのある部屋になった。

ホビットの作った塔は、ポケダン空のゲームに出てくる幻の大地で流れるBGMを聞きながら書きました。その曲のような神秘的なイメージを出すことは今回しなかったけど、次来た時にはそういった場景の説明なども付け加えれたら良いな、と思っています。ポケモン不思議のダンジョンは何気に本家よりも名曲が多い気がして、個人的には空がお勧めしたい今日この頃。物語に合った曲を耳にしながら小説を書くのは、その世界によりのめり込めるような気がして何か好きです。

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