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独学の毒薬で異世界無双  作者: ほふるんるん
修行編
41/185

天使門 6 お宝入手

B9 宝物庫


「・・・ようやく来たか。ボスとの話はもう済んだのか?」


「おかげ様で。龍と話しが出来るとは正直考えてもいませんでしたが案外気が合って良かったです」


竜海を転生者だと話せば面倒な話も増える。何も言わない事がお互い楽で良いだろう。俺にとっても、ティアにとっても。


「ほぅ。それよりも見ろ!何に使うか分からない物だらけだ!ククク、一体どうやって使えと言うのだこのガラクタ共め!!!」


ティアは目の前のダンジョンの報酬を一つずつ手に取っては眺めてはしゃいでいる。何で俺が無事に門を潜って来れたのかということや、その他諸々に関しては気になっていないようだった。変に質問攻めされても困るのは俺の方だが、全くされないと言うのも拍子抜けだ。


「そういっている割にはかなり嬉しそうですね」


ガラクタの山をかき分けながらティアは嬉しそうに鑑定で見ている。多分既にみた物であろう品が、綺麗に一つずつ等間隔に置かれており、それでも一向に減るそぶりを見せないおガラクタの山が、まだいくつも残っている。


「嬉しいに決まっている、まさかこれが宝とはな。俺は正直宝石や金を想像していたのだ、それなら全てアスクに渡そうと思っていたが・・・みよ、この魅力的な品々を!たまらぬではないか!!」


その・・・俺には大きなシャコガイに似た笛やペンギンに似た魔物のぬいぐるみを見せられても反応に困ってしまうのだが・・・それは良いものなのか?


「ハハッ、たまらないですか。僕にはよく分かりませんが、此処に有るのは全部持って帰っていいそうです」


「本当か!?うぅ~~~~・・・今日は心底運がついているな!あの神龍・・・間違いなく、正面突破では負けていた。アスクの龍を丸め込む技術がなければ俺達は今頃、灰燼と化していた事だろう」


笑いながら起こり得たであろう可能性をティアは言う。俺という転生者が竜海という別の転生者に出会い、偶然にも同郷者であり、話も通じる相手だという奇跡を越えて今この場所に立っていることを再度理解し、身震いする。


「僕達のレベルではまだ来てはいけない場所だったかも知れませんね。この場所は」


「というよりも、不思議の連続だったように思える。ボスの龍神もそうだったが、あの女の天使達も俺達をまるで見ないフリをして、見逃してくれているようだった。アレは何だったのだろうな?」


「ふむ・・・彼女達の賢さが高かったのは確かですが、ソレが知能と関係あるかと言われれば微妙ですからねぇ・・・そんな弄ぶような魔物の例は聞いた事はありませんし」


「不気味な奴らだったな」



「本当に・・・なんで僕達生きているんでしょうね。ははははは」


「ククク、クックックック、クハハハハハハハハ・・・なんだろうなぁー、ここまで来て思う事が運が良かったとは、ハハハ、俺達は学習する気があるのか?全く持って愚かすぎるではないか」


「一応身をもって体験したわけですから、次は流石に気をつけるでしょう?」


「何を他人事のように言っているんだお前は・・・」


色々あったが、とりあえず二人とも生きて此処ほうもつこに座って話が出来る事が可笑しく、少しの間笑いが止まらなかった。


「はぁ・・・はぁ・・・・所でアスク、この宝の山、どうやって分ける?」


ゼェー・・・ゼェー・・・・笑いすぎて胸が痒い。とりあえず欲しい物からとっていってお互いに欲しい物があれば交渉という事で」


笑いもひと段落して、当然リアルな話になってくる。ティアの目は当然宝物庫に散らばる魔道具の数々だろう。そして俺の目当ては宝石や毛皮など金目の物。宝石や綺麗な魔物の皮などあればあるだけ亜空間の中に放り込んで帰るつもりだ。一見何事もなく分け終りそうなものだが、当然、金目の物であり素晴らしい魔道具でもある物が幾つかあるわけで、そこは話合いとなる。



「分かった、なら俺は・・・まずこれだ」


そう言ってティアは持ってきた剣と短剣を俺に見せる。


■ 月白刀 伝説級レジェンド


効果:攻撃力3 月の悲鳴モーントシュライ 攻撃速度倍加 被ダメージ倍加


材料:月白石 龍の髭 マンドラゴラの根

説明:刀に触れた者を時間が止まったかの様に錯覚させる程の速さを秘める妖刀、一度持ったが最後、他の刀は重いと感じる程に軽い。




■錆びた短剣 劣化級れっか


効果:破壊不能


材料:不明


説明:昔使われていた形跡のある短剣、そのまま使うには余り効果は期待出来ない。



ティアは魔道具の他に、武器の剣に目がないらしい、もう既に良さげな感じの剣を持っているのにまだ集めるようだ。それにしてもわざわざ劣化級を選ぶというのは、どういうつもりだ?


「妖刀は分かりますが何故その劣化級の短剣を?」


「アスク、よく考えてみろ、こんな凄いダンジョンに何で劣化級の短剣があるんだ?」


全て凄い物だとありがたみが薄れるからショボい物も混ぜて、凄い物がより際立つよう工夫がされているだけだと思うが・・・


「ティアはそこで何かあると考えたわけですか」


「そういう事だ、アスクは何か良さげな物はあったか?」


「そうですね、少し見て回って良いですか?」


俺も何か面白そうな物を探していると、邸でネル先生の部屋に転がっていた物体・・・よりも少し色が薄いが黒い物体。


「・・・まぁこんな所ですね」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


■ 謎の物体 特異級ユニーク


効果:魔法による、キマイラ召喚の道具


材料:魔物の心臓


説明:魔物の心臓を混ぜ合わせたもの



「本当にこんなので良いのか?」


「良いんですよ。それとコレにコレと・・・・・・・・・非常に興味をそそられますね」



■マンドラゴラ栽培キット 精霊級ファンタズマ


説明:マンドラゴラを栽培するのに必要な道具が揃っている箱、どんなマンドラゴラを育てるかは君次第。



■トレーニングベルト 伝説級レジェンド


効果:リミッター解除 常に回復 短時間睡眠 苦痛反転 身体危険感知機


材料: クローネシュバインの毛 セイレーンの喉仏 その他


説明:トレーニングをする以外でも効果を発揮する伝説のベルト。常に自分との限界と向き合い、痛みも快感に変わるかも知れない凄いベルト。使用中、自分の死が近づけば近づくほどベルトからガラガラと音が鳴るようになる。マゾヒスト御用達のベルト。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


マンドラゴラなんて有名な植物だ、きっと高く売れる。それに謎の物体なんて名前が名前として機能していないコレも気になるため、このチョイスとなった。ベルトは品質がレジェンド級と滅多に見ない物だからだ。


使い込んでいけばレジェンドがファンタズマになったりノーマルになったりするのだろうか?・・・いや、そういうのじゃあないか。


「後は別にどうでもイイものばかりですね・・・・しいていうなら貴金属の方が需要はありますが」


「なら、アスクに鉱石と宝石は全てくれてやろう。俺は宝石よりもこの大量の魔道具の方が興味がある。それに価値としても同じぐらいだろうしな」


ティアとは価値観が違うようだ、境目にある物を分けたら後は全く欲しい物が被らない。


「そうなんですか、では遠慮無く」


レッドダイヤモンドやこの世界でとれる希少金属の一種であるミスリルという不思議な金属等を丁寧に布に包んでは亜空間に投げこむ。他にも金や銀、アルミニウムにビスマス、銅やコバルト、カドミウム、ガリウム、ニッケル、スズ、亜鉛とまぁ・・・とにかく色々あった。


毒の材料や抗菌にも使える金属が沢山あったから、毒薬の研究も進むことだろう。個人的にはミスリルなんてワケの分からん金属よりも、カドミウム辺りをもう少し多めに欲しかったところだな。


「さて、アスク。こっちは全部収納し終わったぞ」


「こちらも今終わりました」


「ヨシ、では帰宅だ!」




天使門もこれで終了となります、いや~竜海は濃いいキャラだった。

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