天使門5 龍神
前回倒したボスの二匹のステータスを載せときます。
ステータス
名前:義
性別:男
称号:龍神の部屋の番人
種族:天使竜
レベル:270
HP:50000
MP:40000
攻撃力:13000
防御力:7800
素早さ:8000
賢さ:15000
器用:10000
幸運:70
通常スキル
剣術6 身体能力強化5
エクストラスキル
竜の魂 歴戦の勘
ユニークスキル
加護
名前:正
性別:男
称号:龍神の部屋の番人
種族:天使竜
レベル:290
HP:60000
MP:40000
攻撃力:13500
防御力:7950
素早さ:8300
賢さ:15000
器用:9900
幸運:50
通常スキル
剣術8 身体能力強化4
エクストラスキル
竜の魂 歴戦の勘
ユニークスキル
歴戦の勘
相手が自分を探る行動を行った時自動でかき消す。
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こう見ると、相手が悪かっただけであって実は結構強かったお二人。主人公つええええと思わせながら、敵キャラもイイ感じだなぁとか思わせるのってなんか難しいです。
B8
上への階段を登り切り、巨大な龍が横たわる階へとやってきた。対峙した龍からは先に戦ったドラゴニュート程の威圧は感じられず、弱そうにも見えなければ強そうにも見えない不思議な雰囲気のある魔物という印象を受ける。
「よ、よく来た、ゆ、勇敢なる者達よ、さあ・・・・ぼ・・・我に力を示して見せよ!」
気の抜けた声で喋るその龍に、ティアも俺も違和感を覚えた。
「お前がこの塔の主ですか」
「如何にも!我こそは天地鳴動の化身!!!りゅぅうううううううぅううぅうぅぅううう神!!!竜海だ!!!!!」
蛇のように長い体を持つタツミという龍は細い手を広げ、大きく名乗り出た。気合いで負けまいとするような、その龍からは思っていた龍の印象とは違うものがあった。
「そうですかぁー、威嚇のつもりならもう少し声を低くすると良いですよ」
毒を散布している事にも気付いていない様子・・・そしてなぜかこのボス部屋だけあの龍の住処なのか生活感ある四角い部屋となっている、この形なら毒もすぐに相手側に届くだろう。以前の出来事から学習してちゃんとこちらに害が無いように工夫しているため、ティアが痺れる事もない。
「え、ここはちょっとビビッてくれませんか」
なにかふざけた事を言っている気がするが、俺達は龍の一挙手一投足に気を配りながらこの空気を感じているのであって、決してふざける気にもなれない。
「すいません、そろそろ準備も出来たので終わりにしようかと」
歩きながらサマエルを召喚し、付近に舞っているだろう毒を剣で吸収しつつ歩く。これで安全に近づく事も可能なワケであって、斬りつける事が出来れば大ダメージも期待できるという一石二鳥の攻撃となっている。
「ちみちみ~、横ががら空きだぞ?」
ぐらりと、頭が上下さかさまになったと思ったらいつの間にか俺は壁に叩きつけられていた。
「み・・・見えなかったぞ。なぜアスクが壁に叩きつけれられているのだ・・・?」
「セコイ戦法は我には通用しないと思え!!!ふぁわああああっはっはっはっはっは!!!」
生身で受けて良いものじゃあなかったぜ・・・。かなり手加減してもらったようだが、叩きつけらた衝撃で頭からの出血も酷い。力量差が激し過ぎるな・・・一度ワープで帰ってしまおうか?いや、それならその前に鑑定で敵の情報だけでも持ち逃げする準備をしなければ。
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ステータス
名前:竜海
性別:男
称号:龍神
隠し称号:転生者
種族:聖海龍
レベル:■■■■■
HP:■■■■■■■■
MP:■■■■■■■■
攻撃力:■■■■■■■
防御力:■■■■■■■■
素早さ:■■■■■■■
賢さ:■■■■
器用:■■■■■
幸運:■■■■■■■■■
通常スキル
数が多すぎるため、レベルの高い物を選び表示します。
・鑑定13 ・剣術9 ・牙術9 ・盾術9 ・身体能力強化9 ・槍術9・棒術9 etc
エクストラスキル
全状態異常無効 擬人化
ユニークスキル
幸せの追求者 龍神と人間の混合心
加護 女神リョウの加護
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こちらの世界ではあまり効かない竜海という名前。そして隠し称号という欄に身をぼえのある称号がある事にきづく。ワープでティアの隣に戻り、ティアにも同じように鑑定で竜海を見て貰っても、竜海の称号欄の下には種族が続くと言う。ここに来た者同士だけが知りえることだとでも神は言いたいのだろうか。
「塔の主竜海、貴方のステータスをみて少し気になる事があります。少し話はできませんか」
俺以外にもこちらの世界に飛ばされている奴がいるのだとすれば傑作だ、しかも龍という人ではなくトカゲにされている事からよっぽどのことをしてきたやつだろう、小馬鹿にする次いでに話して見たいことが幾つかある。
「我のステータスを見て恐れをなしたか。ふぁわあああああっはっはっはっはっは・・・・・そうではなさそうだな。このシリアスっぽい雰囲気は違うようだ、よかろう。少し話に乗ってやろうじゃあないか」
キラキラと眩い光を放ちながら龍は形を変え、微青年・・・・と、言われてそうなまあまあそこそこ顔だちの良い青年に変化した。大学のサークルにはテニスに入っていそうな顔だ。
「アスク、コイツアレだぞ。黙っていればカッコイイ奴だ」
「テニサーの王子様とか言われていそうですねぇ」
「何をテメェ・・・って・・・テニサー?・・・・」
「竜海とかい言いましたね、とりあえず僕を鑑定してください。それとティアは向かい側にある宝物庫に続く道を先に進んでいて下さい」
竜海には早く、俺を鑑定してもらいたい。そうすれば後は早く事がすむ。
「何だかよくわからんが、闘う雰囲気じゃなくなったのかアスク?」
「えぇ、そうです。心配ありません。ティアは先にこの階を登って行って下さい」
「おい、お前達何勝手に・・・・てか僕もなんで律儀に鑑定してあげてんだ。馬鹿か僕は・・・・・てか、あぁ・・・・そういう事ですか、なるほど理解です。ティアちゃん?・・・行って良いよ」
ティアが扉の向こうへと姿を消して少しの間が開く。竜海は国際保護動物でも見るかのように俺の身なりに注意深く目を配らせるが、自分の中で落ち着いたのか顔を俺の方に向けて、逸らした。
「竜海は何所から来たんだ?」
「それを聞くならまず自分から話して下さいよ。僕もアスクレオスさんのことをまだ良く知らないんですから」
「・・・まあそうだな。と言っても俺には前世の記憶が余りない。元いた国が大日本帝国と言うことと、研究者だったということぐらいしか憶えていないんだ。知識の方は人並み外れてあると自負しているが、過去について語れるような物は何もないな」
あと何かあっただろうか?あぁ・・・そう言えば。
「それと竜海は勘違いしているみたいだが、アレは男だぞ」
「なんと!?・・・ホホっ男の娘!ほぉーー・・・需要、ありますね。アスクレオスさんのヒロインさんですか?」
「ティアは男だと言っているだろう」
「男の娘ならヒロインでは?」
「は?」
「え・・・?」
「ひとまずその話は置いといてだな、聞いた感じ竜海も日本人のようだが俺を知っていたりしないか?」
「二億近くいる日本人でピンポイントに知ってた方が怖いでしょ、僕はアスクレオスなんて名前、全然知りませんよ。というか、大日本帝国って・・・僕よりかなり昔の時代の人なのかも知れませんね、アスクレオスさん。もしかしたらお雇い外国人みたいな感じで日本に偶々やって来てそのまま余生を過ごしたとか、そんな感じかも知れませんねぇ」
「いや、竜海、変な誤解をしているみたいだが、俺の本名は騰蛇陽葉だ」
「んなんかDQNネームみたいですね騰蛇さん」
「DQN?あーいや、でもそう前世の名前で呼ばれるのはあまり嬉しくないんだ。俺の事はアスクと呼んでくれ」
「オッケー了解ですアスクさん。昔の人って話方も違うし、言葉が通じないのかと思ってましたけど、案外通じるものですね」
「そりゃあアレだろ、異世界に来た影響で調整されているんだろう。俺も未来人と会話できるなんて思ってもみなかったさ」
「未来人・・・ですか、っふ、可笑しな響きですね。超能力者と宇宙人とかいればもっと面白かっただろうに」
「古人ならいるぞ?」
「いやぁ、そうじゃないですよ。ハハッ、でも確かにそうですね。何か親父と話しているみたいです」
「何歳かは知らんが、俺はまだ小学一年生だぞ」
「スゲェ詐欺ですね!」
「だろ?」
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ティアが門に飛びこんだ後、竜海と小一時間ほど話しをした。色々な情報交換という点においては間違って無いが・・・
「成程、死んだ竜海は女神に異世界のバランスを保つために此処でダンジョンの主をしてくれと頼まれ、それと途中で出てきたラノベ?というものを報酬として受け取る代わりに、それを承諾したと」
「ラノベは本の種類です、そういえばアスクさんはアニメとかも知らないんですよね?」
「アニメは少し知っているぞ。あの眼鏡かけたら巨大になるアレだろ」
「まさかセブンの話をしてらっしゃる・・・?」
「あ、あぁ・・・多分セブンだ、せぶーん、せぶーん、せぶーんってやつ。他には公害なんかが凄かったなぁ」
「アスクさん、その知識は時代を捉える知識ですよ。昭和42年にはソレを知識として保有できる歳だったってことですよ!」
「俺の知識を他に知っている奴がいればその時代に俺が存在したかも知れないというわけか・・・なるほど、人を当てにするなんて考えたこともなかった」
竜海の話しからはとても多くの知らない言葉が溢れたが、何とか少しずつ汲みとっていくと自分の知る歴史と、竜海の知る歴史に大きな違いが多数あることを知った。
「聞いた感想からするとずいぶんと違うみたいだな、日本があの戦争で勝ったか負けたかの歴史でここまで差が出るとはな・・・。本当にお前の世界は大丈夫なのか?」
国民一人一人が国のことを考えていない国とか危険すぎやしないだろうか。変な奴がトップにでも立ってみろ、他力本願に頼り過ぎた結果は負の遺産を残して世代交代か崩壊だ。
アニメというのが文化として発展したのは良いと思うが、責任の所在のがハッキリしない制度ってどうなんだ?そんなことしてたら滅びるんじゃないか?
「大丈夫ですよ~全然、それに娯楽がないと生活してて寂しくないですか?」
「まぁ娯楽は少なかっただろうなぁ・・・競馬とかの知識ならあるがそれも余り知らないようだからな。それにさっき聞いた介護ロボットなんてのも俺の世界には恐らくいなかった。あるとすれば人型潜入掃討アンドロイドとかもっと別の用途でロボットは使われていた」
平和な世界なんて存在しない。俺の知識には一切そういった情報がなかった。
「そそそ、それって、ターミネ〇タ〇じゃ無いですか!マジか!アスクさんの世界マジか!」
「大マジだ。非人道兵器は多くある」
「じゃあ逆に人道的兵器ってあるんですか?」
「ショックガンとか、・・・まあ人道的兵器だ」
「SFだなぁ!!!」
SFなら良かった。ただ、実際にニ~三個ほどだが実際の設計図まで頭の中に知識として存在するのは確かだ。毒薬を作っていたであろう俺が何故そんなことを知っているのか知らないが、それも過去の俺と何か関わりがあったのだろう。
「SFSFと言うが・・・此処はファンタジーだぞ。便利な魔法で作れば良いじゃないか」
「僕余り銃とかに詳しく無くて・・・・・・試したんですけどぉ・・・・筒から土が飛び出す玩具ぐらいしか!!!作れませんでした!!!!!!」
シクシクと涙を流して、腕でわざとらしく拭っているがコイツは何がしたいんだ。
「銃火器ならスナイダーとかで良いか?」
でもまあ、この塔の中でしか使わないと約束させた上で持たせるのは別に構わないか。何より低コストでこの龍の印象操作が出来るなら儲けものだ。コイツは変わったことを知っていて発想力もある、研究に行き詰った時にはここで新しい風を吹き入れることが出来るようになるかも知れない。
「ほんとですか!僕アスクさんを一生リスペクトして生き続けますわ。もう何でも良いです」
こうして俺は銃のパーツを適当に作り、組み立てた。たつみの作ったプラモデルと言う、完成度の高い模型を作ってもらったりと色々な情報交換を終えたあと、ひと段落着いた所でたつみに問いただす。
「たつみはこれからもダンジョンのマスターとしてここに居続けるのか?」
「はい、初めはいきなり目を開けると人間じゃ無くなっていたりして不安だったんですけど、好きなラノベは女神様が給料として届けてくれますし、食べ物も天使達が亜空間で作った農場で育ててくれますし、今じゃここが僕の家なんです。時々冒険者が僕の所まで辿り付きますが、そういう時は大体僕は影武者を置いて亜空間に逃げますから身の危険もほとんどありません」
「俺達は今回、運が良いのか悪いのかたまたま本物と鉢合わせしてしまったわけか」
まあそのお陰でこの世界来て初の同族に会う事ができた。残念なのはやはり同じ世界の人間では無いという事ぐらいだろうか。と言っても俺の中では既に違う価値観や物を知っている竜海も面白いので、プラマイゼロになっているが。
「いえ・・・実は子供なら大丈夫かなぁと半分油断がありまして。他にもアスクさんは知らないと思うんですけど勇者とか主人公って高校生の設定多いんですよ、なんでここら辺でちょっとラノベっぽくふるまいたいな~なんて。思ったりしなかったり・・・」
「・・・なるほど、よく分からんが竜海にもいろいろある事は分かった。まあここで暮らすのが窮屈でないなら俺はそれでいい、塔の外側の世界に興味があるならいつでも行ってくれ。邸にも招待したい」
「マジっすか、邸!アスクさん貴族かなんかなんですか」
「貴族だ。それと竜海のいう吸血鬼の少女は王子だ、アイツの国で少女なんて言ってみろ、法で裁かれるぞ」
「中世の法律ぱねぇ・・・魔女裁判ならぬドラゴン裁判だ・・僕もう生きている心地しないおぉ・・・」
「魔族の国に行くときは気を付けた方が良いかもな。俺もティアのことは良い奴って事ぐらいしかよく知らない。それとティアには先に行ってもらってかなり時間が経つが、何かしてないだろうな?」
「あーそこんところは心配ないですよ、はい。あそこにある宝って設定したら沢山出てくるんですよ。塔の機能でお宝設定みたいなのが出来まして、それで何にするか決めたりできるんです。だからティア君が飽き始めた頃合いを見て、ポチッっとすれば追加のお宝が出現するという仕組みです」
「そ、そうなのか・・・以外と大盤振る舞いしてくれるんだな」
「魔法で金属を作る輩がいるのと同じくらい、魔法で地形や金属を消滅させる輩もこの世界にはいるようなんでこんなもので案外良かったりするんだと思います。塔やダンジョンでそのあとからその調整をしているって話は初期の女神様から聞きましたけど。まあ、僕に任されるような仕事何で僕も僕なりのやり方でやらせて貰ってるんですよね」
「へぇ・・・」
欲のある奴が塔の機能を使えば世界のバランスを保つどころか、世界のバランスを崩す事も可能になってくるわけだ。なるほど、ラノベで動く竜海には確かに神としても都合がいい。見た感じ大それたことも出来なさそうな小物臭いところもコイツにはあるしな。
「竜海がこの塔の主に選ばれた理由がやっとわかった気がする」
「・・・?」
俺はたつみに礼をすると宝物庫への門をくぐった・・・
たつみとアスクが話をしている間のティア
テ「おお、すげぇこれがダンジョンの宝物庫か、色々沢山あるな、どれどれ」
■ 発火の指輪 高品質
効果:発火の魔法が対象に向かって飛ぶ
説明:魔法武器の一つ、最近作られた威力を調節出来る新型。
■ 謎の物体 特異級
効果:魔法による、キマイラ召喚の道具
説明:魔物の心臓を混ぜ合わせたもの
■錆びた短剣 劣化級
効果:破壊不能
説明:昔使われていた形跡のある短剣、そのまま使うには余り効果は期待出来ない。
テ「まだまだ沢山あるな、宝探しの気分だな」




