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独学の毒薬で異世界無双  作者: ほふるんるん
少年期編
27/185

教会パート1 教会へ

ギルドを出ると辺りはオレンジ色に染まり、教会の方角には沈む夕焼けが綺麗に見える。ティアは何やらお偉いさんとの会食があるらしく校門の前で別れとなった。


メロエと二人で教会に向かう途中、買い食いやら店を覗くなどしてやたら寄り道をしながら、教会に向かう。森から帰ったばかりでクタクタだろうに、メロエの元気は頂点に達したまま降下の予兆をみせない。


オジサンはもう精神的に疲れているので早く用事を済ませて帰りたいのだが、メロエの寄り道スキルはそうそうに俺を寮へとは帰らせてはくれなかった。



「私教会に行くの初めてなの、アスクは言ったことある?」


「いいや・・・、教会なんてものがあること自体知ったのはついさっきだ」


教会では神様に自分の職業を教えて貰い、その職業につく者が多いという話を先ほどのギルド嬢から来いた。安心と引き換えのリスクが割にあっていないというのにどうしてみんな言われた通りに動くんだ?


「その職業になるだけで、簡単にスキルが身に着くこともあるんだってー、凄いよねー!」


「メロエは何かなりたい職業はあるのか?」


「やっぱり自分オリジナルの職業をお告げで貰いたいわ、オリジナル職ってだけで将来は安定らしいし」


「オリジナル職?」


オリジナル職ってネーミングセンスをどうにかしろ、職務質問されたらさぞかし答えにくいぞ。


「教会で時々神様と直接会って職業を教えて貰う事があるらしいの。それで神様から直接教えて貰えるのは全てオリジナル職って言われているんだって」


「詳しいな、調べる機会でもあったのか?」


「ちょっと気になっちゃって」


「何かあったのか?」


何故か頬を赤く染めてうつむくメロエ。二人の間に会話が途切れ、メロエが話さなくなった分、空気が重たくなったように感じる。い、息苦しい・・・早くこの空気をどうにかせねばと、思えば思うほどにどうでも良い事が頭をよぎっていく。現在軽く脳内で現実逃避が起こっており、考えを放棄している。


「余計なこと言ったな、悪かった。さっきの聞いた事はなかったことにしてくれ」


ぎこちなく笑みを浮かべで顔を上げるメロエに、もう今は何を言っても彼女を気遣わせるだけだと悟った俺は脚早に教会にむかった。我ながら自分の鈍感さを恥じるばかりだ、教会なんて懺悔をしに行く以外にないだろうに。この歳で苦労の絶えない子だ。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



大きな木製のドアを開けると、長椅子が左右シンメトリーに並び、前にはシスターが立って俺達の来訪を心よく歓迎してくれた。


「こんにちはシスター、僕達天職を聞きに来たんですけど、どこに行けば良いか分からなくて。どちらの扉に向かえばいいんでしょうか?」


「天職を聞きに来たのかい?・・・えぇとねぇ・・・それじぁあ右にある扉に入って廊下をまっーすぐ進みな。その先の扉に、『転職を聞く専用のシスター』がいる部屋があってねぇ~、今は確か他の人がまだ職を聞きに来ていたと思うからぁ~、歩いてゆっくり行きなさい」


「ありがとうございます、シスター」


優しくゆっくり教えてくれた優しいおばあちゃんシスターに礼をすると、言われた通り歩いてその部屋へと向かう。しかし稀に見るおばあちゃんらしいおばあちゃんだった、オーラというか慈愛の心というモノが滲み出ており、あのおばあちゃんが神だと言われれば納得がいくような、そんな神々しさまで感じるおばあちゃんだった。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


部屋の中ではおばあちゃんシスターから言われた通り、若い女性が座って一人の男性の天職のお告げをしていた。


しゅよ、この者の天職を教えて下さい」


そう言うとシスターの周りが光りだし一瞬原因不明の光が当たりを照らし、シスターは何かの話を聞くようにコクコクとうなずいている。


「貴方の天職は・・・魔法使いとの事です」


「ありがとうございますぅ、シスター。わい頑張って立派な魔法使い目指しますわ。遊び人は今日で終わりや!やっふぅー!」


「えぇ、頑張って下さいね」


俺達に気づいた様子もなく、嬉しそうに浮かれながらスキップで部屋を出て行くオッサンと入れ替わるようにして部屋に入る。俺達を見ると少し驚いた顔をするシスター。


「シスター僕達の天職を教えてください」


「あらあら~、本当にいいの?もしかしたらなりたい職業じゃないものがお告げされるかもしれないのよ?それでも本当にお告げを受けるのかしら?」



「はい、僕達は冒険者なので職業が決まって無いと後々不便なんです。それに自分がどう見られているのか気にもなります」

(ここで何を言われたとしても俺は研究者にしかなるつもりはないしな)


「あなたもそうなの?お嬢さん」


「少し怖いけどきっと大丈夫だと思うの、アスクもいるし」


「そっか。よし、じゃあ少し待っててね。準備を始めるから」


何やら手をワシャワシャとしているので気になり、看破を使うとどうやら魔力を粘土のようにコネている様子。そして魔力で作られた粘土で今度は天使のような形を粘土で作って机の上にそれを乗せる。


どうやらこれで準備は完成らしい。実際には何も無いのだが、魔力を通じて、確かに机の上には天使の置物が出来ている。


「主よ、この者達の天職を教えたまえ」


すると机の天使から光がまき散らされ、辺りを光で包み込んでいく。


「おーい起きて、聞こえてるだろー」


いつの間にか意識を持っていかれたようだ、どこかで聞いた事のある青年の声がする。上体を起こすと見覚えの無い、様々な花が咲いているお花畑にティーカップを片手に語りかけて来る青年、はてコイツどこかで見た事がある、さて誰だったか。


「・・・カティウスか?」


「友達の名前をまさか忘れていたんじゃないだろうねぇ。・・・おいおい、マジかよ。本当に忘れていやがったなコンチクショーめ。カティウスだよ」


「心を読むな」


「オリジナル職業おめでとう!・・・と、言いたいところだけど、実は確定されたことだったから、別に僕には驚きや喜びと言ったものはないんだけどね~。まあかねがね順調ということでいいとしようか。とりあえずおめでとうだ!そしてようこそ神の世界に!」


神の世界だと?馬鹿馬鹿しい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残念ながらそのようだ。








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