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独学の毒薬で異世界無双  作者: ほふるんるん
大会準備編 
161/185

大会準備編 1 とりあえず謝罪しよう

またまた超展開!



~竜海の塔~



ひんやりとはしないホットカーペットの床に胡坐を組んで座って、一息ついてから俺は冷静に話の続きを始めた。


「・・・・・こんな感じの事があったんだ」


「・・・・・は?・・・・・・・んんん?」」


「いやだからなぁよく聞けよ。俺は混沌の総帥を見つける為にネル先生の部屋を勇気と根性を持って、飛び出て行ったんだよ」


「どう考えたって偽物パチモンじゃねえか!馬鹿ですかアンタ!?ホント何してんだよ!?ねえ!?・・・・てかこの話に出てくるアスクさん、アホみたいに仲間思いなんですけど、超別人過ぎて怖すぎる」


「こんな感じだろうが、公明正大なお方だぞ俺は。マルクス・アントニヌスだぞ」


「倒れているメイドがいたらゴミかなんかと見間違えてアンタ蹴りそうだけどな・・・」


コイツは俺を悪魔かシンリーと勘違いしてるんじゃないだろうか。一応真実と嘘を混ぜて作った物語ストーリーだからそれなりの現実味リアリティがあったと思うのだが、やはり本物には劣ってしまうものなのか?



「うるせえ。言っておくと、嘘もあるが本当の事を言ったからな?」


「それはつまり・・・・このラスボスっぽい奴を倒しに行く雰囲気が、クリスマスの時には会ったと?」


「そんな雰囲気は無かったが・・・・・・、まず順を辿って説明するとだな。焼き鳥だが――――アレは本当に食った、ありゃあ中々イケたぞ。今度タレ作って持って来てやるよ」


「この世界じゃあ高級品ですよ?金払えって言われても出しませんからね?」


「クリスマス中の暇つぶしを貸してもらったからな、コレで貸し借りなしだ」


クリスマスは邸で馬鹿デカイパーティをクレウスが開いたせいで、俺はずっと部屋で引き籠って漫画を読む羽目になったのだった。


「あぁ、あのボクシング漫画の事ですね?気にしなくて良いんですよ、そういうのは。百巻ぐらいあって読み終わるの大変だったでしょ?」


「ハマって二日で読破した」


「お、おう・・・・」

(ドハマりしてるじゃないですか)


「昨日なんかアレ見てアッパーの練習したからな。うん、アレ見てシャドーボクシングしない奴も中々いないと思うぜ。心の内から燃える感じで最高だった」


「あー!分かります!やっぱバトルものは良いですよねぇ!漢って感じがして!」


「よくわかってんじゃねえか、それからまず魔導書を見るくだりだがそこは普通に本を読んで勉強してただけだ。無言だったから脚色を加えさせて貰った」


「よくも読書からアレだけ膨れさせたものですねアスクさん、それと話変えるんですけどボクシングで思い出したんですが、例の最強を決める大会ってあと一年後ですよね。約ですけど」


「・・・・・」


「あ、アレ?もしかして気にして・・・・」


「あ゛ぁ゛?」


「あ、バリバリ気にしてたんですね。いやぁアスクさんなら大丈夫かなぁなんて思ったりもしたんですけど、やっぱここまでの間に練習とか・・・してました?」


するに決まってるだろうが。あと一年だぞ?あと一年で大会が始まるって時に今の自分に大量の弱点があって、ソレを越えてもまだ高みにいるかも知れない竜を、俺は打倒しなければシナリオ通りには進んじゃくれ無いんだよ。カバ―ストーリーの一つや二つ、書いてセコセコと練習して何が悪い。


「しっかし僕はこんな駄作じゃなくてアスクさんの普通に練習してる話が聞きたいなぁ」


「嫌に決まってんだろ。話するどころか言いたくもなかったぐらいだ。練習風景に関してはまあ俺の駄作を読んで想像でもしておけ、へへへ」


「読んどけって・・・あれじゃあ全然分かんないですよ!なんか名前がクッソ中二病みたいな装備が出て来たり、クッソ中二病みたいな魔導書とか出て来たり!読者を振り回さないでください!」


「そのクッソ中二病みたいな装備、今俺が装備しているんだが。そのクッソ中二病みたいな魔導書、俺は読んだんだが」


「あ、そっちはマジなんですか」


「マジも大マジ、そのまま笑うようならその首綺麗に鳥ガラにするぞお前」


「お、落ち着いて下さいよアスクさん、はは、ハハハハッ」


本当にコイツ、煮て食ってやろうか?劣化竜種ワイバーンより筋肉質でかなり不味そうではあるが。


「混沌の総帥という、お前が中二臭いと言った魔導書なぁ・・・アレは本当にあるぞ。装備に使うようなカッコイイものじゃないけどな。混沌永劫崩壊神体も存在する」


「え、マジでそんな名前の・・・あ、何でもないです。でも凄いですね、アスクさん。遂に神話級の装備獲得!ですか。てことは白銀のミイラの辺りは本当なんですか?」


「いや、白銀のミイラの下りは嘘だ。鍛冶屋の知り合いの伝手で二人組のオッサン達に出会ってな、そのオッサン達が更に鎧に手を加えた結果がそれだ」


「そ、それって凄い人達なんじゃあ・・・」


「一人は邪神や閻魔の武器を手掛ける土の妖精、もう一人は中級神以上の防具を手掛ける闇の妖精・・・らしいが、俺には両方ただの仕事の無いオッサンにしか見えなかった」


的確な表現が今口からポロッとでたな・・・今のは自分で関心してしまう。仕事の無いオッサン、コレだな。無職ではなく、仕事が無いオッサン。シックリくるな、何であの時言ってやれなかったんだろうか。


「オッサン・・・手を加えただけで神話級にしてしまう神話級製作者ゴッズメイカーをオッサン・・・ちょっとやっぱり凄いですね。僕にはそんな人たちをオッサンなんて呼べませんよ」


「いや、マジでオッサンだったよ。一度オッサンに聞いたからな」


「ん?・・・・なにをですか?」


「今欲しいものは何か・・・ってな。欲しい物をくれてやるから俺の装備を調整しろと伝えたんだが」


「悪魔の契約みたいな言い回しだなぁ・・・それでゴッズメイカー達はなんと?」


「生活費以外で遊べる金があと十万円(十銀貨)欲しい・・・・っと、切実にそう答えたよ」




何だか急に竜海の方から冷気が押し寄せて来たような気がしたので、水魔法で水球を作りその下で火魔法を使い、お湯を作り、足をその水球の中に入れた。俺はコレを『常に足湯魔法』と呼んでいるが、冬の間にこの魔法は作った為、未だに安定しない。


・・・・と、足湯魔法についてはどうでも良いんだよ。どうしてそんな冷たい寒波を俺にぶつけて来るんだ竜海は。


「また騙すんですか」


「なんのことだ」


「妖精が、そんな現代のサラリーマンみたいなことを言うとおもいますか?いいえ!?思いません。それはつまり、アスクさん・・・・あなたはまた嘘を混ぜこんで話していませんか」


「嘘だと思うならそれでもいい。俺は二話分の償いだと思って真面目に話してやってんのに・・・」


「その二話のせいで疑いが晴れないんだろ!?」


「そうだな、ああ全くだ。その通りすぎてぐうの音も出ない。もう話すのも止めようか」


「本当にガキ見たいですよ、アスクさん・・・・はぁ、もう次の話しを聞かせて下さいよ、というか幾つか先に質問させてください」


「答えられないものには答えられないがそれでもいいならな」


「まず一つ、アスクさんが自分よりも強いと言っていたクレウスさん、カトレアさん、シンリーさん、ネルさん、スキールニルさんは普通に生きているんですね?特にスキールニルさんなんか死亡してるっぽくてなんか後ろに立っているのが分かっていても冷や冷やするんですよ」


後ろに立ってるのが分かってるなら問題ないと思うが・・・あ、――――頭の後ろにあてられた銃口の意味が分からないでもないので、スキールニルに話して貰うとしよう。


勘違いしてほしくないのは俺がビビッてスキールニルに話す許可を与えるわけじゃないということ、それと当たっている銃口は俺がカバ―ストーリ―に出したばかりのスキールニルの隠し玉、MG08重機関銃ちゃんということ。


「スキールニル、話して良いよ」


「竜海様の質問には私から答えさせて頂きます」


「は、はい。お願いします・・・い、生きていらっしゃるん・・・ですよね?」


「当然です。稚拙な文で殺された事に腹が立たないでも無いですが、ソレは後日アスク様とお話するとして、まずは要点をお話致します」


話している最中にも俺に銃口を押し当てている理由は何だろうか、ゴリゴリ音がして相手するのが面倒なんだが。頭を放そうとしても銃口が吸い付いたように俺の頭部から離れないし、スキールニルも放そうとしない。それに多分無理に引き剥がそうとしたら首と体が先にサヨナラをしそうな気がするし、どうしたものか。


「まずは公爵夫妻ですが、特に何ともございません。公爵様がボロボロになっていると話にありましたが、ソレはアスク様の願望です」


「異議あり!それが願望だというなら俺は躊躇なく父を足蹴にしたことだろう!よってコレは思慮深い製作者の糸が感じられるシーンだと考えられますが!竜海裁判官!どう思われますか」


「異議を棄却します。スキールニルさん、お話を続けて下さい」


(わ、賄賂が足りなかったか・・・・)


「シンリー様がお自宅でお眠りになさっている・・・とありましたが、ソレは単にお休みを公爵様より頂いたに過ぎません。元々あの方はクリスマスの夜はご自分の家でご家族とお過ごしになるそうですから」


「怖い人だと思っていましたが、良い人だったんですね」


「はい、普段はあのような感じですが、打ち解ければ気さくな方です」


ウチのメイドは集団で洗脳でも受けているのだろうか?悪魔シンリーが女神のように聞こえるぞ。女神と言えば、確かに彼女がもともとそちら側の人間だったことは話の中で書いたか。


シンリー、またの名をスクルド。ネル先生が口を滑らしたのが主な情報の発端だったが、ウチのメイドの中でもちょくちょく失敗する駄目なメイド筆頭のヴェルザンディとは姉妹であることも発覚したのだった。


ヴェルザンディは俺との接点は余り無く、あるとすればティルの方が多いだろう。執事長とヴェルザンディはティルに、シンリーとスキールニルは俺に、と言った感じで代表的な従者が俺達二人にはつけられている。父さんの考えなのか母様の考えなのかは知らないが、ティルは大丈夫なのかと密に思っている。


「それとこの方・・・アスク様を放置して私が戦うような事はまずありえません。それも私利私欲の為に銃を乱射するなど絶対に無い事です。それに・・・・少々アスク様は私の過小評価している様ですので伝えておきますが。私はシンリー様より少し劣るだけであって、異世界転移者という事をお忘れなくお願いします」


「え、スキールニルさん異世界転生者だったんですか!?」


「・・・・以前にお伝えしませんでしたか?」


「してませんよ!へぇ~どんな感じの世界なんですか~?」


「中華がユーラシア大陸の殆どをしめ、ヨーロッパ諸国と米国が同盟を組んで戦争が始まる・・・と言った所でしょうか」


「え・・・・かなり歴史が違ってて怖いですね。日本とかありました?」


「あ、その国は途中で経済的に侵蝕にあい飲み込まれてしまいました」


だ・・・・大日本帝国が・・・弱小国のカトンボに飲まれた・・・・だと・・・・?なんだその最悪のシナリオは。世界終焉よりもっと酷いじゃないか。


「うへぇ~ウチの所とか大丈夫かな、経済的ってのがなんか怖いですね」


「知らない内に侵略戦争というのは始まっていますからね。まあ、私にはもう関係の無い話なので。今はお酒のんで武器やバイクを愛でる生活が最高に楽しいですし」


「異世界の方々がコッチを好きになってくれるのはまあ、そこそこ嬉しいな。はい、次行こうぜ次」


「どうしたんですかアスク様・・・・冷や汗など掻いて。お拭きしますね」


「ああ、いや結構。もう話す事が終わったなら銃口を下げて足湯にでも浸からないか、温かいぞ」


「仕事に支障をきたすので、申し訳ございません」


そういう所は淡泊というか、しっかりしているというか・・・・抜け目のない性格をしている。


「・・・・・そうだな。竜海は他に聞きたい事とかないのか?」


「そうだなぁ・・・あ、アスクさんの研究所というのが気になりましたね。ジャマッパってどこかで聞いたことのある名前だし。研究所ももしかしたら近くに会ったり・・・・」


「それについては話す事は何もない」


「え・・・・あ、はい。分かりました」


コレで薄っすらとスキールニルに研究所の存在がバレた事になるだろう。そしてスキールニルにバレたという事はいつかどんな形かは分からないが父さんの耳にも入る事だろう。そろそろそれも良いと思っていた頃だし問題はないが・・・見つかったからには偵察に来ることだろう。それをどうにかして撃退するべきだろうけど、ジャマッパたちもそんな準備をしてはいないだろうから、一度あちらに出向く必要があるだろうな・・・俺は今何回『~だろう』と憶測でモノを考えたのだろう。



「それと竜海、俺はこの秋から冬にかけてそれなりに色々とやって来たから試しに戦って見ないか?」


「僕が被害者第一号・・・ですか?斜めからパンチを連打するとかそういうヤバいのは勘弁して下さいよ?」


「任せとけ、血まみれになる程度だ」


クリスマスだったので、なにか書きたかったんですが、イブと二十五日は漫画読んでいることが悲しくて、ついつい人が沢山死ぬような内容になった事をまずお詫びすることと、ソレをアスクのせいにして責任逃れをしようとしている作者としてもう一度丁寧にお詫び申し上げます。


(;´Д`) <スミマセン

(  八)

  〉 〉


何とか準備編に持って行くことが出来たので、結果オーライのように思って貰えたら幸いというか、何というか・・・ありがたいです。


クリスマスを引きずっていても仕方無いと思うので、ぼかぁガキ使を楽しみに今年を終えようと思います。


では、よいお年を。

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