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独学の毒薬で異世界無双  作者: ほふるんるん
主人公幼少期編
16/185

毒薬生成の可能性と学校の目標

「余計なことをする・・・」


必要のないものを思い出し、少し不快な気分になる。思い出したくないものを無理矢理掘り起こされた気分だ。これ以上このスキルを使って毒を作るのは余り気乗りしなかったが、それでもしなければ欲求は発散されない。欲求と精神的ストレスの間に挟まれたような、そんな息苦しい気分になる。


結局少し悩んだ結果、ユニークスキルを再び使用し、機能について確認することにする。コイツは俺から生まれた特殊な技能だと神は言うが、技能と言うならその本質をしっかりと本人が理解しているはずだ。しかし俺にはソレがない。ユニークスキルは俺の思ってもみない反応を見せ、本人を驚かす。


コレは完全にスキル=技能という考えを無視したものだ。スキルとは一体なんだ?神がいるならなぜこんな玩具のようなものを人間や他の生物に与えた?全くワケが分からない。


そんなことを考えながら取りあえずは毒薬生成の一つ目の能力である品質の向上については理解出来た。もう一つの能力、毒薬を薬に変える能力についてだが・・・これは毒薬と薬って意味不明だな。普通ここは毒薬から抗体を作り出すとかそういうモノになるんじゃないのかここは。


(毒薬を薬にって・・・どうすんだ?念じてみるか、っあ、できた。出来るのか・・・出来てしまうのか。馬鹿げているな)


全ては神の掌という訳なのか、人間の意思に反応する何かが人間の眼に見えないレベルで機能しているらしい。残ったのはこの手のひんやりとした感覚と・・・この毒だけか。瓶の中身はピンク色でとろみのあるモノになった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■快感のポーション (特異級)

効果:浴びると身体中に快感がはしる。

材料:山芋のむかご :空ウサギの内臓 :アルプの血 or :毒のポーション

説明:品質が上がるごとにからだにはしる快感の強さが増す。

最近の市場で最も売れた商品であり、高品質の物は金貨で取引される事もある。

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すごくどうでもいい物ができてしまった、どうせなら惚れ薬とかになればまだマシだったのに。これじゃあ使うのは当分後になるだろうし、今はこれは毒のポーションに戻しておくか。MPを消費せずに変える事が出来る所を見るとやはり他のスキルとは違うものなんだろう。


しかし一個作ってみると他にも作りたいと思ってしまう衝動は何だ?なにか他に毒薬生成で遊べる道具は・・・あった、案外近くにあった。


「自分の魔力を固形化・・・・よし、出来た。そして次に俺の魔力を毒と思い込む・・・・無理か・・・毒のポーションを一滴かければどうだ・・・・あ、出来た」


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■魔法薬 (特異級)

効果:作った者以外が服用すると内部で二つの魔力が暴走し体の中をズタズタにする。

   作った者が服用すると魔法薬に込めた魔力の分だけ魔力が回復する。

材料:魔力 :毒のポーション (特異級以上)

説明:魔力を固形化し、調合によって作られた物。初めて作られた物であり、これからも説明が増える予定。by鑑定説明編集科


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「か、変わったものが出来たな」


そう思いながら残った魔力を均等に4つに分けて魔法薬を作った所で眠たくなり、子供らしく昼寝を数時間したその夜、邸のメイドに起こされた。


「・・・・どうかしましたか」


「アスク様、お食事のお時間でございます」


「・・・もうそんな時間ですか、ありがとう、今から向かいます」


大きなグレートホールの隣にあるダイニングルームへ足を運ぶとカトレアとクレウスが座っており配膳係として数人の執事が立っている。他の執事やメイドは隣のグレートホールなどで食事を基本的にとってもらっており、ここで配膳をしてくれている彼らも交代制で食事をとる事になる。


三人で食事をしながら弟か妹ならどちらが欲しいや、将来どうするかなど話をしていると学校の話になった。


「そういえばそろそろ言っておこうと思った事があったんだった、アスクにはあと2年後国立フェークライン魔法学校にいってそこで将来の嫁候補を探して来てもらう。俺達で決めても良いんだが・・・・愛する女は自分で決めたいだろ?」


フェ・・・フェ?なんだって?それに嫁の話は聞きたくない。女は遊ぶだけで良いじゃないか。結婚なんてしてもきっと不幸になるだけに違いない。


「お嫁さんですか、それって必要ですか?」


大前提としてこれは聞いておかなければならない気がした、俺に嫁が出来たとする。俺はその人を多分愛する事は出来るのだろう、以前飼っていた数万のネズミ達も数か月もすれば愛着を持つようになっていたぐらいだしな。


しかしそれでその女は果たして幸せと言えるのだろうか、相手の女は俺の爵位を愛するぐらいしかやることはないぞ?何とも可哀想な人生を送りそうで見ていられなくなりそうだ、何とかならないものか。


「俺も余り言いたくはないがお前は公爵家の長男なんだぞ、そこんところちゃんと自覚を持って嫁選びは慎重に選べ、お前の母さんは俺が学校で出会って俺があらゆる手を使って嫁にしたんだ」


なんと、うちのオヤジは実はゴミクソ貴族様であらせられるらしい。ならばうちの子孫は残すべきではないな、隔世遺伝とかあったりしたらそれこそ困るだろ、領地にお住まいの皆さま方が。


「お父さんサイテーですね」


「アスク、お前勘違いしてないか?俺はいろんな物がお題に出されたからそれを全部自分で手に入れてカトレアに手渡してプロポーズしたんだ・・・だから俺はカトレアが悲しむようにしたわけじゃないぞ?」


極道の組長みたいな顔をしておいてその発言は信用にかけるな、強引にやったといった方がまだ説得力がある。


「どんな物がお題だったんですか?」


カトレアの事だ、きっとお餅をついて持ってこいとか可愛げのあるお題だろう。


「一番大変だったのがZランクモンスターの竜種を討伐してそれを持ってくることだったな、アレは一番つらかった・・・」


「だって~たまたま貴方に冗談で言っただけなのに本気にして狩りに行っちゃったんだもの」


冗談を詳細に本気の相手に伝えるなんてうちの母は中々にいいセンスをしている、外見からは想像も出来ないエグイ冗談をかましてくる辺り、苦労したのは極道フェイスのうちの父だったようだ。


「お父さん以外と苦労してますね・・・僕もお嫁さん探しは大変になりそうです。僕は基本的に人と話すことが得意なほうではないので・・・」


「そうか、じゃあまずとりあえず友達づくりから始めてみろ」


「はい、頑張ってみます」


「それと俺は当分邸を開けるが特訓は怠るなよ、もし帰って来てお前がへなちょこになってたら父さん少しお前を鍛え直さなければいけなくなるからな。骨の髄まで」


それから2年間の長い時間の中、この世界の地理などある程度の事は勉強し終わり、毎日の鍛錬も欠かさず、そしてとある湖で知り合った天使から剣を譲り受けたりと様々な事があり、しかし思い出した限りではそれほど大きなイベントなどは俺には訪れず、二年間は過ぎていった。








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