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独学の毒薬で異世界無双  作者: ほふるんるん
獣人国編 
145/185

魔族地域 獣人国編(鬼) 7 デス

「どうしてこうなってしまった・・・」


松明を持ち、町に住む住民たちが捕縛した兵を囲むようにして森の中を行進して来るのが此方から見える。女王の隣から、どちらかと言えば眠るジャマッパに近い場所に座るモクリトスに声をかける。


「モクリトス、これは一体どういう事だ」


「ブラムの王・・・・此方の不手際が招いた結果だ、気にせず休んでいてくれ」


遠目から見てもモクリトスの表情が焦りを持っている事が分かる。確かに逆徒が国民に守られて来ればそういう顔をするのも分からないでもない。それに村人達の持っているものも松明だけでなく、先が鉄で出来ているようなものを所持する村人もいるようだ。


「いざとなれば自分も・・・か。勇ましい限りだ、どれほど国で兵士が愛されているか分かる」


此方に向かって来る獣人の列は長く、先頭が野営地に到着したにも関わらず最後尾の松明は遠く離れた場所にある。モクリトスは列の先頭に立っている杖をついた年老いた獣人と何やら話しているようだ、隣にはおばあさんとはいかないが、もう少しでおばあさんという区別を受けるであろうおばさん。目つきがどこかしらモクリトスに似ている。


「モッさん、この子達を許してやってはくれぬか。この子達は元はと言えばアンタの所で共に生活をしていた兵士だろう」


「爺さん、俺だって元々仲間だった奴を斬りたくはない。だがアイツらはやってはいけない事をした。揃いも揃ってジャマッパの言葉に誘惑され、挙句の果てに王女に牙を向けた。その意味を分からない分けでは無いだろう?」


「モクリトスや、あんたはいつのまに獣人の魂を忘れてしまったんだい。あたしゃ悲しいよ」


「母さん、コレは単なる喧嘩とかではない事を分かってくれ。ジャマッパが皆に食事を振る舞ったり子供達と一緒に遊んでいた事も覚えている、良い奴だった。だがアイツはやってしまったんだ、国家転覆なんて事を計画するような奴を騎士団総長として俺は見逃す事は出来ない」


「せ、せめてじゃモッさん。牢屋の中で反省させるというのはどうじゃろうか、ずっとでもええんじゃ。後ろにいる兵士の中には儂の娘もおる、このまま殺されるために引き渡すなど・・・・儂にはどうしても出来んのじゃ・・・・・」


「爺さんの娘、確か第三歩兵部隊のアンマ・ソマリだったな。覚えている、茶色の綺麗な毛並みをした・・・・・・昨日で十八だったかな?」


「ああそうじゃ、それに子爵の優しい青年との結婚も決まっておる。あの子はもう少しした後兵を止め家庭の中に身をおちつかせるつもりだったんじゃ・・・・・・・・せめて・・・・せめて結婚式だけでも・・・・後生じゃあ・・・・・・あぁあああ」


「私では無理だ、それに彼女はソレを含めてこのクーデターに参加した。そのくらいの覚悟は持っているはずだ。結婚についてもそれぐらいとしか考えていなかったに過ぎない」


遠くから聞いているが、随分と勝手な事を言う老人だ。モクリトスも辛そうに話を聞いている、裏切りというのはされてみないと分からないだろうが相当辛いのだろう。こういった感性は獣人と吸血鬼と違う種族と言えど同じだと思いたい。


話合いをした内に老人が杖からスラリと剣を抜いて、モクリトスの腹を貫いた。他の獣人達はその光景を固まったように凝視し、動きが止まる。モクリトスが剣を避けず、貫いた老人本人も驚いた様に見上げる形でモクリトスの顔を見る。


「なぁ・・・・・爺さん。それでアンタの悲しみが収まるのか・・・・っぐ・・・・、はぁはぁ・・・・それで良いなら何度でも良いぜ、うけてやらぁ・・・・!」


「モッさん・・・・!アンタわざと・・・・・・ごめんよぉ・・・・ごめんよぉ・・・・」


「かあさん、今ならまだ反逆者として見られない。普通の生活に戻ってくれって皆に言ってくれないか・・・・・・・・」


何故あのような剣であのモクリトスの体が貫けたのかは置いておくとして、剣と鎧の間から血が溢れんばかりに漏れ出ている。刺し所の悪かった証拠だ。痛みで気絶しないのは流石と言うべきか、刺さったまま周りへの配慮を怠らないモクリトスの背中には確かにこの国を守る覚悟が見えた。


「あんた・・・・何やってんだい、避けりゃよかったのに真正面から剣に刺されるなんてどうかしてるよ。あんたがそんな事するもんだから母さん達なんもアンタに言えないじゃないか」


モクリトスが体を張り村人たちの戦意は殆ど喪失したかのように思えた。武装を解除し、森の中でうなだれるものや別れを悲しみどうしようもない事への叫びをあげる者もいた。その声をモクリトスは全て聞いているのか、動かずただ剣を抜いた部分に指輪を当てたまま大木のように立ち続けた。


そんな諦めかけた人達に悪魔の囁きが投げかけられた。


「皆さん、あそこで泣いている王女さえ殺してしまえば皆幸せに暮らせるんですよ、皆、幸せにね」


「ジャマッパが目覚めました!!!」


「ック・・・・・余計な手間をかけさせる」


壁に守られながら、ジャマッパは村人達の元へと歩みを進める。それをどの兵士も邪魔する事は出来ない、モクリトスもイザヴァルとの約束のためジャマッパの行動を妨げる事が出来ない。そして膝をつき涙を流す獣人達を前にして、モクリトスは顔を上げ声を聞くよう言った。


「諦めては駄目だ皆!諦めたら全て終わってしまう。諦めない事が大切なんだよ、負けたらダメだ。間違っている事を間違っていると言えるのが私達だという事を王女に分からせてやらなければならないだ。


皆も協力してくれるだろ?誰だって幸せな方が良いんだ、これ以上仲間達が死ぬのなんてゴメンだという事を王女に分からせないとだめだ。


今私を囲って殺そうとしていた諸君にも問おう、本当にこのまま皆幸せになれるのか?ルールは誰のためにあるんだ、私達国民のためじゃないのか?王が自身を守り、兵を殺していいなんて恐ろしいものじゃないはずだ!それも仲間同士でこんな・・・・・・悲しすぎるじゃないか!」


獣人族の中には再び武器を持ち、戦う目をする者達が現れ始める。兵士達もジャマッパの涙の言葉に動揺を覚えている。流石ここまで計画を練りあげて来た男だ、役も気合いの入り用が違う。


「私は国民の・・・・・国民の代表として宣言する!!王女を国外追放とし!!・・・・・・国民の生命を守る事を!!!」


「そ、そうじゃ・・・・間違っておるんじゃ、こんな、こんなことは!」


先ほどまで娘と涙を流していた爺さんもここにきて血のついた杖を手に持ち、震える手で娘と二人で剣を構えた。モクリトスの母親らしき人物も


「アンタもおいで、また普通の日常に皆で戻ろう。皆でねこまんま食べて、そんでお喋りして、マタタビの臭いが強いあの酒でも飲んで暮らそう」


「母さん・・・・・それは出来ない。俺は例え国の全てが彼女の敵になったとしても彼女を守るとあの時、あの場所で決めている」


「・・・・・わがままな所はアンタの父さんにそっくりだよ・・・・・・モクリトス、王女を連れて今すぐ国を出て行きな。・・・・・大変だろうが、達者でやんなよ」


ジャマッパはたったアレだけの言葉で集まった一万人を越える獣人族と三千人の捕虜を味方につけた。これで形成は逆転、一気に此方が不利な状況となった。王女もジャマッパが起きてから涙が止まり、怒りで目が充血しているが、フシュ―と怒りを抑え込みどうするべきか考えている。


国民を皆殺しにするか、それとも一時的に追放され軍を引き連れまた帰って来るか、二つに一つだ。中途半端にすると、どちらの得にもならない。ただ、どちらかを選択したとして王女が得をするかと言うと、そうでもない。


前者は七割の兵士を失い、更に残り三割の兵士を失うのは痛手と言うよりも、最悪滅亡の道を走る事になる、そうそう、一万人の獣人族もオマケで死ぬ事になる。その影響で国の内部に不安が募り、第二の革命の芽が芽生える。ジャマッパだけではない、この国にも公爵や侯爵は存在する。遅かれ早かれジャマッパのような存在は出てくるのだ、結果は現状維持。


後者だと、女王一人が不安を抱えたままあの綺麗ごとばかりを並べるジャマッパに背を向けて逃げる事を意味する。今の自分にはあの大衆を納得させるだけの実績も言葉も足らない事を理解した上で、逃げるという決断をするか。生活面は全て俺がどうにかするとしても、彼女の自由は限られる。


彼女の歩けない足を見れば、ソレは一目瞭然だ。一人では王女という立場にいなければ彼女は生きていく事は出来ない。歩かず出来る仕事が果たしてこの社会にどれだけ存在するだろうか。俺の知る中でも限りなくゼロに近い数字になる。先進国の王がゼロに近いと考えた数字だ、こんな国に一つもあるものか。


「・・・・・・皆殺し」


「シュシュ・・・・」


「やっちゃおうぜ、モクリトス君!ここにいる皆まとめて殺しちゃえ!!」


「残念だが、私はイザヴァルとの約束によってジャマッパの邪魔は出来ない」


「なんだよこんな時にさ!ホント空気読めない!・・・・もう誰でも良いから変わりにやってくれる人はいないの~?」


その呆れるような声に引きつけられるように、巨大な物体が月の光に照らされながら飛んでやって来る。その巨大な翼は今までにみたどのものよりも神々しく、その巨大なアギトは全生物の天敵の象徴を現す。


劣化竜ワイバーンの上位種、竜だ。それも竜の中でも国と国の国境線にまたがった山に棲むはずの紅の竜王・・・・・どうしてこんな別の大陸のこんな所へ・・・。まさか彼女が呼んだとでも言うのか・・・。あり得ない、そんな事なら初めから呼ぶはずだ。なら一体どうして?


「ご機嫌ようキットシーアの女王様、呼ばれてやって来ましたよ」


「誰だい君、僕は君のような人は知らないけど」


紫色のローブをすっぽりとかぶり、顔は黒く塗りつぶされたように見えない。身長は一メートルと七十センチほど、撫で肩で女性のようにも思える。僅かに塗りつぶされた黒からはみ出ている髪の色は銀髪、エルフか魔族のようにきれいな髪をしている。身分と実力は高いと言っても良いだろう。


「ワタシは・・・・・・・・デス、デスだ」


「デス君?私は別に君の事を呼んだ覚えはないよ」


「今いっただろ、誰か変わりにやってーと。・・・・その望みを叶えに来てやったのだ。対価は相応のものを貰うがな」


竜は依然としてそのデスとかいう正体不明のソレの後ろで座り、ジロジロと周りを見渡している。かなり警戒している所からして、どうやら魔法によるものではないらしい。魔法を使用され、使役させられているのならば例え何があろうとも命令があるまでその魔物は動けないからだ。


「良いよ、私にあげられるものがこれ以上あるとは思えないけどね」


「対価は貴様の労働だ、私の命令通りこれから貴様が成人するまでの間命令を通りの操り人形となってもらう」



「あははははそりゃあ死よりも辛い対価だね、まあそれくらいなら良いよ。所で皆殺し以外にも君出来たりするの?」


「記憶の操作から記憶を消す事も用意だ・・・・アイタッ・・・・いや、可能だがそれ相応の対価が必要となる」


紫のローブが後ろから何かに叩かれたような気がしたがそこには何もない、ただ暗い森が続くだけだ。不気味な男だ・・・・彼女にはこんな奴と話して欲しくないがコレは彼女の問題・・・俺が口を出してはならんのだ、我慢しろ・・・・俺。


「じゃあさ、兵士以外は全て殺してくれる?兵士は記憶を操作して今日あった事とか私に不都合な情報は全て消滅させて。出来るよね?」


「可能だ」


「じゃ、お願い」


「契約は成立した・・・・・・・・・・では、まず非国民となった獣人に死を降らせるとしよう」


デスはそういうと、手から何やら瓶を取り出した。左手で魔法を詠唱しつつ、右手に持ったポーションを握り潰した。そしてドクドクと手から溢れ出るポーションを黒い顔に塗りたくり、奇声を上げ笑うのだ。


ゾッとする何かがこみあげるのを感じた、自ら回復手段を必要としないという事を見せつけながらデスはひたすらに笑っている。


「兵士諸君、よくきけ。国民を守るのは我らの使命だ、捕獲しろ、殺しても構わん。行け!」


『うぉおお!!!』


熟練の兵士達が剣でデスに斬りかかるも、デスのローブは貫通せず兵士の剣が何か硬いものにあたったかのように金属音を上げて折れる。


「そうだ、もっとあがけ、もっと踊れ、狂え、私を楽しませろぉ・・・・。貴様達が向かう先はまさしく希望の道だ、頑張れ、もう少しだ。そんな言葉でお前達を励まそう。何の根拠もありはしないのだがなぁ・・・・・」


「なんだと!?」


最後の方は聞き取れなかったが、先ほどのセリフ中々カッコ良い。上を見ろとデスは指を空へ向けた。暗い空にランタンの光に何かが当たり光っている。


「アレは・・・・・何だ?」


いつの間にか、獣人達を取り囲むようにして土の壁が出現し、その壁から出ようと壁を叩いている音が聞こえる。しかし、光がその壁の中へと入っていくにつれてソレは静けさを取り戻していく。


「それではご覧頂こう、作品名、逆徒ぎゃくと悲壮ひそう


魔法が解かれ、盛り上がった土の壁が獣人達で出来た長蛇の列から消え去ると、そこには既に動く獣人の姿は無く、全身をダイアモンドへと変わり果てた獣人達の姿があった。


老若男女等しく、後頭部から足のつま先まで透き通るほどそれは透き通ったダイアモンドになり、獣人の形をした宝石が服を着ているような錯覚をしてしまうほどだ。


特に兵士達にはこの光景が恐怖ではなく別のものに見えていただろう。それは安心だ、自分達はこうはならなかったという安心。そこからくる歓喜が彼らの攻撃を止めさせる。



「大変よく頑張った彼らだったが、この国の資源となるようダイアモンドへと変化させていただいた。私の持つ解毒薬を飲めば後遺症はあるが治す事は可能だ、そうだ次いでにこの薬は女王が持つとしよう、そうだそれがいい。これで女王も見極めがつくというものだ、初めから無価値な国民など資源にかえてしまえばいいのだよ、是非合理的に検討してほしい。私はその事についてはノータッチだ」


「ありがとう、デス。後は兵士達の記憶も書き換えて頂戴、内容は・・・・ゴニョゴニョ」


紫のローブに恐らく耳があるであろう場所に口をつけ、シュシュはデスという男に耳打ちをする。すると、デスは頷いたと同時に俺とアスクにしか使えないはずの亜空間を大きく広げた。それも俺が広げられないような巨大な門のような穴。


そこに、魔法を使い次々と兵士を捕らえては穴の中に入れていく。途中モクリトスにも同じように魔法が書けようとしたデスは、ピタリとその動きを止め、誰かの声を聞くように頷くと別の兵士を魔法で捕まえていった。デスが何者かは分からないが、モクリトスは注意すべき相手という事を知っているらしい。


全ての兵士を穴の中へと投げると、デスは残ったモクリトス、女王、ジャマッパ、俺の順に箱を前に出現させる。見た目はプレゼントボックスのようだが、これも魔道具だ。確かメッセージを封じ込める事ができ、大きな国と大きな国の間ではあのプレゼントボックスが戦争時活躍するのだとか。


「まずモクリトス、アルーナという女性からだ」


「なに?」


デスは懐から箱を開封するとモクモクと雲が平らな板になり、そこに女性の顔がうつる。


「明日カチューシャの誕生日ですわ!パーティーメンバー全員出席ですので、早めに来るように。現在ヴィーグリーズに集まっているのはマモンとレジーム、まあこの二人は時間をキッチリ守る方々なので?心配ないのですけど。後の八人はどうも心配ですわ。ウィンディーネもカインのおチビを連れてきます、シンリーとジャバも仕事が忙しくなければ来ますと鷹を送って来ましたので絶対来ますわ。後はウルズとヴェルザンディですが・・・・まあ、ウルズの方は問題ないでしょう。あのお方は貴重面ですし、ヴェルちゃんは・・・・ちょっとおっちょこちょいですが私の大の仲良しの彼女の事です必ず来ます。後は最古参の彼方と行方不明、名前を言わなくても分かると思いますが、その方ですわ。とにかーーく!早く帰って来るのですわ!以上!・・・・・・・・アレ、この魔道具のスイッチってどこかしら・・・・あ、あったあった」


「以上だ」


「長い!」


「ああそうだな、では次ジャマッパ。お前はイザヴァルという人からだ」


「イザヴァル様から!?まだ覚えていてくれたのですね・・・・」


デスは別の箱を取り出すと、ソレを開封した。


「ジャマッパ青年、になっているであろうジャマッパ少年。久しぶりだな」


「はい!おぉ・・・・声だけどはいえこの懐かしい響き・・・まさしくイザヴァル様だ」


「分け合って今私の体は冷凍保存されている。そのため君を迎えに行くことが出来ない。私の計算では今君は不幸の連続で救いようの無い程にボコボコにされ、心身ともに疲労困憊だろう。そして君の計画は恐らく上手くいかなかっただろう、ソレは計算せずとも分かる。悪い事というのはどこかで失敗するように出来ている。君はそこから学び、女王の補佐として付け。女王からどのような事をされても我慢して尽くせ。それが今の君に与えられる助言の一つだ」


「は・・・・・っははぁああああああ」


煙から出る音声に頭を擦りつけ、崇めるジャマッパ。見た事は無いが、そのイザヴァルとかいうオッサンは凄いのだろう。大陸の名前になり、反逆者がこうしてひれ伏すほどの人物なのだから。


「次に女王、先ほどと同じくアルーナと言う女性からだ」


箱の中から同じく煙が板上になって召喚され、顔が映し出される。


「これ、切り替えできてますの?お、おーいシュシュちゃん?みえますのー?」


「見えてますよお姉さま」


先ほどの怒りに血走った目はどこへやら、ニコニコとその声を聞いている。


「えーおっほん。シュシュに命じます、あんまりジャマッパを虐めてはいけません。あの子は一応イザのお気に入り、死んでしまったらイザも少し悲しむかもしれません。ですので虐めるならそこにいるであろうモクリトスにしなさい。


あれだけ言っても誰とも付き合わず、「俺は一人が気楽なんだ」なんて逃げてばかりの人です、きっと恐ろしい性癖を隠し持っているのでしょう。


私の考えの一つとしては奴はロリコンと言われるモノかも知れません、昔から子供の面倒見の良い人でしたから、そうなってもおかしくはありません。


つまり彼はロリコンです。今の貴女の歳は彼にとって狙い目なのでしょう。正直言って気持ち悪いですね、そう思った時、ジャマッパの事も一緒にしてモクリトスを虐めなさい。きっと彼もほんも・・・・」


そこまでアルーナという女性が言った所で、モクリトスが今までの戦いで一度も抜かなかった夜にはとても目立つ二刀一対の刀で煙を切り裂いていた。


「んなワケあるかあああーーーーーーーー!!!!!」


そうモクリトスが叫ぶと、また先ほどのように冷静な彼に戻った。


「済まなかったな王よ、どうもあの話には貴女の人格形成に大きく変化をきたす内容が含まれていたため早急に対処させて貰った」


「モクリトスぅううう!!!!もーもーもー!!!斬らなくっても良いじゃない!」


腕や足をばたつかせ怒りを表現する。


「最後にティ・・・・ブラムの王よ。最後は貴方あてだ」


最後の箱をデスが開けると、同じく煙が板になり箱の底から出る光が煙に映る。


「右手痛いんで先に帰りやす、隣国なんで歩いて帰って来てくだせぇ。シロヘラより」


「何勝手に帰ってんだアイツは!?俺は王様だぞ!?」


「あ、あと言い残した事が最後に一つ」


真剣そのものと言った表情で、シロヘラが何かを言おうとしている。言いにくい言葉なのか、とても言いたくても言えないような表情だ。


「なんだ?もしかして労いの言葉でも俺にくれるのか?」


「部下と馬車は持ち帰りました」


「一辺死んで来い!!!」


デスって誰だろうなー(白目)

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