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独学の毒薬で異世界無双  作者: ほふるんるん
獣人国編 
137/185

魔族地域 獣人国編(猫) 地下坑道 後

アスクのキャラが・・・・もう分けわかんねえよ(ノД`)・゜・。

「怖いですね~~~アレ何所の国に落とす気でしょうか?」


竜海が冷や汗をかきながら余裕そうな口調で俺に聞いてくる。勿論そんな事分かっている、俺も竜海もだ。ティアが来るというこの時期にコレだけ山のように量産されたパイルスキルブレイカー、どこにどんな目的で落とすかというのは検討が付く。


「不死身スキルの消滅を目的とした戦略兵器か・・・平和交渉とか持ち出すにしてもこの世界には十分に脅威だな」


「剣と魔法の世界でスキル潰しとかマジ燃える展開すぐる・・・・アスクさん、ここでキッチリ止めて僕達それぞれのハーレムを築こうじゃありませんか!」


「竜王以外いらねえよ・・・・・そんな事より先にコレをどうするか考えるぞ」


「そんなのワープでとりあえずアスクさんの部屋にでも持って行けば良いじゃないですか。せっかくチート魔法があるのに使わないのは余りに勿体ないですよー」


と、非常に挑発してくるのでこの案は却下だ。なんかコイツの出した案は却下したい。幼稚だと人は俺の事を言うかも知れない。だが嫌な事は嫌だとハッキリいえる事は大事な事なのだ、つまり俺はコイツの意見を却下して別の案を考える。


となると後考えられるのは亜空間に入れて持ち出す―――ワープの方が効率的だ、却下だな。・・・全部施設ごと地下坑道を吹き飛ばすというのはどうだろうか―――俺が損害を出してどうする。


「何かいい方法は無いものか・・・」


「だからワープをすれば良いじゃないですか・・・まさかアスクさん、アレを何かに使うつもりですか!?」


別に何にも使うつもりは・・・・ん?そうだ、確かにアレは地下坑道で後々の運用方法が決まっているから危険だという判断になった。しかしこれが別のモノになればアレらが使われる事は無い・・・そうか!


「竜海、実験の時間だ。実験に必要な材料はパイルスキルドライバー。触媒はそこら中で汗水一つかかず働いている魔導人形と警備担当の魔導人形とする」


「あんた切り替えはえぇよ・・・ていうか何作るつもりですか」


「悪趣味な人形だ、学校の教科書に載ってたゴーレムの応用・・・とでも言っておこうか」


「学校の教科書を誰もあんたみたいな使い方するなんて考えてないって・・・いやマジで。」


まずは材料を集める為に、そこら中にある魔導人形を停止させ、警備担当の人形も竜海に頼んで全て回収してきてもらう。


「魔導人形の材料は鉄・・・か。鉄はあんまり好きじゃないんだよなぁ・・・・・・」


「どうしてですか?」


「どうしてってそりゃ・・・ん?どうして俺は鉄が好きじゃないんだ?」


「いや僕が聞いてるんですが。・・・しっかりしてくださいよ、ボケるにはまだ早いでしょ?」


「すまん、前世の記憶が・・・余り思い出せなくてな」


「前世の記憶が・・・?」


産まれてきたころの記憶はあっても前世の記憶だけがやたら霧がかかったように思い出せない。薬の資料やそれに関する事はやたらと覚えている。


「まあ、薬の事は覚えている。ソレだけあれば今は別に問題なく生活は出来るし、なにより目標を忘れないで済む」


「目標?」


「ああ、理由とか動機は忘れたが・・・人類の滅亡だ」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

~メロエ&竜王 現在竜王の背中にメロエが乗り、空中から地上の汚染源の観測中~




私は今とても困っていた。竜王ちゃんと一緒に空を飛んでいるのはとても気持ち良いのだけれど・・・なんていうのかしら、何から話したらいいか分からない。竜王ちゃんとは前に少しお話したけど、普通のお話をする前に大事な話をちゃんとしておかないといけないと思った。


「ねぇ、竜王ちゃん。今でもやっぱりアスクの事嫌いなの・・・?」


「嫌いじゃ、奴は妾を凌辱した。妾の誇りは奴によって粉砕されたのじゃ・・・それが許せるとでも?例えそなたの思い人であろうと妾は奴を殺すぞ?」


「アスクが貴方の事を好きであっても?」


「知ったことではない、・・・それに奴は妾が好きなのではない」


「ど、どういう事!?」


「きろうておるのだ、人間を。そして偶然妾が竜の身で奴と出会い、そして人間のように話す妾に好感を持った。それに奴さえも気がついておらぬ」


竜王ちゃんの話は私にはよくわからなかった。何でアスクが私達を嫌うのかも分からなかったし、何で竜王ちゃんがそんな事を言うのかも分かんなかった。でもちゃんと確認したかった。例え竜王ちゃんがそれを知らないとしても聞かずにはいられなかった。


「何でアスクが人間嫌いって思ったの・・・?私なんてずっといてもそんな事全く思わなったよ?」


「奴の友人で一番仲のいい奴は人ではなかろう?」


その問いに私は何も返す事が出来なかった・・・。だってそんなの偶然だって思いたいじゃない。ティアと仲が良いのが人間嫌いの理由になるなんて決めつけるのは余りにも解決を急ぎ過ぎよ・・・そんなの偶然・・・全部偶然なのよ・・・じゃないと・・・・悲しいじゃないの・・・・。


「何も人間の性質というのは生まれて初めからそうなっているわけではない。奴に何かあったことは確かじゃろう・・・、同類を嫌うほどのなにかがの」


「そんな!アスクは少し変わってるけどソレを誰も悪く言ったりなんてしないわ!だって・・・・それがアスクの魅力なんだから!」


「そうか・・・メロエにはそう見えておるのじゃな。奴が」


「竜王ちゃんにはアスクはどう映っているの?」


竜王ちゃんは暫く何も言わなかった。多分私には言いにくい事なんだと思う。でも竜王ちゃんは牙と牙の間からぽつりと一人事のように、呟くように言った。


「・・・・・・・・・・・何度も何度も自分を痛めつける自虐趣味のある大人じゃな」


「・・・・大人?」


「奴を見ておると、憤りを感じると共に何とも哀れに思えて仕方ない。誰も奴を救ってはくれぬだろうし、救う対象としても見る事もなかろう。今のメロエ、そなたのようにな」


「・・・・よくわからないわ。でも・・・アスクには助けが必要という事は分かった。それには竜王ちゃんの力も必要って事も。だからお願い、アスクを助けてあげて」


「いーやーじゃ。初めから言っておろう、妾はあやつの事がだーいだーいだーい嫌いじゃなからな!」


「ちゃんと聞いてよ・・・アスクの事、私より貴女の方が分かってるんでしょ・・・?」


「何を言うか馬鹿者。竜である妾がソナタに劣る分けが無かろうが、ソナタはソナタの事をすればよい・・・・・・・・・・・支えて・・・」


最後の大事な言葉を私は竜王ちゃんから聞き逃していた、地上から爆音が聞こえて竜王ちゃんの言葉を遮ったせいで。でも何を言われたのかはちゃんと私は分かったつもりだ。


「竜海と奴はどうやら大本を叩いた様じゃな。妾達は自然に被害が出ぬよう汚染を防ぐのじゃ」


「え・・・?!あ、うん!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

~アスク&竜海 施設をゴーレムによって破壊後~


「アスクさん、やっぱりさっきの話しの続きを聞かせて下さい、何で人類滅亡なんて中二病全開なセリフを、それまた軽く言っちゃうんですか。途中でやめたらやっぱり気になるでしょ!?」


「なんだ、別にたいした話しでもないだろ?それに真面目な空気を作るお前を俺は苦手をしている。だから止めろ」


大した話だ馬鹿野郎と口からこぼれそうになった言葉を喉奥へと押し込み、アスクさんからの話しを一言一句聞き逃さないように集中した。


アスクさんは僕が何か言えばそれに乗じて話を流す人だ、普段はそれでも良いと思ってるけど人類滅亡が目標とかこの人が言うと洒落にならんのでちゃんと聞く必要があると思った。


「聞いておきたいんです」


「う・・・・・・・聞いてどうする気だ」


「内容によっちゃあ、僕は僕と僕のハーレムを守ります。そして世界を守った英雄としての名誉もいただきます」


「内容が不純で安心した。やっぱりお前は竜海以外の何者でも無いみたいだな」


内容が不純だったら、何で僕なんですかね。そこんとこちょぉーと詳しく聞きたい所だけど、今はアスクさんに話せる内容は全て話してほしい。それが僕の為以上に多分アスクさんとかメロエちゃんとかの為だろうし。ま、僕も成人したんだし、これくらい大人っぽい事してもいいよね。


「あたり前だぜ、キラッ」


「セルフSE乙だな、このオタドラが。さっきも言ったように理由は思い出せない、なぜか知らないがとりあえず準備だけはしておかなければいけない事は覚えている、やめようとしてもいつの間にかその作り方を考えたりレポートに纏めている。何より俺はソレをやっていて何故か知らないがワクワクしているのだから仕方のない奴だ」


「なら記憶を取り戻すべきです。誰にでもわかる事だ」


「そんな不可能みたいな事考えた所で・・・」


「あんたのやってる事よりよっぽど有意義だよ!」


突っ込まずにはいられなかった。例え生意気だと言われてハンドクローをされたとしても、例えそのハンドクローが手加減無しで頭から変な声が聞こえほど朦朧とする力加減であったとしても、僕は突っ込んだ。でなければ誰がこの人にツッコミを入れてやれるだろうと思ったからだ。


予想通り、僕は今アスクさんに頭をつかまれようとした。しかしその手は顔面ではなく肩に鉛のように重く乗った。


「落とし物を探すのは余り好きじゃないが――――――――――後輩面する煩いのが言うんだから仕方ない。少しそちらの方にも時間を割くとする。悪かったな、手間を取らせた」


何を今さらこの人は・・・。


「何ちょーし乗ってカッコつけてんだ、そんな大人修正してやる!」


殴りかかると、クロスカウンターでパンチをもろ顔面に喰らい、地面に倒れる僕。


「これが若さか」


そんなネタを口にした後、にやつくアスクさんは、どことなく嬉しそうだった。


「アスクぅーーーーーーーーーーーー!!!!!」


遠くでメロエちゃんの声がする、地下を突き破って光が差しこむ先から見えメロエちゃんの顔が見える。何か変わった気がするのは多分竜王さんといたからだと思う。


ついでにコチラの様子は、アスクさんの作ったゴーレムは今は崩れ、研究所と一緒に瓦礫の山のようになっている。これなら彼らはスキルパイルブレイカーがどこに行ったかは分からないだろう。危険の種は摘み取られた。


アスクさんがワープで持ち込むのを止めたのは、もしかして危険の種は誰の手からも離れた方が良いという考えからなのかも知れない。それは考えすぎかも知れないけど、結果としては僕達は危険の種をこの国から消した事になる。関係者以外誰もこの地下で起こったことを知る事は無いだろう。


決して外には漏れる事の無い英雄譚・・・マジかっこよすぎだろ。


そして僕達は満足感と共にアスクさんを先頭にして、売り子のかわいこちゃんの所まで帰ったのだった。

なんか竜海がカッコイイという・・。

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