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独学の毒薬で異世界無双  作者: ほふるんるん
主人公幼少期編
13/185

料理王とメロエ登場

やっとメインヒロインだせた・・・

客間につくと、がたいの良い男といかにも元気が有り余ってますという女の子が座っていた。


「ほう、坊主がクレウスの所のか、沢山の神から注目を浴びている様だな?」


「彼方も鑑定が使えるんですか?」


「あ~俺のは生まれ持った魔眼って奴だ、だから鑑定ほど便利じゃねえよ」


「父さんどういうこと?」


「スキルと違って魔眼はエキストラスキルで常時発動なんだ、全員のステータスが常に見えている状態って事だ。おかげでコイツ小さい頃はよく虐められててなぁ・・・」


「おまっ、余計なこと言ってんじゃねえよ。というか俺から借りてた二千万ジェルを返した後で言って貰おうか」


「みみっちいこと言うなよ。んな金、俺が一日働きゃ返せる額なんだからよ」


「じゃあ返せよ」


「後でな」


「ッチ、話になんねえな」


強い能力にはそれなりの代償があるということだろう。普段は眼帯で隠しているか、机の上にオシャレなのが置いてある。


「あの、その後ろの子は?」


そういえばさっきからおじさんの後ろでこちらを見ている子供はおじさんの子供か?・・・・それにしてもどこかで見た事のある顔だな。


「あ!、そうだった、うちの娘のメロエだ。メロエ挨拶しなさい」


「こんにちは!!!ママがいつもお世話になっています!!!」


「元気ですね」


赤と茶色の綺麗に混ざった髪から、綺麗な三白眼が覗いている。この子はこの邸にいる誰かの娘か。・・・というかその眼、誰かの眼にソックリだな、・・・だれだったか。


「いや、坊主が落ち着きすぎなんだと思うぜ・・・」


「やっぱりうちの息子は天才だ!」


いきなり嬉しそうな声で頭を撫でてくるな、この親馬鹿やろう。馬鹿は頭を打てば治るかもしれないが、この馬鹿には打つ程度では足りないだろうな。せめて撃つぐらいはしないと無理そうだ。


「父さんは少し黙っていてください」


「悪かったよ。話したい事があるなら話しなさい」

(うちの息子はしっかりしていてパパとっても嬉しいぞ!!!!!!!!)


「所でおじさん今日はどのようなご用件で?」


クレウスはもう無視しよう。腹が立って来た。


「そうだった、クレウスに相談しに来たんだったぜ。メロエ、アスクと遊んで待っててくれ」


「なんだ、シンリーに合いに来たんじゃないのか?」


「それはついでだ、今回の案件は非常に大事な問題だ。確実に歴史に残るような、な」


かなり緊張した空気になってきた、こういう場合子供と言うのは隙をみて部屋から退出するのがやさしさってやつだろう。


「メロエ、訓練場で遊びましょう」


「うん!」


そういって俺はメロエを連れて外に遊びに行くのは少し気が引けたのでいつもクレウスの特訓をしている訓練室にやってきた。俺の外と言えばここだ。草の一つも生えないサラサラの砂の上に魔導具と言われるもので光源の確保された空間、何体か並ぶ人形達があえて言うなら友人か。何とも悲しい奴だな俺は。


「そういえばアスクはいつも何してるの?」


「僕ですか?勉強とか訓練とか本読んだりとかですかね」


それぐらいしかやることもない。外に出ようにも護衛やらがついてきて鬱陶しいし、抜け出したらシンリーが煩い。ん?・・・シンリー?


「私とは色々と違うんだね」


「メロエはいつも何しているんですか?」


「私?私はね~近所の友達と遊んだりお父さんとお料理して食べたりかなぁ」


「お父さんの料理ですか、良いですね」


こっちのせかいでは料理は男がしても別に可笑しくないのか。前世では男が料理を作る事じたいがおかしいみたいな風潮があったから俺は嫌だったんだが、この世界はそういった価値観がなくて良いな。


「え~でも私はお母さんが近くにいるアスクの方が羨ましいよ」


「お母さんがいなくて寂しいですか?」


「時々帰ってきて遊んでくれるから私は全然平気なんだよ!」


この歳で気遣いなんてしないで良いだろうに。彼女には彼女なりの苦労があったのかも知れないな。


「そうですか、メロエは偉いですね」


「私は偉い?」


「ええ、偉いですよ。メロエ」


こんな小さな子どもをおいて働きに来るなんてよっぽど大変なのだろう。歳も近いし、後々この子は必要になるかも知れない。今はこの子を大事にして、この子の環境も良いものにしておいた方が、俺のためになるかも知れない。


「メロエのお母さんはどんな人ですか?」


「ん?シンリーお母さんの事?」


ハンマーで後ろから殴られたような衝撃が頭に走った。誰かに似ているような顔をしたメロエ、こちらに働きに来ている使用人、そしてクレウスが出るほど大切な客人の正体。


「お母さんの名前が・・・・シンリー?」


「うん、そうだよ」


お、おおお、お前・・・シンリーの娘か。ということは今俺は彼女の大切にしているものを近くに置いてあるということであり、彼女の逆鱗に近い部分に触れているということだな。


「どうしたの?アスクくん」


とてもあのシンリーの娘とは思えない程純粋無垢な可愛い普通の少女だな・・・。


「ん?どうもしてませんよ」


「でも凄い汗だよ、お熱?」


「心配しなくても大丈夫ですよ、それよりも何をしましょうか。僕はあまり遊びに詳しくないんですが・・・魔法を作って遊びますか?」


「えーなんかつまんなさそー、魔法って火が出る奴でしょ?」


「それだけじゃありません、魔法はなんでも出来ます」


ネルからの受け売りなのは言うまでもない。


「えーじゃあパン出せる?」


「それは少し難しいでしょうね、材料を用意してそれを魔法によって作る事なら可能かもしれませんが。食べるものを作るという発想は良い発想だと思います、メロエは凄いですね」


「えへへ。でも魔法ってすごいんだね、お父さんはいつも火しか使わないからそんな事考えなかったよー」


お、俺はちゃんとこの子と会話が出来ているのか?心配になってくる。変に敬語になっているし、やっぱり同年代で立場のハッキリしない人間との会話には骨が折れそうだ。コミュ症と以前の世界ではそういう名前がついていたな。なんとか克服しなければ。彼女はその第一歩と思おう。


「メロエは魔法が使えますか?」


「ううん。お父さんがね、まだ私には早いって言うの。学校に入ったら教えてもらえるから我慢しろって」


「そうですか、じゃあ魔力を自由に扱えるように練習をしましょうか」


「うん、じゃあそれでいいや!」


ごめんなメロエ。俺には君のやりたいことを知らないし、聞いてあげることも出来なかった。自己主張ばかりで俺にまで気を遣わせたんじゃないか?次からは聞いてやれるようにしてあげたいな。




実は主人公初の同い年のキャラとなっています。

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