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独学の毒薬で異世界無双  作者: ほふるんるん
獣人国編 
121/185

魔族地域 獣人国編(猫)その8 獣人国までの道で。アスクの新能力

途中胸くそ悪くなるかも知れません。

~犬の国、戦場後~


猫の国への直接的な位置の把握が難しかったために、俺達一行はとりあえず魔族地域である犬の国同士で争っていた戦場へとワープした。


「うわぁ、アスクさん。ここら辺やっぱりまだ臭いますね」


「何嫌がってるんだ、竜海もこの臭いに慣れておけ。この苦みと辛味の混ざった人の灰の匂いを」


「獣人って焼かれたらこんなに臭うのね、人間だったらもっと酷いのかしら」


「人間はもっと臭い、しかも記憶に残る臭いじゃ。あれほど異臭を放つのも人間ぐらいじゃろうな」


慣れない人間が戦場の匂いを嗅ぐと余りの酷さに嘔吐が止まらなくなり、吐いた後も気分が悪くなるだろう。足早にこの激臭地帯を抜け、魔族地域の三分の一を占める森の中へとたどり着くとようやく二人の顔色が元に戻った。


「もう二度と人には死んでほしく無いですね・・・」


「気持ち悪い・・・」


「吐くなら今吐いとけよ二人とも、ここからもう少し走ったら猫の国だ」


俺の足で走るから、まぁ、二~三里程度だろ。うん、近い近い。歩いてなら少し時間がかかるかも知れないがそれでも一時間あれば余裕でたどりつけるな。二人にはそれまでにスッキリとした顔でいて欲しいからな、吐くならとっとと吐いてしまえ。


「おいアスク」


「どうかしたか竜王?」


「この森虫がおるのではないか?」


「いるな、うじゃうじゃと」


「妾ちょっとここから空飛んでもええか?」


「ダメ」


「何故じゃ?」


「竜王、虫苦手か?」


「・・・・・・うむ」


「俺、竜王のそういう以外な所、大好きだよ」


「妾はお主のそういう所が大嫌いじゃ」


「よしいこう、すぐ行こう。キャーキャー騒ぐ竜王を見に行こう!」


「目的が変わってはおらぬか!?」


森の中を進んで行くと、当然魔物に出会う。しかし残念ながらこちらのパーティには弱い奴がいないのだ。いるとすればそれは俺になる、残念ながら一番強くなるのに苦労したであろう人間が一番下なのだ。全く持って悲しい現実である、しかし周りも悪いと思う。神と王と勇者ってなんだよ・・・真剣に比べる相手間違えてる気がするのは俺だけか。職業に神様ついてるとは言えこちとら殆ど自称神様だからね?信者とかまるでいないから!どっかのオタクドラゴンみたいに自分の塔とか持ってるわけでもあるまいし、世界に認められた勇者であるわけでもあるまいし、ましては世界三十位とかいう最強クラスのドラゴンでも無いわけですよ。ここまで考えたら逆に自分でなんか安心してきたぞ、惨めになんて全く思わないな。


「誰かこいつらの相手してやれよ」


敵のステータスは確認するまでも無い、魔族地域だけあって普通に森の中に生息している魔物のレベルが人間の住む大陸とは豪い違いだが、こちらのメンバーは個々が強いのでこの場に一人だったとしても、誰一人傷を負う心配がないのが今の状況だ。ここからは殆ど作業になる、誰がやってもいいしほっておいても別に問題無い。誰か倒してくれる奴はいないだろうか。


「あ、そうだアスクさん。ここは僕に任せて下さいよ」


自ら面倒ごとを積極的にやってくれる竜海は俺の最高の友達です・・・さてと再び歩き出しますかね・・・


「よ~しよしよし、いい子だねぇ~少しだけ僕達を乗せてねぇ~」


何やら高レベルの魔物を手懐けたらしい。


「竜海お前そんな事出来るのか」


「まぁ、これが神の実力ってやつですかね~ふふん」


「私に跪きなさい」


「妾を少し運んでくれるかの、チビよ」


おっと、竜海の方法を見て何やら他の二人も魔物を乗り物にした様だ。どうしたらそんな風に手懐けられるやら・・・


「アスクさんの分も僕が用意しましょうか?」


そんな情けない事頼めるかよ、自分で何とかして見せるに決まってるだろ。しかし、しかしだ、俺は昔から動物には好かれない体質でね。どうやら彼らには解剖などで使った動物の血が染みついているのが分かるらしく、襲われるか怯えて逃げるかの二択しかされた事が無い。


「いやいや、俺にはマイペットがいるから問題ない、ちょっと待ってな」


ゴソゴソゴソ・・・


「あったあった、まずこの秋ライチの実から絞り出した汁を瓶に詰めた物を用意します、そして今回の俺のパートナーは誰にし・よ・う・か・な。よしコイツに決定!」


「これってクマの死体ですか?」


「そう、この間手に入れた毒を持っていたクマの死体を使って実験をします。まずクマに呪文をかけてゾンビにします」


「アスクさんゾンビなんて作れたんですね、いつからそんな能力を・・・」


「ゾンビ・・・と言っても無理矢理魔力で体を動かしているだけ何でけどな。力技ではあるがこれで何とかなります、そして次に使うのがそう、秋ライチ。これは肌の年齢を五歳若くすると言われる高級食材です。そしてそれを徹夜して研究した結果、この秋ライチには新しい細胞を爆発的に増やす働きもある事に気がついた俺は熱心に研究に研究を重ねついに!、生物への冒涜ともいえるクローンの製造に成功したのだ!」


「アスクの話は長ったらしくて意味も理解出来ぬ、端的に話せ」


「竜王なら・・・・と言うか大体の人ならそういうと思って端的にまとめて置いた。要するにだ、昔いた生物とかを形ならもとに戻せるというわけ。勿論人間やら生物なら全て」


「なんと愚かな事を・・・罰当たりにもほどがあるわ」


「そう言われても仕方がない、こっちは専門分野じゃないんだけど出来ちゃったんだから仕方ないだろ?さて、実験の続きをするぞ。クマにこの秋ライチの汁をたらふく飲ませます、すると・・・」


体の部分的に破壊されていた場所も何もかも戻り、形だけは元のクマとなった。しかしこのクマはまだ動かない、動かす燃料が足りないからだ。


「そして!生物の冒涜パート2!ここから魔法を使って結構不可能な事とかパパッとやってしまいます。ここからは赤色髄とか難しいと思うから話を省くけど、血液をクマ自身に作ってもらいました。そして最後に頭と心臓を動かします。これに魔法が無かったり人の手使ってだったりすると結構な技術力がいるから今の俺でも無理、なので魔法を使います。全身の機能を再起動させて完成!」


「アスクがアスクじゃないみたい。いや、アスクなんだけど・・・」


「ちょっと昔のクセが出てしまったみたいだが気にしないでくれ。まぁ、でもこれでとりあえず動くクマが出来た」


「アスクさん、そのクマはアスクさんに懐いてるんですか?」


「そりゃ勿論生みの親なら・・・あ・・・・」


ガブ・・・ガジガジガジ・・・


「いうことをきけ!!!」


グルルゥ・・・


物理で殴る、これに限るな。


クマの話考えるのに一時間かかった・・・

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