魔族地域 獣人国編(猫)その6 メロエとの会話その3
メロエとの会話はこれで終わりです。
どうやら二人の間にどこかで会話にずれがあり、その誤解を解いていくと自分の予想が思った以上に悪い方向へと向かっていた事を理解し、これらの解決策を今脳内で余りにある賢さをフル活用し、解決策を練っていた。
(まず第一の方法、メロエの要求を呑む。
つまりこれはメロエの友達の好きでは無い方の好きを受け入れるという事になる。これには今後の関係としてはメロエが俺にベタベタと引っ付いてくるのだろう、そして当然竜王は俺を殺すかどうかは別として俺の前から離れる事は確かだろう、そしてメロエがいる時点で俺にそれを追う資格はゼロだ。・・・駄目だな、デメリットの方が多すぎる。
次に第二の方法、メロエの要求を拒否する。
ようするに振る事になるがそれは今この瞬間から命の危機にさらされるという事だ。丸々太ったウサギが餓えた虎の前でジャンプしているのと同じぐらい危険だ。
しかしこれが一番後の事を考えれば最善の策となる事は分かっている、これからメロエを振ってそして当分メロエから逃げ続ければメロエも諦めて良い男と幸せになってくれるだろう。しかし危険だな・・・・ものすごく危険だ・・・
最後に考え付いた第三の解決法、この場から逃げる。・・・・何を考えているだ俺は、しっかりしろ。
改めて第三の考えは・・・毒薬を使ってメロエを無力化でもしてみるか、勿論暴れるような事になればだが、案外これはいい考えかも知れない。そして毒薬を使う事の無いようにやんわりとメロエを振ろう、少し危険かも知れないがきっとメロエにも毒は足止めにはなるはず、致死性の無い毒は手持ちに少ないが何とかなるだろう)
「なぁ、メロエ」
「ようやく私の気持ちに気がついたのかしら」
「いや、お前の気持ちには前から気付いていたよ」
(いやああああああ、今すぐエスケープしたい!お願い神様、時間を下さい!!!)
「それで?」
「残念だが、お前の気持ちには俺は答えられそうにないらしい」
(ひぇえええええ、言っちまったよ、俺の勇気が独断行動とってるよ!!取り返しのつかない所まで言っちゃったよ!!!おぉ、神よ!時間を長く感じるようなスキルを俺に下さいお願いします!)
「それで?」
「だ、だから・・・その・・・・すまん」
(あ、メロエさんの綺麗な三白眼がこちらを見ていらっしゃる・・・もう駄目だ・・・ティア、竜海、そして竜王。また転生出来たら・・・)
「そう・・・」
「俺は竜王が好きだから」
(あ、あれ?メロエが斬りかかって来ない???断った瞬間に首が落ちる覚悟をしていたのに、まさか俺生きてる?もしかしてまだ生かして貰ってると考えた方が良いのか?)
「どうして竜王ちゃんなの?」
「アイツの事を初めて見た時から俺は好きだったんだよ」
「見た目?」
「初めは、な、でもな後から中身を知って更に好きになった」
「中身って何よ、私には中身が無いっていうの?」
「アイツはな、長い時の中でいろんな物を知り、そして一つの自分を持っている、それに誇りまでついてな。多分人間のするような家事なんかは出来ない、愛想も悪い、挙句の果てに隙あらば俺を殺そうとする。だけどな、ただ絶対に自分を見失わない、そんな強い意志を感じた。でもな、逆にアイツからその誇りと自分を無くした時どうなるのかと思った、多分半分心配してんだろうな。だから傍にいて守ってやりたいと思ったよ。アイツが自分の誇りを守るなら、俺はそれが壊れないようにアイツとその竜の誇りをな」
「何語ってんのよ・・・馬鹿みたい・・・竜王ちゃんから嫌われてる癖に」
「なに、これからだ。竜王には絶対に好きになってもらうさ」
ふう、ようやくこれで一安心だな。
「ねぇ・・・アスク」
「なんだ?」
「私にもちゃんと私を持てたらアスクは私に振り向いてくれるのかしら」
「・・・せめて十年は欲しい所だな・・・」
「どこみてんのよ・・・馬鹿・・・・そういえばアスクのお仕事だけど、アレ私も行くから」
(もっと竜王ちゃんを見習って早く私も私自身を探さないと、置いて行かれちゃう)
「え、でもお前」
「行くから」
(私、絶対に貴方を放すつもりは無いから、ウフフフフ・・・)
「はい・・・」
(メロエの奴何を考えている・・・俺はちゃんとメロエをふっていなかったのか?いや、そんな事は無い、だが何故こういう流れになっているんだ?考えろアスクレオス・ワイズバッシュ、考えるんだ!!)
俺の考えもむなしく結局俺はふった女と好きな女、助けを求めても知らんぷりをする野郎と一緒に猫の国へと旅立つ事となる・・・
次回から猫の国を出してそれから小説の大幅修正ですかね。いや~それにしても12月は良い。予定が無いんだもの(笑)




