魔族地域 獣人国編(猫)その1 犬の次は猫
獣人族編を猫と犬に分けました。他にも動物出したかったら更に付け足していく方針で行きたいと思ってます。それと今回初めてお金を使ってアスクが買い物をしているシーンが出ます、お金について忘れた場合はもう一度お勉強の時間に戻って読み返して下さい。
獣人族の犬の戦争から一週間と数日余り過ぎた頃、季節は秋になり領地にも秋にしか出回らない野菜や果物が集まり、町人や商人達により領地全体が賑わうのだそうだ。ワイズバッシュ領は他国から見ても群を抜いて裕福な領でここに来れば何でも売っていると言われるほどに。
「そんな事を聞かされながら半ばメロエに強引に買い物に連れられてきたわけだが案外面白いモノが集まってるな」
普段はその通りには店など一つもやっていないのにこの季節だけは大通りに店が入り切らなくなり、今俺のいる裏通りにまで店が並ぶようになるらしい。
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■秋ライチ 特異級
一個・・・10銀貨
説明:極一部の貴族が食べる事が出来るという秋にだけ実と言われるライチ。一つ食べると肌が五歳若くなり、二つ食べると十歳若くなり、自分の生きてきた歳よりも多く食べると死に至る。
■秋刀魚 高品質
一尾・・・5銅貨
説明:魔王によって異界より連れてこられた生物、現在は魔王の手によって養殖が進んでおり、魔王が秋の季節になるとどこからともなく秋刀魚を流すと言われる。
■火薬薩摩芋 特異級
一つ・・・1金貨
説明:外的から身を守る為に皮の内側に毒があり、人が食べると口の中の唾液と反応して爆発する。調理して食べると、とてもおいしい。
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今見てきた中で俺が面白半分で買ったものはこれだけだが、今大通りの方からこちらの裏通りへと走ってくるメロエは亜空間に一体どれほど買い溜めしたのかがかなり心配になる。
「思った以上に今年は豊作だわ、ほら、アスクは何か買ったの?」
「ああ、結構面白いモノが多くあったから、全てまとめて買っておいた、いい買い物が出来たぞ」
「それにしても今年もやっぱり秋ライチは出回って無かったのが残念だわ、表通りに売ってあった秋ライチはとっても高いのにすぐに無くなっちゃうし、裏通りの方も探してみなくっちゃ」
裏通りの秋ライチは全て俺の研究材料の為に買い占めているが、それでもメロエは裏通りを秋ライチを求めて散策するつもりなのだろうか。流石にそれは可哀想というか哀れなので情報だけ伝えないと後からが怖いな。
「裏通りの秋ライチなら俺が全部買ったぞ」
「うそ!?裏通りにも秋ライチ売られてたの、ねぇアスク少し分けて」
「これは俺の研究材料だから駄目だ。大体こんな取り扱いが危険な物は子供が持っちゃいけません」
「同い年でしょうが」
「精神的な年齢だ」
精神年齢合計アラフォーのおっさんがどうして自分のいたら娘ぐらいの歳のメロエに同い年と言われるのは心が何か汚れてしまいそうでいやなんだよな~
「私が子供っぽいって言いたいの?」
どうやら少しメロエの癇に障ったようだ、急いで話題を切り替えなければ。
「ラ、ライチは必要な時は必要な分だけ渡すから言ってくれ、そういえばライチで思いだしたが俺が少し前に仕事の報酬で貰ったものも料理の中では良く使われるモノみたいだな」
「それって珍しい調味料とか?それともアスクが好きなお肉?」
(よし!料理の話題に持っていったのはナイスな判断だ、俺!)
「いや、水のようなモノだけど実際は違うらしい、ほらこの箱に入ってるモノを鑑定してくれ」
「豪華な箱ね・・・しかも思ったよりも重たい中に入っている液体のせい?」
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■猫の感涙 伝説級
効果:混ぜ合わせた素材の品質向上 ・一時間嘘がつけなくなる
説明:半神半猫の初代猫の国王が有効の証として元王子、現国王のカインに手渡されたモノ。伝説級の効果はあるものの、使いがってが悪い事から貴族に仕事の報酬として渡された。
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「これって、効果が滅茶苦茶な割に説明が適当ね。一体誰がこの鑑定の説明を書いているのかしら」
「俺も良くは知らないけど千里眼のスキルを複数持つ神とかが主体となって鑑定スキルの管理をしているらしいぞ、竜海情報だ」
「アスクの友達で私の知らない人がいるなんて・・・他に私が知らない人とかいないのかしら?」
・・・?なにか周りの空気が一瞬で固まったような気がするけど魔法じゃないからきのせいだな。きっとそうだ、そうに違いない。出なければ俺はこの空気から逃げる事が出来なくなりそうだ。
「あ、そういえばここに良いものがあるじゃないの、ほらアスク、飲んで」
「いや、別に喉は乾いてない・・・」
「良いから飲みなさい」
メロエの何か引き出してはいけない何かを引きだしてしまった気がする。
ちょっと複線張っただけで終わらしてしまった・・・。毎回アイテムとか考えるのに時間を使いすぎなんだよなぁ・・・。




