魔族地域 獣人国編(犬) その6 後日談
後日談のようなモノを書いてみたかった。
後日、戦争で負けたレジームの住む国、ニッツライプ国と言うらしいがその国の中でも騒動があったらしい。上の貴族が下の平民や商人層の人々によって殴殺され、現国王の幼い少年スラヌイの権威・・・というよりもやはり駄目だというような声により代理で市民からも人気のあるレジームが摂政のような役割を担い、ギリギリ国として踏ん張っているようだ。
それを狙って周りの国がニッツライプに攻め込もうとするも鉄壁とも思える城の壁とレジームによって防衛されていた。こちらの王様のカインは量より質だよね~と、二ヒヒと笑いながら何やら契約書のようなモノを書いていた。
俺達が加勢した国、ブリュージュ国には途中までニッツライプ国に押されていたという事もあり四分の一の兵士を失っていた。人型戦略兵器とも言える見た事は無いがサルーキとかいうやつもいたらしいがどうやら俺の毒薬を信用できなかったらしく部隊を連れて毒薬を持って行かなかった為途中で剣で遊んでいたレジームと当たってしまうという不幸な事故があり、そしてサルーキの死亡を聞き焦った軍の指揮官であるアイリッシュがスウェルに駄目もとで毒薬を渡し走らせたのが俺達が来る直前までの話らしい。
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~公爵邸上空~
「アスクさんお疲れさまでした、帰りのフライトもなかなか楽しかったですね」
「竜海も今度頼んでみろよ、なんか人が行ったらかえってこれないような場所を見る事が出来るぞ」
「じょ、冗談に決まってるじゃないですか~そ、それにホラ、僕自分で飛行出来ますから。アスクさんも頑張って空を飛ぶ練習でもしてみたらどうです?」
「お前俺の体を長時間浮かせる風量がどれだけの魔力の消費につながるか分かって行ってんか?龍族とかは良いよなぁ、飛行は本能的に出来るもんなあ?あぁ?」
「あ、アスクさんの性格がフライトのせいで二流のヤンキーみたいになってる、竜王さんアスクさんに強い衝撃を!」
何やら少し意識が飛んでいたようだ、そしてなぜか今俺は意識では無く体が浮いているような気がする、いや、何かに引っ張られているような感覚を感じる。
「油断は禁物じゃったなアスク、貴様の家が貴様の墓標じゃ、ありがたく思え」
何やら竜王がいっているが聞こえずただボーと、しているとやがてもの凄い衝撃と共に目が覚めた。
「公爵様の思い付きで邸の上に対物魔法を仕掛けておいたのがまさかこのような形でアスク様がダイナミックに御帰宅なされるとは思いもよりませんでした、衝撃は半分以上抑えられていると思いますが意識の方はいかがでしょうかアスク様」
うちのメイドが父の冗談を真に受けるような性格で本当に良かった。おかげで所々骨折で激痛がするぐらいで済んだ、治癒魔法を自分でかけ数十秒で完治し上を見上げると悔しそうな竜王と俺が無抵抗で落ちた事に若干冷や汗をかいている竜海が飛んでいる。
「だいじょーぶだ、この通り問題ない。速く二人とも降りて来いよ」
「それでは私は仕事に戻りますので、次からは屋根では無く玄関からでお願い致します。急に落ちてこられてもお迎えの対応はできませんので」
「だそうだ竜王、振り落とすなら玄関に頼む」
「フン・・・運の良い奴め」
「ひやひやしましたよー、まさか何も魔法をかけずに落下していくなんて夢にも思いませんでした!一体全体何考えてるんですかアスクさん」
「考えているというより何も考えていなかった」
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魔法の事を少しばかり頭の端において置きながら三人で俺の部屋へと歩いていると、廊下の奥のほうからクレウスが箱を持って歩いてくる。
「アスク帰ってたのか、ほら、今回の仕事の報酬らしいぞ。カインの暗部の奴らが俺らは運び屋じゃないのにって愚痴りながらもって来たぞ」
「王様が王様なら暗部も暗部ですね、面白い人が多い」
「中身は多分お前も楽しめると思うぞ」
そういわれポンと軽い箱を渡され、そのままクレウスはすれ違うように俺達の来た玄関の方向へと歩きながらふと思い出したかのように、
「そういえば次ぎの仕事また獣人国だからな、大変だろうが父さんの分まで頑張ってくれ」
しまった!!!!これは国王と公爵の罠だ!俺をこのまま多くの獣人国の面倒ごとにづるづると引きずらせる為の罠だ!クソォ!報酬なんて受け取るんじゃなかった!!!




