魔族地域 獣人国編 (犬) その4 アスクと魔法使い
「コイツが七十位って嘘だろ・・・」
「そのような呼び方は失礼だとは思わないか少年、ちゃんと私には名前があるのだが」
「余裕だな敵国の兵士が!おい化け物、我らの援軍としてきたのならば手伝え、アイツを止めるぞ」
このステータスを見てから止めようとか思う方が馬鹿だ、あと俺は化け物じゃない。大体ステータスでのレベルが二倍って数字は攻撃は愚か逃げる事も難しいレベルだぞ、それこそ今の敵の七十位であるレジームのような剣のスキル上げを遊びでやっているような奴じゃない限り。
「レジーム、そのまま遊んでいてくれよ」
「はて、何のことやらさっぱりだが少年、君はそのままでいいのか?」
「どういう事だ?」
味方である足の速い獣人名前は・・・スウェルか。スウェルという獣人が俺達の会話に痺れを切らしレジームの懐へと接近し連続攻撃を繰り出す。俺も戦闘中でも以外と話は出来るものなので続行する。
「少年、君は剣の才能は無いのは自覚しているのだろう?」
「ああ、まあな」
(俺がクレウスの息子だからある程度の事は出来てはいるがその内に弟であるティルに直ぐに抜かされてしまうだろうし、何より上位のスキル覚醒というのがまだ俺には来た事が無い)
「そして誰かに憧れて剣士になった分けでも無い、君のその剣の中に毒を常に仕込み戦うスタイルは外道極まり無い戦い方であり容赦がまるでない。そして以前からそんな人間は私は耳にしたことすらない、ならば独自でその戦闘スタイルを築き上げたという事になる」
「そうだな」
(やるとしても盗賊や山賊あたりがするぐらいだろうし、此処まで協力な毒は持ってないよな)
「最後に一つ、君は魔法を感じるままに発動することが可能だな?」
「は?何を当たり前な事を言ってるんだ?」
「普通の子供、というか人間それ自体が魔法書や魔法の師から伝授されるなどして魔法を獲得するのだ、君が今体全体にかけている攻撃と素早さを補助する魔法、私が今までに多く戦ってきた人間種の中でも見た事の無い形だ、つまり独学なのだろ?その自分にかけた魔法は」
「独学というよりも感覚だ、直感的に頭で攻撃力を上げたり素早さを上げようと思うと魔法は発動可能にはなる、それだからなんだというんだ?」
「何故魔法使いにならない?ステータスも生まれつきだろう、HPは悲しい程に少なくMPと賢さがとても高い、典型的な魔法使いタイプの人間の君が何故剣士を選んだ?魔法に力を入れて伸ばそうと思えば君は今の二倍・・・いや三倍は強くなっていたと私は思うがね」
「いや魔法使いはな・・・」
(後ろでちょこちょこやってるのってなんかかっこ悪いだろうが・・・俺は接近して使う魔法や派手な魔法は使うがそういう難しい連携を考えて使う魔法は嫌いだ。)
「まあならないというのなら別に私には関係の無い事だから仕方がないが非常に勿体ない事をしているとだけ言っておこう」
「改めて言われると感慨深いな、見た目と強さか・・・」
「私はそろそろ退散させて貰うよ、君たちと遊んでいる間に君たちのお仲間が私の王を殺そうと城を押しかけている音が聞こえる、また次合うときはもう少しマシになってから会おう少年」
「変わり者のおっさんで助かった・・・しかし魔法使いなぁ~」
「一発も攻撃を当てる事が出来なかった・・・」
スウェルのやつかなり落ち込んでいるが確かに俺とレジームの会話中常に攻撃の手を休めずにひたすら攻撃を続けていた事については素直に凄いと思うぞ。メンタル的に。
今回は少な目です




