魔族地域 獣人編に入るまでその1
ケモ度をどれくらいにするか身内で聞いてみた。
作者:「今度獣人編でもやろうと思うんだけど、どれくらいのケモ度が良いかな?」
友人S:「シロクマとペンギンとパンダ出せばいいんじゃない?」
作者:「友人Wはどう思う?」
友人W:「和風ファンタジーにして動物の幽霊でも出しませんか」
作者:「友人Yは?」
友人Y:「タスマニアデビル所望」
お前らマジで考える気が無いのは良く分かったぞ。・・・という事で最終的な判断は毛皮はあるけど一応服を着ている人の骨格をした獣人という感じでやっていきます。
ムズィーク王国での出来事があった後俺は直ぐに自分の元の姿に戻るべく、筋トレをして健康な生活を続けていた。
「888・・・889・・・890・・・891・・・892・・・893・・・899・・・ん?とばしたか」
気が抜けると一気に体からも力が抜け、汗で出来た水溜りに顔をべちゃりとつける。
「・・・カッ・・・はっぁぁぁぁ・・・・・・はぁぁぁぁ・・・・ぁぁぁ・・・・」
それから暫くしたあとに、誰に教えて貰ったわけでもない自己流の呼吸方法で息を整え、また違う部位を引き締めていく。その繰り返しの中で以前の体に少しだけ近づいている事が実感できた。
「次、指と掌だ・・・・よし、まずはたつみの塔で見たアニメでやっていた指一本で体を支えるやつ・・・やってみるか」
手に力を入れ、肩から入ってとりあえず両手で自分の体を持ちあげる倒立は出来た。・・・しかし、指一本で三メートルの自分の体を持ちあげることは叶わなかった。
「折れてしまう・・・!」
片腕で異変に気付くべきだった。
「―――おい、――――おい、アスク!お前何をボソボソいってるんだ、昼が出来たから呼んでいるのにいつになったら来るんだ」
指のジンジンする痛みや運動の後に考え事をしていたせいで回りの音が聞こえてなかったか、後ろを振り返るとクレウスが腕を組んでたっていた。
「魔法でスッキリしてから向かいます」
「ホラ、水だぞ」
クレウスはどうやら何度も呼びかけても答えなかった事に少しイラつきでもしたのだろうか。頭上から滝のような勢いで水が俺に襲い掛かってきた。
「もういいか?それにしても俺の身長超えるの速かったな、成長期ならこういうものか?大きくなったな~」
「はい、もっともっと大きくなります」
いくら子育て初挑戦だからといってもいきなり子供の身長が一メートル以上伸びる事に疑問を持たない親がいるか?・・・現にここにいるんだから仕方がないが、ハッキリいって家の母のカトレアも天然が入っている所もあるけどクレウスも大概おかしい。
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~食事中の会話~
「アスクそういえばお前動物に興味はあるか?」
「えぇ、まあ人並み以上には」(試作中の毒の実験に使ったやつが抗体を作った時とか感動モノだしな)
「おお、そうかそうか、ならばお前にいい仕事があるぞ」
ニコニコするなよクレウス、顔面怖すぎて俺の食事の手が止まってしまったじゃないか。
「いい仕事・・・?ジャバさんですか?それともカイン王で?」
「おう、察しが良いじゃないか。今度重要な貿易国である獣人の国まで出張する事になってな。そこでの仕事を十歳になった記念にお前に任せたいと思う」
「十歳の子供に外交を押し付けないで下さい」
「俺と母さんは昔の事でちょっと獣人の奴らから嫌われている。カインの奴はそれを面白がってこの仕事を俺に出しやがったんだ。十歳になったんだから一人で大陸を渡って生き残って帰って来るぐらい父さんに見せてくれ」
クレウスの背中をとんとん、と、つつくカトレアお母様。その御姿は大変に素晴らしいもので、クレウスには分不相応なほど存在自体がめでたい人だが、今回に限ってはその姿は美しいというよりも、無邪気であどけないという表現が似つかわしいだろう。野獣をつつく美女といった感じだ。
「―――私って嫌われていたの・・・?」
「アレだけ町ぶっ飛ばして高笑いしておいて良く言うぜ・・・、まあ、ウチには優秀な息子がいるんだ。我が子に任せるとしようじゃないか。なあ母さん」
「ええそうね、お父さん」
三人用の丸い食事テーブルで、先ほどからクレウスをツンツンしていたお母様は今度はこちらに振り返ると、座高で既にかなりの高さだが・・・・腕がニュルリと伸びてポンポンと頭を触ってくる。流石お母様、腕が伸びるのを俺に驚かせもしない安らぎをもたらしてくれる。クレウス以上に謎で怖い人だ。
「なんの茶番ですか・・・だいたい王様が認めるわけないでしょう」
なんかよくわからない味の付いたとろみのついた【液体】のようなモノを啜って、この話は無しだと示す。歯ごたえがなく、別に不味くもないが美味しくもない、今の微妙な空気を上手く表現した一品になっている。この摩訶不思議な液体の料理名はつけるとするならば【期待】といったところだ。勘弁してほしい。
「そこは大丈夫だ、ワイズバッシュ様と依頼のスクロールに書かれているだけで身内なら誰でも良いともとる事が可能なわけだ。分かったなら二日後準備を済ませて王城まで迎え、そこで盛大に【鼓隊】に見送られて出発だ」
何やら俺の健康と筋トレの生活とはサヨナラになりそうだ・・・とりあえず俺一人も何か寂しいから誰か道連れにつれていくか。
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「ティア、獣人の国に二日後いく事になったんですが来ますよね?」
「お前は何言ってるのだ!獣人の国の王と吸血鬼の国の王は昔から仲がとても悪いんだぞ??俺なんかが行ってみろ、行ってみたいが道を歩けば火あぶりに、王と王が合えば戦争沙汰にもなると聞くぞ!!・・・・そんなとこ、絶対俺は行かないからな」
言い訳は二行に纏めろ二行に・・・しかしまいったなあ、ティアが来ないとなれば後はどうするかな。
あ・・・いるなあ、暇な奴。そしてとても強い、尋常じゃない程強いやつが一人いる。
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~たつみの家(塔)~
「たーつーみー君、あーそーぼ」
「歳相応の行動をして下さいよ、アスクさん合計でもう40過ぎてるんでしょう?」
「気にするな、今お前の眼の前にいるのは老けたオッサンじゃなくて若若しい青年だろう?」
「それより今日はどうしたんですか、アスクさんご機嫌ですね」
「ああ、丁度いい道連れを発見して喜んでいるんだ」
「ククククク・・・アスクさんに道連れにされるなんて不幸過ぎて乙としか言いようが・・・・」
大変楽しそうで結構だが・・・・・そんなに自虐趣味があったとは俺も驚きだ。しかしそこまで喜んでもらえるなら俺も連れていきがいがあるというもの。
「それで他に連れていきたい奴とかいるのか、ほら前に言っていた天使の従者とか」
「え?どゆこと?」
「だからお前以外にもう一人誰か連れて行っても大丈夫な奴とかいるかって聞いてるんだよ」
「僕がいく事は決定事項ですか?」
「今決めただろうが、何を呆けた事を言っている」
「ん・・・・・んんん???・・・・・あれ、会話がどこかですれ違いに・・・」
「竜海の了承は鼻から俺の計画に入っていない。理解したら考えろ、誰か他に連れて行く奴はいるか?」
「えぇえええええ・・・・・・・・さー、とくにありません、さー」
(塔にいても暇だし、たまには外に外出するのも良いかな~。アスクさんが不機嫌になるのもそれはそれで後から面倒だし・・・)
「出来れば戦場に行っても無傷で帰って来れるような奴が欲しいな」
「いるわけ無いでしょそんなコマ○ドーみたいな化け物の友人なんて。・・・・・あ」
「どうした」
「いや、いますよ一人。戦場の中無傷で帰って来れそうな友人が」
「そうか、やっぱり一人は二人いるモノだろ?」
「あんたの周りが異常なだけですよ・・・・ったく」
たつみは何かと下ネタやパロディが多いキャラクターになりそうかも。




