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ひなこの優しい短歌教室  作者: ひなこ
6/8

本歌を取ろう!


 『ネタ尽きて 途方に暮れし 我なれど 捻り出したり 苦肉のネタを』


        ひなこ


 今回は『本歌取り(ほんかどり)』についてのお話です。


 本歌取りとは、古歌から句の一部を借用し、新たな歌を作るという技法です。


 これについては賛否両論ありました。


 「コレ、パクりっしょ」


 「いやいや、パクりじゃねーし」


 みたいなことを言い争っていたらしいですが、藤原定家が一応のルールを決めました。



 本歌取りのルールは、


 位置を変えずに使う場合は、借りる句は二句未満とする。


 但し、有名歌人の傑作の歌以外なら、枕詞や序詞を含めて二句まで借りてもよい。


 位置を変えて使う場合は、二句と三、四字までとする。


 主題は変えなければならない。



 大まかには、こんな感じです。


 因みに枕詞まくらことばとは、それがあることによって次の言葉を導き出すための仕掛け詞みたいなもので、一句で使います。


 これは万葉集の頃からあり今でも使われています。


 これ出たら次はコレ!


 というように明確に決められていて、自由度がない分、使いやすいのが特徴です。


 あしひきの~と来たら、山ナンチャラみたいに続く感じで使うのが枕詞です。


 序詞じょことばは、二句以上で構成する詞で、言わば比喩的な使用法。


 巧みに使うことで、歌に深みと奥行きを持たせるという自由度が高い分、使うのが難しく、そこが歌人の腕の見せ処なんです。


 ほととぎす 啼く~と来たら、皐月ホニャララと言った具合に使うのが序詞です。


 で! 話を戻しますが、本歌取りは時には挑戦的に扱ったり……。


 (貴方はそう来ますか。ほほぅ……しかし、私ならこうしますよ?)


 リスペクト的な使い方や……。


 (貴方の歌が素敵だったから、私も詠んでみたよ! うふっ!)


 合言葉的な使い方もします。


 (私が使ったこの言葉を入れて、貴方も歌を詠んでプリーズ!)


 そんなこんなで本歌取りは歌人にとって様々な技法を凝らして腕を磨く腕試しとしての役割を持っていました。


 なので、腕を上げたくば本歌取りをマスターせよ!


 恩師の受け売りですが、誰の本歌を取るんだ?


 みたいなことになりますよね。


 誰でも良いんですよ。


 定家ちゃんもいないし、傑作から本歌取りしたって誰も怒らないから。


 練習としてやってみてください。


 有名な歌でも良いですから。


 大丈夫! 私、誰にも言わないから!(小声)


 例題として、百人一首から適当に選ぶと良いかも知れませんね。


 聞いたことある人や歌があると思うので。



 では、私も本歌取りを実演してみますね。


 『天の原 振りさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも』


 意味:この広い空を見渡した時に見た月は、故郷の春日にある三笠山でも見えるんだよな。……仲ちゃん淋しい。


 最後の一言は蛇足です。


 テストで書いたら怒られます。


 では、この安倍仲麻呂の歌を私なりのアレンジしてみます。


 『小夜更けて 窓から見ゆる 蒼光も 遥か昔に 出でし月かも』


 意味:夜更けに窓から見た蒼い光は、遠い昔にも出ていた月の光なんだよね。


 こんな感じでやってみると、だんだん上手くなりますよ。


 私もやりました。


 ……誰だ? 今、それにしちゃあ大したことねぇなとか言ったのは!


 仕方ないぢゃん……私はセンス無し子なんだから。


 でも、貴方ならやれる!



 ……根拠は無いけど!



 何事も、まずチャレンジですよ。


 昔から言うじゃないですか。





 ためしてガッテンって。


 これはエネエチケの番組だった!


 でも、やる価値はありますよ!


 さぁ、レッツトライ!



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