少女の話
少女の話です。
ああ、狐がまた不思議なことをします。
私がまだ小さかったころの不思議な体験です。
どうしよう……。
お母さんとケンカして家を飛び出しちゃった……。
泣きながら走ってたらいつの間にか森に入ってて……。
帰りたくない……けど、怖いよぉ……。
さっきから動物の鳴き声が聞こえるし。
何十年か前から人喰いお化けが住んでるってお母さん言ってたし…。
あれ?あんなとこにおうちがある……。
明かりもついてる!
良かった。助けてもらおう。
あれ?誰もいない……。
ここは誰の家なんだろう?
なんか尻尾が二本のキツネさんの形をした石像が部屋の真ん中に置いてある……。
きっと石像を作ってる人の家なんだろうな~。
それにしてもこの部屋凄く赤黒いいなぁ……。
火もなんか蒼白いし、なんか怖い……。
この家の人が帰ってくるのいつだろう……?
優しい人ならいいなぁ。
なんか外がうるさいなぁ。
なんだろう?あ、お母さん達だ。でも、ゆるしてあげないんだから!
私のおもちゃを壊しちゃったんだから!
でも、ひどいこと言っちゃったな……。
よし!謝ろう。
あれ?扉が開かない?!
え?やだ!お母さん!
ここ!ここ!助けて!
なんで来てくれないの?
まって!行かないで!
その時、お母さん達はこちらを見向きもせずに山頂の方へ歩いて行ってしまいました。
ああ…………。行っちゃった……。
なんでここだけ避けるように行っちゃうのよ。
はぁ……。どうしよう。
扉は開かないし、お母さん達も来なかったし。
うぅ……。
私が泣いていると
いきなりペロリと顔を舐められました。
ひゃ!え?あれ?なんでキツネさんがここにいるの?
扉閉まってるのに……。
あれ?尻尾が二本……。さっきの石像と同じ……。
あれ!?石像が無い!
もしかしてこのキツネさんが化けてたのかな……。
あれ…なんか、だんだん眠く……なって…。
その時、とてつもない眠気に襲われ私はその小屋で眠ってしまったはずでした。
翌朝、気づいたら自分の家でした。お母さんが言うには、森の入り口あたりに倒れていたそうです。
私は、お母さんにとても心配させたことと、悪口を言ったことをすぐに謝りました。
昨日の夜の話をお母さんにすると、顔色を変えて言いました。
そのキツネが人喰いお化けなのよ……、と。
ヤッホウ。少女生きてたぜ。
キツネが勝手に暴走するんで、書きながらヒヤヒヤしてました。
次が残虐行為の始まりですね。