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第七章
「何ッ!大魔導師エミリアだとッ!」
ウォルストは、声をあげた。
「何者だ?」
ウォルストに報告した竜魔王グランデが尋ねた。
「うむ・・・勇者エミアの母親だ。かつては神官ユムの母リシェンナ・イスカンダリアの弟子だったが、エリティアに弟子入りし、現ティアムル宗家当主バルディスと結婚し、エミアを産んだといわれるエルフだ。その魔法力は、全盛期のエリティアを越えるとされ、エリティアの後継者とさえ言われる。」
「はッ!所詮は、『人間』だろ?」
ここで言う人間とは、獣人族やエルフ、竜族なども含める。
「侮るな。ビューストが、単騎とはいえ、撤退を余儀なくされたのだぞ。」
「では・・・」
「そうだ。確実にエルドは倒される。」




