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第六章
サイストは、悩んでいた。
報告では、ヘイゼルが復帰し、ブラストが離脱。
ラムンセン大陸で、巨大な鳥のようなゴーレムが出現したともいう・・・
「一体・・・」
そして・・・何が正しいのかも・・・
「どうでもいいけど、ゴーレムの正体は創造と破壊の竜・聖鳳凰・・・神族が関わっていることに間違いはないわ・・・」
さすがに、神を敵に回したいとは思わない。
「もしかして、私たちのようなのは、神様にとって『バグ』なのかも・・・」
サイストは、最近言われ始めた電算機用語を引用して呟く。
「あるいは、がん細胞を無理やり正常な細胞に戻そうとしている?」
その役目を果たすはずの、レイスト一族が、このようなことをしてはいけないということだ。
一人や二人なら、見逃し、エミアたちだけに処断を任せていただろうが、徒党を組めばこうなるぞというデモンストレーションなのだろう。
「私は、どうするべきだろうか・・・」