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第二章
山奥の神殿・・・
そこの一室に、一人の神官と若い女神官がいた。
女神官は、まだ少女と言っていい。
「ユムよ。」
「はい父上。」
「トラルティアから、お前の母リシェンナの友エリティアの息子・レイストが旅立ったと小耳に挟んだ。」
「えっ・・・」
「恐らく、ただごとではない事態が起こったに相違ない。」
「では・・・」
「どんなに時間がかかってもよい。彼に合流せよ。」
「わかりました。」
ユムの髪は金髪・・・
そして、エルフの血を受け継ぐ者の特徴である、長い耳が目立つ。
「そして、願わくば、母の悲劇を繰り返してはならんぞ。わが娘よ・・・」