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ハーフエルフ・アドベンチャー  作者: SHIN
第二部 勇者の少女
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追憶 傷を舐めあう者たち

ウォルストは、決して表には出なかった。

巧みに独自の情報網を作り上げ、レイスト一族に産まれながらも、自分と同じ境遇の『はぐれ者』を集め、資金を稼ぎ、誰も見向きもせず誰もが知っている場所に居城を築いた。

そこは、旧デラル城・・・

ウォルストは、組織の中ではなぜか求心力があった。

そして、側近となったのは、第二位の実力を誇る魔導師ファルスト・ティアムルだった。

「ウォルスト。こうして俺たちは集まったが、戦力が足らないぜ。どうするよ?」

組織の武闘派・ブラストが尋ねた。

「そうだね・・・ダイアレートを復活させる前に、『お嬢様』に気づかれたら台無しだ。」

補足したのは、神官グラスト。

「忘れたか?ダイアレートについて。」

意見を述べていないサイストは、はっとなる。

グラストも、「ああ、なるほど。」という表情を浮かべる。

ファルストに至っては、無表情である。

「えっ!・・・」

ブラストだけが気づいていない。

ごすっ!

グラストが、ブラストの頭を殴った。

「バカか?ダイアレートには、八人の手下の魔王がいただろうが!そのうち半分が前文明の騎士に倒され、残りごと封印され、『父』二代目レイストに『再封印』されたんじゃなかったのかよ!」

ブラストは、「ああ、そうだった。」と表情だけで返す。

「そう。まずは、手始めに魔王たちを復活させる。」

こうして・・・彼らの反逆は始まった。

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