第五章 第二話 再会!エミアとヘイゼル
ギイイイイイイン!
剣と斧が、火花を散らす!
「あんた・・・!こんなに強いのに、なんで離反派の仲間なんかやってるのよ!」
エミアが、ブラストをにらみ付けた。
「エリートさんには、わからんだろうね。『奴』が言うには、『上』が力を使わずにして、『下』の不満を逸らす、『中途半端』な奴らが必要なんだとさ!サイストから聞いていただろうが、俺たちのような連中だよ!言ってみれば、『上』と『下』の両方にとっての『生贄』って訳だ!無論あんたは・・・」
ブラストの斧に、炎が宿る!
「『上』のカテゴリに入る訳だ!覇王炎熱斧!」
「くっ!覇王冷気閃!」
エミアはぎりぎりのところで相殺する。
「『上』は、こちらが力を小出しにすれば、実力以上を要求する!『下』は、それでコケれば『それ見たことか』と嘲笑する!それと無関係なところで職を持って生けていてはそれが罪になるとでもいうのか!」
「違う!」
「そう思ってるだけさ。『上』全部が『中途半端』に何もかんも押し付けたい奴らばっかりなら苦労はいらんさ。だが、『中途半端』をがんばれば『上』に昇格できる『下』の中にいる自分たちの『仲間』だと信じ込んでいる、脳味噌がいい具合に温まった奴らばっかだ。だから、努力が足らんなどという世迷言が言えるんだ。寝言は寝て言えってんだ!」
ブラストが、呪文を唱え始めた。
「・・・闇鳳凰爆裂!」
だが、魔法は、突然現れた男女に無効化された。
「僕一人でよかったんですけどね・・・」
少年と言っていい騎士が、となりにいた鳳凰の鎧を纏った女性に言う。
「解呪だけで間にあったのかな・・・アレ・・・」
「貴様・・・ヘイゼル・ヴァルシュタイン!聖鳳凰ルカ・マリア!」
「ええーっ!?」
一行(一応いた。)は、声をあげる。
ルカさんまたまた登場です。