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第五章
「さて・・・」
少女は、さらに山奥に歩を進めるエミアたちを見た。
「『婿殿』も頑張ったことだし、助けてやりますか・・・」
ただ、派手なことはできない。
なぜなら、彼女は、全ての宇宙の管理を司る十二人の神の一柱だからだ。
「こんな面倒な仕事は、『創造神帝』に向いていると思うんだけど・・・なんで、愛と生命を司る僕が出てくる必要があるんだか・・・」
少し愚痴をこぼすと、少女は背後を見た。
そこには、巨竜のような姿のゴーレムが立っていた。背から燃えるような巨大な翼を拡げた、鳳凰と竜の中間のイメージである。
「ま、お仕事としては、僕たちが監視していて、オイタをしないように警告すること・・・」
言うと、少女の姿は十代の面影を残した女性の姿へ変わる。
すると、ゴーレムは腹の装甲を開き無数の触手を出し、女性を絡めとり、自らの内部に取り込む。
次の瞬間、ゴーレムはその姿を消し、そこには鳳凰の姿を象った鎧を纏ったその女性がいた。
「創造神王・聖鳳凰ルカ・マリア・・・任務開始!」