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第四章
町で騒ぎを起こしたエクス王子は、お目付け役である炎術士ルーシィをつけられ、エミアと共に旅に出た。
王曰く『ティア姫やエミア卿に鍛え直していただけ!』とのことである。
「いつものことですよ・・・」
エミアは、げんなりとしている。
「でも、こっちの身にもなってください!いつも御止めするのは、私なんですから!」
ルーシィがぼやいた。
「そちらも・・・?」
エミアは、身分証を改札機に当てる。
機械音がして、バーが開く。
「しかし・・・エリティア様による産業革命は凄いものです。錬金術によって、三百年分の進歩を遂げたといわれていますから・・・」
一行は、ラムンセン王都への直通列車に乗り込む。
「でも、この社会を支えるには、身分が底辺の者ですら、厳しい勉学に身を投じなければならないということです。己の道が見出せた者ならば、幸福になれるでしょう・・・しかし、周囲に振り回され、それができなければ・・・」
車窓を眺めるエミアの表情は、暗かった。
ちなみに、トラルティアは六年の義務教育の後、騎士学校や魔法学校などの専門学校に本人の希望や家の方針で進学します。




