76/128
~勇者の手記より~②
それは、復活したてで自我というものをまったく持っていなかった。
だが、それは、レイストたちには好機だった。
「いくぞ!陣を組め!」
ヴェイスト、ルザル、エリナ、レイザールが槍、弓、メイス、斧を構えた。
「我が名によりて生まれし五つの星よ!我が前の闇を封じ込めよ!」
五つの武器が魔方陣を描き、それを消し去った。
「これからどうする?計画から言えば、お前が、一番つらい目にあうことは間違いないんだが・・・」
ヴェイストが、レイストを見た。
「いいや・・・」
レイストは頭を左右に振った。
「僕の子孫たちだ。その名に恥じぬ栄光を手にできる者もいるだろう・・・だが、その名に押しつぶされてしまう者もいるだろう・・・僕もそれくらいはわかる。しかし・・・そうなってほしくは無いと思うのは、『親の勝手』なのかな?」
そう言ったレイストの表情は、どこか哀しげだった・・・
判っていたんです。二代目レイストは・・・