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第三章 第四話 氷術士エクス王子④
「はーっはははは!そこまでだ魔王!」
そこにいた全ての人々が、声の発された方角を見た。
「我が盟友レイスト・エミア・ティアムルと戦わんとし、そのために我が国土エルフィーラを荒らそうとは許しがたし!王子エクスが成敗してくれ・・・おろっ?」
つるっ!
街灯のオーブの上に、かなり無理して乗っていた少年-エクス王子-は、足を滑らせ、石畳の上に落ちた。
「ぐ・・・ぐおおおおお・・・」
「これだもん・・・」
エミアは、頭を押さえた。
「コキュートス・ブ・・・!」
ごすん!
エクスは、通行人Aに頭を殴られ、気絶した。
「ご協力感謝します。」
「あ、いえいえ。おかげさまで魔王とやらはもういないし、これは『国民の義務』ですので。」
そう。
暴走気味の王子は、町によく被害を与えるので王自ら『気絶させて停めよ。』とお触れを出されているようだった。