第二章 第二話 姫・激怒!
プライベートでは、コンビニでお菓子を買ってくる庶民派のお姫様です。(笑)
次の日・・・王宮は騒然となった。
エミアが勝手に抜け出し、旅に出たからである。
しかし、問題は別の所にあった。
「何ですって!それは父上が悪いでしょうが!」
王宮の居間・・・
そこで、エミアの上司に当たる人物・・・第一王女ティア・トラルティアが事の次第を聞き、国王に対しブチキレていたのだ。大激怒である。
ティアは人狼族の母の血を受け継ぎ、見事な毛並みの耳と尻尾を持っていたが、その尻尾が逆立っている。
「そのような人事・・・人権無視ととられても仕方ありませんわ!かくなる上は、私がエミアを追い、共に任を遂行します!お認めにならないのなら、王位継承権を放棄します!」
そう宣言すると、ティアは居間を飛び出した。
「まいったな・・・」
呟くと、ちらりと後ろを振り向く。
「これでよろしかったか?エリティア殿・・・」
「ええ。しかし、よく私の気配がわかりましたね陛下。」
「はは・・・伊達に貴女様に鍛えられてはいません。」
「憎まれ役は辛いですよ。」
「そうですな・・・やりすぎると信頼を失う・・・下手をすると不信につながり、支持を失う・・・ひどければ無能扱いされる・・・貴女の書かれた指導書に記されていたことです。」
「でも私は、過去の遺物・・・」
エリティアは、窓の外を見た。
「今は陛下の・・・そしてあの子達の時代です。
がんばって下さい。
そして、あの子たちに期待しましょう。」